初めまして!異世界!
その時電流が走る!!
ドジをして手から宙に舞い上がった木の剣が脳天にあたり、フラッシュバックが起きる。
前世、現代社会、スマートフォンにゲーム機、学校にPC
6歳の俺が知るはずのない、知識がドバドバと頭の中に流れ込んでくる。
俺、アルフィー・エバンズはどうやら転生者というものらしい
前世では男子高校生だった俺は、
今は、大量に流れ込んできた情報によって知恵熱と脳天に木の剣が当たって、反射的に泣きわめいているがこれでも、男子高校生だったのである。
俺は、泣きわめきながら前世の最後を振り返っていた。
確か、修学旅行中だったような?
よく思い出せない…
それでも、最後の瞬間以外はちゃんと思い出せる。
地面に転がり、泣きわめきながら今の状況を整理する。
エバンス家の三男に産まれた俺、アルフィー年の離れた兄二人がいる。
そんなに、大きな家系ではないが代々ルイーズ家と呼ばれる
貴族に仕える家系のため特別裕福ではないが、貧困というわけでもない。
平民以上貴族以下のなんとも世渡りが楽な家系である。
兄二人は、今は騎士団の寄宿学校へ通っている。
二人とも母の特徴をうまく引継ぎ金髪碧眼の美少年とまではいかないが
整った顔立ちで、前世でこんな男性がいたらモテモテな養子となっている。
自慢の兄二人だ。
俺はというと、残念ながら母の金髪碧眼は受け継がれず
父の茶髪に緑の眼を受け継いだ。
兄と一緒の金髪になりたかったと幼いながらに親に反抗したことがあった。
その時の父さんがすごくしょげていたことを覚えている。
申し訳ないことを言ってしまったな…後で、自慢の父さんということを伝えておこう。
両親が美形なので俺もそんなに悪い顔立ちでもない。
まだ、親戚とルイーズ家の人たちしか参考にできないが
普通以上だと思う…なんせ、参考にできる人間がそろいもそろってみんな美形なのである。
両親や兄二人は言うまでもなく、美形の分類に入るだろう。
ルイーズ家の家族はその上を行く美形家族なのである。
もう、なんかいるだけでキラキラしていた思いでしかない。
「おい、大丈夫か!?アル!」
父さんが慌てて、駆け寄ってきた。
木の剣を脳天にあたってから全く動かなくなった息子を心配したのか
すごく、おろおろしている。
「大丈夫、父さん」
一応、無事なことを父さんに告げる。
差し伸べられた手を取って、立ち上がろうとすると
その瞬間、脳内に声が響いた。
『エクストラスキル≪相談者≫を獲得しました。』
「にょ!!??」
俺は変な声を上げて、父さんの手を取り損ね、変な重心となり
後ろへ倒れて後頭部を強打した。