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序章 蟻と虫

時間か…


そういって体を起こす。

討伐隊の一員になって早半年、アレを破壊することは人類の悲願そのものだが、一つも破壊することができない私たちは今日も蟻の巣を歩いていく。



地上1m


これが人類に残された最後の地上であった。




2066年


いつかの大戦の傷跡は風化し、崩れかけた家の壊れたドアを蹴って一人の男が道路にたった。

まるで爆弾が落ちたような轟音が鳴り響く空を見つめ、いぶかしげに首をかしげる。


なんだ、あれは


その問いに答えはない。

次の瞬間、男の上半身が消えた。


下半身のみが残ったその体は、すぐに倒れたが、問題はそのあとに起こった。

地上の生命は文字通り刈り取られた。


立っていた者は皆、一斉に命を落とし、地下鉄、ビルの下、その他地下室。

そこにいたもの以外は文字通り全員命を落とした。


地下鉄から見た光景は信じがたいものだった。

階段を上り、地上に出た人が次々と脳を露出させるのだ。


反射的に地下に降りる狂乱が始まったが、わけがわからず、少数の者がルールを把握するも、結局は状況は変わらなかった。

数日の後に餓死者が肉を食われ、最後の一人になるまで地獄は続いた。



人類は数か所のシェルターを除いて完全に淘汰された。






4501年


あれが、例の?

新人が指を指しそうになるのを直前で止めた。

気づかれるとでも思ったのだろうか?


危険を意識して生き残れ


それが再建された国家の第一の教訓となった。

臆病者じゃなければ生きていけないのだ。

人類は完全に弱者になっていた。


討伐隊と呼ばれた集団は状況を理解し、進むが各人の身長に特徴があった。

彼らの身長は最大でも120㎝程度、現代の小学生中学年程度の身長しかない。


人間が小型サイズになったわけではなく、膝から下の義足が取り外されているものが大半である。

討伐隊は犬のように這いつくばり、肘、膝から四足歩行用の義足を取り付けている。

地上の討伐隊に参加するには手足を切断し義足を取り付けるしかない。


「この棒を見ろ」

そういって隊長が前足の義足を器用に使い棒を立てる。

それは長尺が書いており、98㎝より上は残らなかった。


「誤差2㎝か」


「砂塵のせいでしょう。昨日までは100㎝。きっかり1mありましたよ」


「討伐隊ねぇ。仕事だからしょうがないけど、あれって本当生き物なのかねぇ」


数百メートル先に存在するのは安定しない立体的な形状の映像を映し出す。

1秒、5秒、7秒、1秒以下、2分。間隔は完全にバラバラだ。時々見えなくなるのは虫に変わっている状態だ。



彼らともこれらとも呼べる存在は「虫」と呼ばれている。

理由は簡単でその姿はほとんどの場合、虫だからだ。


蝿であったり、サソリであったり、ダニのような肉眼で確認できない場合もある。


例外があるとすれば、、、


「まもなく半径200mに入ります」


「了解」


「変わってきたな」


「おそらくラプトルかと思います。恐竜ですね」


人が近くなると、闘争に向けた形状に変化する。


「各自装備を整えろ、半径200mより入ると襲ってくる。」



電磁波を圧縮したプラズマライフル、効果のほどは、、、


一瞬体をそぎ落としてダメージを与えたように見えるが、全くの無駄に見える。

映像の一部が欠けたように動作に変化がない。


それでも再生せず、欠けた姿のまま敵を発見したラプトルは突進を始めた。

数十丁のライフルに貫かれ、穴だらけの体のまま目の前まで来たとたん動きが突然止まった。


「やった、、、捕った、、」

プラズマを利用した捕獲装置がラプトルを捉えた。


2mほどの空間に閉じ込められたラプトルは首を傾げ、こちらをみる。

捕獲装置は正確に動作し、人類は初めて「虫」を捕まえることができた。



次の瞬間に穴だらけのラプトルは形状を変えて人の姿になった。

「これは何ですか_?」討伐隊は急な問いに一瞬驚いたが、


「しゃべるのかよ???

てめえぇゴミムシをとっ捕まえるために人類が作った罠だよ。ざまぁねぇな」


対比するとまるで人が犬に話しかけているように見える。


「這いつくばって、尊厳を失った人もどきが、私たちを捕まえるというのですか?」

少しビックリするほど口が悪い。


「隊長、これ大丈夫ですか_?」

不安の電波が討伐隊に広がる。


「大丈夫だ、、、多分」

「いや、多分って!!」


不安がる集団を目の前に周囲を確認する「虫」は変化しようとしたのか2m四方がゴツゴツした岩のような皮の一部なった。

すぐに人の姿に戻って、討伐隊をにらみつけた。

「なぜ蟻の巣に住む人モドキどもが私を捕まえる!」


憤怒の表情の前にたじろぐも、これ以上の対話は必要ないと思ったのだろう。

2m四方の空間は圧縮され、30㎝程度の箱のサイズまで縮まる。


そのまま討伐隊は「虫」に蟻の巣と呼ばれた地下施設へ戻っていく。

箱を持つことになった副長は生きた心地がせず、顔を青ざめながら四足歩行を続けた。



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