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ハードパンチャー野崎  作者: 亀山浩樹
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俺の友人のパンチ力が異能の領域に入っている件

 「あっ!危ない!」

 ドンガラガッシャ―ン!!

 俺の目の前には、電柱に巻き付くようにめり込んだ自転車があった。

 何が起こったのか説明したい。俺は原田。今年、春石高校に入学する。そして、今日は入学式の日だ。自転車で坂道を下っているとブレーキがきかないことに気づいた。俺はどうしようもないまま前方の空を見上げ、サドルに座っていた。このままでは踏切に突っ込んでしまう。俺は、自転車を飛び降り、地面に転がった。すると、自転車は奇跡的にも車輪を回し続けていた。踏切の前には、俺と同じ高校の制服を着た男がいた。「あっ!危ない!」

 爆音とともに自転車は宙を舞い、近くにあった電柱にコの字を描いてめり込んだ。煙が立って見えないが。人の影があった。凛々しい横顔、隆々とした筋肉。やはり、野崎だった。

「よう、原田。」

「野崎、すまない、ブレーキが壊れていたようだ。」

「大丈夫だ。俺はハードパンチャー、忘れたのか?」

忘れられるわけがない。小学校、中学校と同じで、まさか高校まで同じだったとは。

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