ユグドガルズ建国物語
太古より世界樹と呼ばれる大木の周りには魔力と呼ばれる神秘を具現化させる事が出来るエネルギーが多く存在した。
魔力は世界樹以外の場所でも存在はしているが世界樹の周辺は比較をする必要すら無いほどに濃く、良質だったため人々はその地を拠点に活動を始めた。
ただ1つ問題が有った。
それは魔物と呼ばれる魔力の集合体が存在していたからだ。魔物なら世界樹周辺以外にも存在するのだが世界樹周辺の魔物は手強かった。
良質な魔力が大量にある状態で生まれた魔物は並の魔物とは比べ物にならない程の強さで数も多く存在したため、手練のハンターでも1体を相手にするのに少なくとも3人は必要だった。
人々は世界樹に移り住む事を諦めていた。
しかしたった1人。たった1人だけは諦めてはいなかった。
彼は力を尽くした。
彼の力は強力だった。
だが敵わなかった。
単騎で万をも超える軍勢を殲滅する事は出来なかった。
彼が諦めかけたその時、天から声がしたという、『命ヲ使エ。命ヲ燃ヤセ。サスレバ願イハ叶エラレルダロウ。』と。
彼は命を代償に世界樹の幹の中に魔物を集めて閉じ込めダンジョンを創った。
彼は世界樹の周りから魔物を排除した。
そして王となった。
ダンジョンを中心として都を造った。
これがこの現存する最古であり最大の王国ユグドガルズの建国の物語である。