第2話 ー新しい体ー
さて、ここで新しい人物である葵しのぶに視点はうつる。
「う~ん。この世界ってどういう世界なんだろう、とりあえずその辺に歩いてる人に話しかけて大丈夫かな?」
道行く人太は異様な格好の女性用の制服が珍しいようで、道を歩きながら遠巻きに見ている。
「あちゃ~やっぱり目立ってるのか…この制服」
なんだっけ?こういう時に最初に行く手はずのもの??
ぎるど!だっけ?だかにいくというのがいいんだっけ?
とりあえず何かやってみよう。
周りを見回すがそれらしい建物は、あった!
「おっと待ちな嬢ちゃん!」
3人くらいの怪しい連中が周りを囲んでいる。
「そんな上等な剣を持って歩くなんざ、あれか?ばかなのか?」
「といわれても…」
混乱する私である。何しろこの剣が今の私のすべてである、わたす訳にはいかない。
「3方を囲まれたんじゃ逃げらんねーぜ」
しかたがない、ここはわたす方がましか…
と思ったときに
「なにしてる、お前ら」
と後ろから声が聞こえた。
「あん?何だってんだこの野郎」
見ると、顔には角が一本生えていて耳がとがっている、裃のような上着を着ていて下半身は袴のようなものを着用したいわゆる美男子が立っている。
名前はルドール・フェクシュティアという。
「お前らが、一人の女性をいじめてるから止めてるんだよ」
「なあにいってんだぁ?」
「このねーちゃんはなぁおれたちがべつにこわいってんじゃぁあないんだぜぇ?」
「おう、そうか。じゃあ聞くがこういうのが好み?」
「いえ、いいえ」
「と、いうことだ」
背中に持っている大きな剣をぱちんと外し、するりとそれを前に抜く。
「いてぇ!!」
見事にわきの下を切り裂いている。
「この野郎、ただじゃおかねぇ」
「ほう、この剣に襲い掛かるとはいい度胸だ」
「なんだと!」
「この剣、人は『人食らいの剣』と呼ぶらしいな」
すると剣はそのまま血をずるずると吸い尽くして、肉を、骨をすべて吸い尽くしていった。
あっけにとられる二人の大男。
「さて、お前らはどうする?」
叫びをあげて逃げ惑う大男二人。
「…さて、お嬢さんもそんな大層な剣はしまっておくんだな」
「あ…あり、ありがとうごじゃりました」
噛んだ。
「ああ、そんな恰好じゃ目立ってしょうがない、ついでにマントでも買ってやろう」
「ありがとうございます」
よし言えた。
「この辺でいいか、よう!すまねーなここでこいつの適当に見繕ってくれや」
「はいよ」
とおくにいた店員が返事した。
「もっとかわいいデザインのものはねーのかよ」
「へい、ここいらはどうでしょうか」
「ふーむ」
顎に手をやりながら
「ちょっとこっちにこい」
「このピンクのがいい」
棚に飾ってある洋服棚の中から選んだのは、それだった。
「よしじゃあこれとついでに剣を固定するもんでも買っておくか」
と言って剣を取ろうとする、しかし剣を取ろうとした瞬間に本人の間にもよくわからないことが起こった。
剣ごと地面にめり込んでいる。
「なんじゃこりゃ」
「え?そんなに重いかな」
と言って軽々と片手で持ち上げるしのぶ。
まあいいそれを両手で持っていくのはめんどくさそうだ。
「じゃな」
「ん…」
「おい、なんで裾を引っ張る」
「何にも知らないところで頼れる人を放すなというところですか」
「しかたねーな、ついてくるか?」
「うん」