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転生大霊記  作者: マッド文章ティスト
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幽霊、異世界へ行く

初投稿で拙い所もありますが、どうかそこに目を瞑って、楽しんで読んでくださりますと幸いです。

        第1話

     幽霊、異世界へ行く。




 いきなりだが私は幽霊である!

 と、物語開始早々から突然なにを言ってるんだよコイツはさぁ…と普通は思うかもしれない、だがこれだけは言わせてもらってほしい。

 今の私は…[人間]だ。

 だいたいの奴はここで幽霊と人間どっちなんだいとなるだろう。

 それを今から説明していこうと思う…


 


 1ヶ月前のあの日、私はいつもの様にビデオに取り憑き、呪いのビデオとして世に出回り、それを見た誰かを驚かせようとしていた。

 だが、それが私の運の尽きだった、死んで幽霊となった私が運について、どうのこうの言うのもあれだが、まぁどうでもいいだろう。

 結局、あの日が私の運命の分岐点だったのだ。

 あの日、私はいつもの様にビデオに取り憑き呪いのビデオとしてちゃっかり店先に並び、ビデオを借りに来た愚かな奴を驚かせようとしていた。

 そんな呪いのビデオを借りに来たのは、黒いフードを頭に深くかぶった少年…まぁパッと見は普通の奴だったな。

 そいつは何の迷いもなく、私が取り憑いていたビデオを手に取り、借りていった。

 この時点で私はビデオから抜け出すべきだったなと今更ながらにすごく後悔している。

 少年は私が取り憑いているビデオを借りた後は、電車に乗り、そのまま何処にもよらず、家に戻ったようだった。

 一方その間私はなにをしていたと言うと、寝ていた。

 そりゃあもうぐっすりだ、取り憑いたビデオの中で圧倒的爆睡だ。

 しばらくして肌がピリピリとする様な嫌な感覚で私は目が覚めた。

 どうやら私はぐっすり夜まで寝ていたようで、既に周りは真っ暗だ。

 だが私は幽霊、暗闇は別に怖くもどうってことはない、私は目を凝らして周りを確認して驚き、絶望し、そして後悔した。

 私が取り憑いていたビデオが持っていかれた場所は断じて家などではなく神社だったのだ。

 だが、並大抵の神社やお寺であれば、私ぐらいに強力な幽霊は祓えない。

 ここに来て突然だが実は私はそこら辺の神社だったら即門前払いをされ、秒でお祓いをお断りされるレベルで強力な幽霊なのだ。

 そんな強い幽霊がビデオに取り憑いて、借りてきた人をいちいち驚かすなよ…なんていうありきたりなツッコミは却下だ。

 まぁとにかく普通の神社であれば私が絶望する事など無かったのだ。

 しかしあの神社はヤバかった…何がヤバいかは、上手く説明は出来ないが、私の全幽霊細胞がヤバいと言っていた。

 そして私はその時初めて気づいた、私はビデオに取り憑いていたはずなのに、ビデオから出ている!?

 慌てて驚いたその時だった、あの少年?が突然物陰から出てきて、幽霊である私を祓おうとしてきたじゃないか!

 まぁ私だって馬鹿じゃあない、勿論抵抗したさ。

 けれど結果はダメだった…私は呆気なく敗北した。

 幽霊が祓われる=幽霊にとっての「死」だと私は今まで無意識のうちにそう思っていた。

 しかし私が次に目が覚めた時は意外な場所だった。

 目が覚めた私は異世界にいた。

 周りを見渡すと広大な草原、今までいた都会とは比べ物にならない程に広い大空、そして私を祓ったであろうあの少年…?

 私はこのあまりにも意味不明な状況に対してツッコむのを辞めた。

 少年は私が目覚めた事に気がついたようだ。

 目が覚めた私に少年は声をかけてきた。

 「目が覚めたか、俺の名はユウキ、気軽にユウキって呼んでね」

 ユウキと名乗る少年は続けて声をかけてきた。

 「君の名前はなんだい?」

こんな奴の問になんか答えたくはないが、名前を聞かれたからには、一応名乗っておこう。

 「私の名前は『れいか』だ」

 ユウキと名乗る少年は私の名前を聞き、少しの時間考えた後に、こんな事を言ってきた。

 「OK、それじゃあ、れいか、君は今から僕の仲間だ」


 え?


 あまりにも突拍子もない発言に、思考停止していた私の脳が再び、フル稼働で動き出した。

 「いきなり異世界に連れさっておいて、仲間になれだと、冗談もいい加減にしろよ、このバカ!」

 私はそう言い放ち、深く考えるよりも先に体が動きだし、ユウキと名乗る少年のすかした顔面目掛けて一直線におもっいきり蹴りを放った。

 だが、私の放ったフルパワーの蹴りは、いとも容易く片手で止められてしまった…というか待てよ、幽霊である私が見えるのはギリ分かる。

 だが私の蹴りを止める?

 それはつまり私に触れている?

 よくよく考えたら私は幽霊なんだから足なんてものはない。

 じゃあこの足は?

 混乱する私に再び奴は声をかけてきた。

 「君はねぇ、僕がこっちの世界に連れてくる時に幽霊のまんまだと、いろいろと面倒くさいから、今は人間だよ!」



 え?



 あまりの衝撃に思考が再び停止しそうになったが、さすがにこの状況で再び呆けるわけにはいかない。

 私はなんとか意識を保って、私の全身をくまなく確認した。

 その結果は…

 なんということでしょう!


 ボサボサに乱れて伸び放題になった髪は、綺麗でツヤツヤな見事な黒髪に!


 色白で血の気の無かった真っ白な死人の肌は、健康的でスベスベな人肌に!


 そして!ガリガリに痩せ細ったもやしの様な体は、ボンキュッボンで見事なナイスボディに!…て、あれ?そんな事はなく、普通…?

 ん?というか私自身は、異世界に来る前までは、わりと背が高い方だったのだが…明らかに縮んでる?

 混乱しながらも、たまたま近くにあった池まで、全力で駆け寄り、もう一度、水面に写る私の姿をしっかりと確認してみた。

 その結果としては…


 私 は 幼 女 に な っ て た

 

 あまりのショックに私は、そこで一度気を失った。

 まさか、私が今後この異世界でとんでもない壮絶な事に巻き込まれるとも知らずに…

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

今後は元幽霊、現在人間のれいかと、謎の少年ユウキの旅を、時々投稿すると思います。そちらも読んで頂ければ嬉しいです。それでは、またどこかで。(ちなみにれいかは漢字で、霊に花の霊花です。)

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