悪役令嬢の事件簿
「犯人は、この中にいるのです!!」
思い返す事数日前、ルビーは前世の記憶を取り戻した。
そして、ルビーは乙女ゲームの中の悪役令嬢に転生してしまった事を理解せざるを得なかった。
朝、いつものように目覚めてメイドに髪をといてもらっていた時、髪が絡まって強くぐいっと引かれた時、頭の中の何かが弾けた。
その瞬間、ルビーは自分が妹がプレーしていた乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気づいたのである。
ルビーは推理小説好きで、乙女ゲームなんて興味がなかった。プレーなんてしていない。ただ、妹の部屋でふと眼にしただけだった。
そんな乙女ゲームの悪役令嬢になってしまったと気づいてしまったのだ。ぷ、プレーしとくべきだったわ。と、今更嘆いた所でどうともならない。しかし、今はまだ乙女ゲームの舞台ではなく、舞台の学園入学にはまだ1年あった。
いける!勝てる!と、言うより私の好きなように過ごせばいいじゃない!せっかくの貴族の暮らしなのだ。自由を満喫しよう!
ルビーは前向きに考えた。しかし、事件は起こってしまった。久しぶりに別荘へと出かけたルビーいっかは別荘での休日を楽しんでいた。
しかし、急に悲鳴が聞こえたのだ。何事だろうと声の方へとルビーは走った。他の宿泊施設の所まできた時だった。女の人が青い顔をしてへたりこんでいた。
本来のゲームの進行なら、ここで悲鳴が聞こえてもルビーは無視する事になっていたのだが、推理小説好きの血が騒いでしまった。
彼女の見る先には1人の男性が木にロープをかけて、首を吊っていたのだ。
ルビーはその違和感に気づく。
「第1発見者は貴方ですか?」
「え、ええ、そうだけど……」
ガタガタと震える女性。知り合いかどうかを聞いてみたら旦那だったらしい。はぐれたので探していたら見つけてしまったそうだ。
そうこうしているうちに他の人達も集まってくる。
「どうした?……なっ?!」
集まってきた男性の1人が、すぐに警察に連絡をした。
妻の話を聞くと新婚旅行だったらしい。女性は泣き崩れた。ルビーは死体を観察すると、あるものを発見する。そして、ルビーは見つけてしまった。
「どうして、自殺なんて…………。」
妻はその死を嘆いていた。
「自殺ではありません!」
「え?」
女性は驚く。
「これは、殺人事件なのです!」
ルビーは死体の引っ掻き傷を確認すると腕についた引っ掻き傷を指さす。そして、同じく引っ掻き傷のある妻。
「犯人はこの中にいるのです!!」
ルビーは傷の事について妻の女性に聞いてみた。
「これは猫に引っかかれて……」
「嘘ですね。同じ引っ掻き傷が死体にもあります。あなたの爪を調べれば分かることですよ!」
「くっ!あの男が悪いのよ!結婚詐欺なんてしようとしてきたから!」
「だからと言って命を奪っていいわけないでしょう!」
間もなくきた警察に彼女は連れていかれたのだった。
「これにて解決なのです!」
そう言っているとルビーを心配した使用人達が追ってきた。ルビーは使用人に連れられ、帰宅するのだった。
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