第4話 ー剣一閃ー
慌てて手をかざす、そこに黒衣の者カルス=ロウムが向かってくる。
カルス=ロウムの持つ剣フランベルジュが目の前に迫って来た、がそれに対してしのぶの剣はしのぶをかばう様にして立ちはだかっている。
カルス=ロウムもこれには驚いたのか一歩下がり、様子を見る。
どうも本人の意思に無反応で勝手に剣がこっちの意思を読み取って動いているように見える。
いろいろとフェイントを織り交ぜながら斬撃を入れるが、それらすべてを防いでいる。
それならば、と言って剣をたくさん宙に浮かせて取り囲み一斉に攻撃をあてる。
だが、一転突破を狙いながら狙いを外し防御は鉄壁だ。
「なに?私なにしたの?」
と本人は言う。
「貴様本気を出していないな?」
カルス=ロウムは言う。
「そんなこと言われても…」
「だがこちらは興味無し」
そういって最終奥義の死神の鎌を呼び出す。
手を前にかざすと、彼の後ろ側に死神が出現する。
それは3メートルを超える大きなものであった。
それが持っている大きな鎌をカルス=ロウムは受け取り、大きくしのぶに迫る。
しのぶの体は動かない、いや動けないのだ。
カルス=ロウムの赤い目がそれを封じる。
「これですべて終わりだ」
と思ったその時、しのぶの剣がカルス=ロウムの体を突き刺す。
そしてそのまま体をばらばらにする。
「あんのはしょうがない」
ルドールはそっと話しかける。
死神は礼をすると、体の一つ一つをまとめて去って行ってしまった。
「だって私、人を殺したんだよ…」
「向こうがそれをやろうとしたんだから仕方がないさ」
しのぶはしばらく泣いた。