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CASE FILE 1-06 : 後日談

更新は出来なかったものの、一応学校の合間などに書き溜めてはいたので、その分を更新します。

まあ、この先は無いのでまだ少し掛かると思いますが・・・。

FILE 01 完結編、楽しんでください。

「秋冬さん。今日の放課後、家に来てくれませんか?」


警察の捜査が打ち切られてから二週間がたった。あの事件の以来、推研は活動を休止し、紅葉の回復を待った。

回復といっても、あまりショックを受けていなかったのだが、あまりにケロッとしていると怪しまれる可能性があるので、少なからずショックを受けていることにした。

今日は紅葉が回復してから三日目ということになっている。推研は来週から再会する予定だ。


「何で?」

「お母さんが大事な用があるから来てくれないかって言ってるんです。」

「紅さんが?」

「はい。放課後に直接来ていいって言ってるんですけど、大丈夫ですか?」

「別にいいけど、大事な用って何だ?」

「さあ・・・。」

というわけで、俺は放課後紅葉の家に行くことになった。


そして放課後・・・。


「ただいま〜。」

「お邪魔しまーす。」


学校で言ったとおり、俺は紅葉の家に来た。


「お帰り〜。秋冬君も上がって上がって。」


中から紅さんがそう言ったのが聞こえたので、お言葉に甘えて靴を脱いで中に入る。そして居間に出ると、


「あら秋冬、お母さんもいるわよ。」

「か、母さん!?」


居間に入って驚愕する。何で母さんがここにいるんだ?


「大事な話って言うのは、あなたの家族全員に関係があるから、冬美(ふゆみ)さんにも来てもらったの。」

「は、はあ・・・。」


そう言いながら紅葉さんは俺と紅葉に紅茶を入れてくれた。


「はい、どうぞ。」

「あ、どうも。」


個人的には日本茶のほうが好きなのだが、そんな図々しいことは言えないので、黙って紅茶を飲んだ。


「ねえねえ、秋冬君って彼女いるの?」


訂正。飲んだではなく、噴き出した。


「わっ!ちょっと、飛ばさないでよ。」

「秋冬、お行儀が悪いわよ。」

「そ、そうじゃなくて、な、何ですかいきなり!?」

「ん〜、その反応を見るといないみたいね。紅葉は?」

「わ、私!?い、いないわよ、恋人なんて!」

「あ、じゃあ完璧じゃない!二人とも恋人がいないなら問題ないわ!」

「さっきからいったい何の話ですか!?恋人がいるのかとか、問題が無いとか!」

「紅葉、秋冬君、二人ともこれから付き合うってのはどう?」

「まあ、それはいい考えね。二人ともそうしたら?」

「・・・はい?」「・・・へ?」


しばしの沈黙がその場を支配する。数秒が経過し、ようやく紅さんが何を言っているのかが分かった。

紅葉を見るとまだ呆然としていたが、すぐに我に返って俺のほうを見る。俺は頷き、「せーのっ」と口パクで表す。

「のっ」で可能な限り息を吸い込み、


「「えええええぇぇぇぇ!?」」


力の限り、二人そろって思いっきり叫んだ。


「あらあら、息もピッタリね。」

「ホント、意外と相性もいいのかもね。」

「な、何でそんな急にそんなことを!?」

「いやね、幼馴染みだから秋冬君か時雨君、とは決めてたんだけど、今回のことで秋冬君にしようかなって思ってね。」

「紅さん時雨にあったこと無いじゃないですか!?」

「あるわよ、紅葉のお見舞いに来てくれたのよ。その時はやっぱりびっくりされたけどね。まあとにもかくにも、冬美さんの承諾も得たし、万事オッケーね。」

「いやいやいや、俺達の意思は無視ですか!?」

「そんなわけないでしょ。秋冬君はともかく、紅葉は今回助けてもらったことで秋冬君に惚れちゃったんじゃないかなって思ったのよ。」

「・・・訂正します。俺の意思は無視ですか?」

「まあそうね。」

「そんな・・・。第一、まだ紅葉が俺に、その、惚れてるかどうかだって分からないじゃないですか。」

「そうかしら?顔からすると、満更でもないみたいだけど?」

「へ?」


慌てて振り返り、紅葉の顔を見る。

そこには顔を真っ赤にした紅葉がなにやらボソボソ呟いている。・・・(はた)から見ると、その姿は結構怖い。

顔は耳まで真っ赤になっていて、顔の前で手で落ち着かない様子で遊んでいる。

よく聞くと、「秋冬さんと付き合う・・・?そ、そんなこと・・・!い、嫌じゃないけど、その、なんていうか、心の準備が・・・。」みたいな事を延々と呟いている。

まあ、確かに嫌そうには見えないけど・・・。


「・・・紅さん、何か妙に俺達をくっつけようとしてません?」

「おや、鋭いわね。さすが名探偵ってとこかしら?・・・ん?それとも、女の勘?」

「違います。」


即答する。


「冗談よ。まあ、くっつけようとしてはいるわよ。何か私から見てもお似合いだし。」

「私もそう思うわ。秋冬、いいんじゃない?」

「母さん・・・。息子の人生が変わるかもしれない選択なのに、そんな簡単に・・・。」

「・・・分かりました。」

「・・・へ?紅葉?」

「秋冬さん、私決めました。私、秋冬さんと付き合うことにします!」

「んなぁ!?」

「いえ、その、なんていうか、やっぱりお母さんの言ったとおり、その、ほ、惚れちゃったみたい、です・・・。」

「ま、マジか!?」

「よかったじゃない、これで少なくとも灰色の青春ではなくなったわよ?」

「嫌なこと言わないでくださいよ!」

「よかったわね秋冬。めでたしめでたし、ね。」

「だから母さん!そんな簡単に決めるなって!つーか、まずは俺の意見を聞いてくれぇぇ!」


俺の必死の懇願も(むな)しく、俺の意見はそっちのけで俺と紅葉という親公認のカップルが誕生してしまった・・・。


後日、そのことを春夏と時雨に話したら、時雨には大笑いされながらも祝福され、春夏は紅葉となにやら話をしていた。

何を話していたのか春夏や紅葉に聞いても、何も答えてはくれなかった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「そんなわけで、その、秋冬さんと付き合うことになってしまいました・・・。」

「なってしまいましたって・・・。なりたくてなったんでしょ?」

「ま、まあそうなんですけど・・・。」

「いざとなったらやっぱり恥ずかしくなってきたわけね?」


紅葉ちゃんが小さく頷く。まったく、この子は・・・。


「紅葉ちゃん、一つ忠告しておくわね。」

「はい?」

「あんまりもたもたしてると・・・私が秋冬のこと取っちゃうわよ?」

「!?な、何を言ってるんですか、春夏さん?」

「私ね、まだ誰にも言ってなかったけど、秋冬のこと好きなのよ。だから先を越されちゃったのは残念。でも、もし紅葉ちゃんが隙を見せたら、私が秋冬を取っちゃうかもしれないわよ?」

「ほ、本気、みたいですね。」

「もちろん。私もしばらくしたら、秋冬にこの気持ちを伝えるつもりよ。」

「・・・分かりました。つまり、私達はこれから親友であり、同時に恋敵でもあるわけですね?」

「そういうことよ。」

「いいですよ、受けて立ちましょう。あんなことを言った後で勝手ですが、やっぱり今は秋冬さんの恋人ではなくただの親友でいます。」

「対等の立場で勝負するって事?」

「そうです。春夏さんがその気持ちを伝えたら勝負開始です。秋冬さんが私を選ぶか春夏さんを選ぶか、勝負です!」

「望むところよ!絶対に負けないんだから!」

「私だって!それから・・・勝っても負けても、私達はずっと親友でいましょうね。」

「もちろんよ。改めて、これからもよろしくね。」


私は紅葉ちゃんに手を差し出す。


「こちらこそ。」


紅葉ちゃんはその手に答えて、握手をしてくれた。





「・・・それから、漫画みたいなきわどい行動とか卑猥な感じなのはなるべく避けてくださいね・・・。」

「わ、分かってるわよ、それくらい!わざとはやらないわ!」

というわけで、第一話が終わって三角関係が成立しました。

一応この作品はミステリーなのできわどいシーンは無いですが、コメディ風にはしようと思っています。

ちなみに今後の予定としては、ストーリーは考えてあるのですがまだトリックを考えるのに時間が掛かりそうなのでその間はなるべくコメディで埋めようと思います。

コメディもミステリーも書いたことが無いので更新は遅いかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします。

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