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スキル発動!地味です。

「カミラというだよ、かわいいだろ~」


「いやいや、そこじゃないですよレクス様!」


可愛い愛娘をかわいがるレクス様に、慌てて父さんが突っ込みを入れる。


「カミラが可愛くないだと!!表に出ろ!ダン!お前であろうと許さんぞ!」


「カミラ様は、すごい可愛いですよ!違う、そこじゃない!」


少し、父さんとレクス様が取っ組み合いという、じゃれあいをしたのち

父さんがコホンと、咳ばらいをし続ける。


「アルが、カミラ様の騎士になると聞こえたのですが?」


「そういったが?」


レクス様の返答に父さんは頭を抱える。

当の本人たち、俺と目の前のカミラ様はぽかんと大人たちのやり取りを見つめていた。


「まぁ、なんだ、お菓子でも食べながら説明しよう」


レクス様は置いて行かれている俺たちのことに気づき、別室に案内するように執事にお菓子を持ってくるように、言っていた。

案内に促されるまま、これまたお金持ちと想像すれば想像通りの部屋が広がっていた。


「すげえ…」


つい、思ったことをそのまま口に出してしまうほどの豪華さだった。

俺の口から出た感想がよほどうれしかったのか、カミラ様は得意げにムフーと威張っていた。

…レクス様の後ろで


ソファに座るように勧められる。

一礼を入れて、腰を下ろす。

おしりが吸い込まれたと思うほどふかふかだった。

なんだこれ…さすが貴族、持っているものは格が違いすぎて空いた口がふさがらない。


「さて、どこから説明をしたほうがいいかな?」


全員が座るとレクス様が口を開く。


「娘は、国王の息子と婚約していることはしていると思う。」


「そうだな、にしても早すぎる婚約だな」


「政略婚は早いものだよ、まぁまだ王子もこの子も理解はしてないがな」


父さんとレクス様がいつの間にか隣に来たカミラ様の政略結婚のお話をしている。

てか、なんで隣にいるの、いつの間に来たの?


「と、いうことでアル君に結婚ができる年になるまでうちの娘を守る騎士として護衛についてほしいのだ。代々わが家系に仕えているエバンズ家で、親友であるダンの息子だ。信頼は厚いと思うがな」


「まだ、アルは12歳で剣術も中の上、魔術は簡単なものしか使えないのですよ?もっと強い者もいると思います。それこそジークさんでもいいのでは?」


執事の人がお菓子を机に並べ、お茶を入れている間

ジークさんとは誰だろうと考えていると

そのお茶を入れている執事が返事をした。


「私は、あくまで執事ですので将来学校の中まではお仕えできません。」


「まさか、学校で変な虫がつかないように息子に見張らせようとしてますか?レクス様」


「それもあるが、いつか使えるのだ早めに仕えてもらい、ジークに鍛えさせるのもいいと思うがね」


要は、この隣でお菓子を満面の笑みでほおばるお嬢様に悪い虫がついて

将来、王子様との結婚につながる障害を排除してほしいといった梅雨払い。

大人たちが話し合っている中、隣にいるカミラ様は俺にしか聞こえないようにわざとらしく咳ばらいを行う。


「え、えっと、あなた!は…お名前は!なんていうの…かしら?」


必死にお嬢様のような口調で話そうとしていることがわかる。

なんで、口調を作ろうとしているかわからないが、問われた問いには応えておこう。


「アルフィー・エバンズ!…です。カミラ…様?、みんなからはアルと呼ばれてる…ます。」


慣れない敬語を使いながら、自己紹介を済ませる。

自分の呼び名を教えるとぱぁ!とカミラ様は明るくなる。


「えっと、アル!…君、よろしくね!」


カミラ様のほうも慣れていない、口調で呼び名を読んでくれた

カミラ様は、握手を求めて手を差し伸べる。

反射的に、握手をするために差し伸べられた手を取る。


『主要キャラクターに接触しました。ステータスを開示します。』


瞬間、脳内にアナウンスがひびいた。

そして、目の前に情報が浮かび上がる。

そこには、この世界では存在するはずのない文字で書かれている名前に驚愕する。


五十嵐いがらし小春こはる


ばっちり、漢字とひらがなで"前世のクラスメイトの名前"が書かれていた。

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