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CASE FILE 1-04 : 過去

風邪を引いてしまいました・・・。

まあ、そのおかげでいつもより少し早めに更新できてるわけですが、やっぱりつまらないです。

今回も台詞がほとんど無い上に短いのですが、まあ最後まで付き合ってやってください。

「動機は父親の行動に対する憎しみ。」

「どうしてそう思ったんですか?」

「被害者の服はほとんど乱れていなかった。このことから即死だったことが伺える。しかし、被害者の体には何度も凶器で刺された跡がある。つまり、被害者に対する憎しみを全てぶつけたということだ。」

「・・・その通りです。お父さんが私やお母さんに暴力を振るうようになってからずっと我慢していた怒りを、今日爆発させただけです。」

「・・・そっか。」

「軽蔑しますか?私のこと。」

「いや、別に。」

「だったら私から距離を置きますか?・・・当然ですよね、こんな殺人犯と一緒なんて嫌ですよね。」

「そうでもないさ。俺も似たようなもんだからさ。」

「・・・?さて、それでは警察を呼びましょう。」

「あ〜紅葉。警察はまだだ。」

「・・・え?」

「お前を警察に突き出すつもりも無いし、突き出すことも出来ない。」

「どういう・・・事ですか・・・?」

「決定的な物理的証拠が無いんだよ。お前が犯人ってのは間違いなかったけど、そのことを裏付ける証拠は無い。」

「じゃあ・・・私がもうちょっと粘ってたら・・・?」

「証明できないことは無かったけど、言い逃れられてたかもしれないな。」

「そ・・・そんなぁ・・・。」

「なぁに、心配すんな。お前が犯人だってことは俺しか知らないし、警察もお前を捕まえることは出来ないからさ。」

「・・・何言ってるんですか?いくら未成年だからって、人を殺してつかまらないわけ無いじゃないですか・・・。」

「だから俺が今からお前が犯人って可能性につながる証拠を全部始末する。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・今・・・なんて言いました・・・?」

「二度は言わない。さて、まずはこの木の棒を・・・。」

「どうしてですか!?」

「・・・何が?」

「私は人殺しなんですよ!?どうしてそんな私をかばおうとするんですか!?」

「・・・。」

「私は人を、自分の父親を殺したんですよ!?そんな人が今後何をするか分からない!だったらまだ一人しか死んでない今のうちに早く警察に・・・!」

「紅葉!」

「・・・!」

「いいか、俺はお前のことをよく知ってる。お前がこの殺人を決行するまでにどれだけ悩んだのかも大体想像できる。そしてお前がもうこれ以上殺人を犯さないって事も分かってる。・・・確かに殺人は罪だ。犯した以上、誰かに軽蔑されて、自分という存在を恐れられる。それでも俺はお前を友達として、仲間として認める。他のやつがどう言おうと構わない。お前は俺の仲間だ。」

「・・・分かったような口を利かないでください!」

「分かってるから利いてるんだよ。」

「適当なこと言わないでください!秋冬さんには分からないでしょ、自分の親を殺したくなる気持ちなんて!」

「・・・本当はもう誰にも話すつもりなんて無かったんだけどな・・・。」

「・・・?」

「・・・五年前の事件、覚えてるか?」

「!・・・初霞家、殺害事件。」

「そう。俺が小六の時、春夏の家に泊まってる間に強盗が侵入。親は二人とも殺されて、運よく助かった俺は一週間後風雪家に引き取られた。」

「それがどういう・・・!」

「あの時の犯人が俺だって言ったら、お前はどうする?」

「・・・え?」

「春夏に『家に忘れ物をした』って言って家で親を殺害。その後事情を説明して、春夏に嘘の証言をさせれば証拠を残さない限りその事件は迷宮入りだ。」

「う・・・嘘ですよね・・・。」

「あの時春夏にこの計画を話したら、快く協力してくれた。あいつは俺の親の本性知ってたからな・・・。」

「本性・・・ですか?」

「え〜っと、あれ、家庭内暴力ってやつだよ。親が両方ともな。だから我慢できなくなって殺した。今回のお前と同じだよ。」

「・・・。」

「これは全部真実だ。当時まだ小学生だった俺が自分の親を殺した。さて、質問だ。お前は俺を軽蔑するか?それとも距離を置きたいか?・・・俺が怖いか?」

「・・・。」

「・・・別に今すぐ答えなくてもいい。ただ、これで俺がお前と同類だって事は分かっただろ?」

「このことを・・・知っている人は・・・?」

「今お前に話したから・・・春夏に紅葉、後は俺の今の親くらいか。」

「風雪家は、秋冬さんが殺人犯だって知ってあなたを引き取ったんですか?」

「いいや、怖くて言えなかった。引き取られてすぐにそのことを話したけど、あの人達は俺を突き飛ばすどころか一緒に泣いてくれた。あの人達には感謝してるんだよ、本当に。」

「・・・だったら私も秋冬さんに感謝してもらわなきゃいけないですね。」

「は?」

「私もあなたの過去を、罪を知った上で仲間として接します。軽蔑もしませんし、距離も置きません。怖くなんて・・・ありませんよ。」

「・・・どうも。ただ、お前の場合感謝までは行かないな。」

「へ?な、何でですか?」

「だって俺だってお前の罪を知った上でお前を仲間と認めてるんだ。これでお相子だろ?」

「う゛・・・。そ、それは・・・。」

「さ、片付け始めるぞ。俺はこの部屋の証拠隠滅しとくから、お前は自分の部屋を片付けとけ。お前の部屋のは、その、下着とかあるから・・・。」

「は、はい、分かりました!その代わり、絶対に入ってこないでくださいね!」

「分かってるよ、いいからとっとと行け!」


そうして俺達は犯人、星河紅葉を警察の目から逸らすための偽装工作を開始した。

次回は警察が捜査を始めます。

果たして[紅葉=犯人]という方程式が成り立つ証拠は残っているのか?

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