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父さんの勤め先

「俺の職場で長年仕えているが、今回は失礼な真似はするなよ」


「わかってるよ、父さん」


「まぁ、アルなら大丈夫だとは思っているが…それにしても急に呼び出しなんて、レクスも呼び出した理由も説明しないし…」


父さんがぶつぶつと、主のレクス・ルーセントへの文句を聞き流しながら

馬車から外を眺める。


俺の住んでいる、畑が多い町ではなく

外装がきれいな家が立ち並んでいる、いわゆる都市と呼ばれる場所を走っていた。

なかなか、都市のほうへ出向くこともないので毎度物珍しく、風景を眺めている。


街を歩いているのは大半が人間なのだが、ちらほらと亜人種もいる。

亜人種とは、要はケモミミ人間や魔族みたいな人間のことだ。

別段迫害されているわけでもなく溶け込んでいる。


亜人種はその種族によって身体的長所が様々で、多種多様の場面で活躍をしている。

例えば、猫族彼らは自慢の脚力を生かして高所の作業などを行ったりしている。

犬族は、嗅覚を生かして特定のものを捜索したりなど、

魔人族は、内臓魔力が破格なので魔法職についていることが多い。


そんな風景が横目に過ぎていく。

自分の住む、町は同年代どころか、子供が少ないから友達という友達がいなかった。

だから、今回同い年の子供に会うこと自体は楽しみではある。


問題は、会う相手がこの国の王子様とすでに婚約をしている令嬢ということぐらいだ。

嫌な予感しかしない、どうか横暴な令嬢じゃないことを祈るしかない…


馬車が止まり、俺と父さんは馬車から出る。

目の前には、大きな門があった。

こんなの漫画の世界でしか見たことがないぞ

…ここゲームの世界だった。


門が開くと立派な庭園が広がっていた。

真ん中には噴水があり、一部には俺も知っているバラが多く植えられており

素人目でも、整っていてきれいな庭ということがわかる。

そして、執事だろうか?初老のダンディーな方が案内してくれた。


きれいな庭を抜けてお屋敷まで向かう。


「父さん、俺どれだけ偉い人と会うんだ?」


「まぁ、めちゃくちゃ偉いが俺のつかえている主人だ。そう身構えなくてもいい…と思うぞ」


12歳の子どもに礼儀作法などは期待しないでほしいが、自分がわかる範囲でやるしかないようだ。

執事の人が、扉を開けると父さんと同じぐらいの年の男性が出迎えてくれた。


「ダン、よく来てくれたな」


「息子を連れてまいりました。…今回は何を企んでるんですか?レクス様」


父さんをダンと呼び、父さんは相手の男性をレクスと呼び合っていた。

出迎えてくれた男性は、金髪で紅瞳な容姿をしている。

砕けた口調からは想像つかないほどの、ザ!偉い人といったオーラも感じ取れて

緊張で俺は固まってしまった。

よく、普通に話せるな…父さん


「君がアル君か!ダンからよく話は聞いてる!」


「こ、こんにちわ!アルフィー・エバンズです!」


「そんな緊張しなくてもいい、今日はな娘に合わせたかっただけだ」


そういうと、レクス様は自分の後ろから一人の女の子がちょこんと出てきた。

容姿はレクス様と同様で綺麗な金髪で、不安そうではあるが少し強い力をもった紅いの瞳を持っている。

一言でいうと、めちゃくちゃかわいい。


「カミラというんだ、これから先仲良くしてほしい。この子の騎士として」


「…はい?」

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