CASE FILE 3-04 : 開幕
秋冬「長い!」
沙希「長すぎる!」
作者「い、いきなりなんだよ!」
秋冬「長い!」
沙希「何もかもが長すぎる!」
作者「だから何が!?」
秋冬「展開!」
沙希「更新ペース!」
作者「・・・はい、すいません。」
秋冬「でもまあ、やっと事件が起きたな。」
沙希「私としては警察の事情聴取とかめんどくさいからおきなくてもよかったけどね。」
作者「でた、沙希の『めんどくさいからやりたくない』精神。」
沙希「長いわよ。」
作者「確かに。」
沙希「バカじゃないの?」
作者「確かに・・・って、誰が!?」
沙希「あなたが。」
作者「失礼な!」
秋冬「あ〜、喧嘩はあとがきまでには終わってるから、とりあえずどうぞ!」
部屋を出ると森さんはいなくなっていて、代わりに寒鴉が待っていた。
「あれ、森さんは?」
「用事があるとの事で先ほど出かけました。で、私が案内役を頼まれたんです。」
「あ、そう。でも案内なんて無くてももう大体屋敷の構造覚えたぞ?」
「え、本当ですか?じゃあ私いらないじゃないですか。」
「いらないな。」
「・・・はっきり言わないでくださいよ。」
「まあまあ。待っててくれたことには感謝してるから。とりあえず戻ろうぜ、腹減った。」
「はあ・・・。」
パーティー会場に戻る途中、ふと気になったので聞いてみた。
「そういえばさ、翔太さんってどんな人だ?」
そう聞くと、寒鴉の顔が少し曇った。・・・もしかして地雷踏んだか?
「私は正直あんまり好きじゃないです。何考えてるか分からないし、怖いです。」
「ん、まあ確かに何考えてるか分からないな。」
「それにお父さんからお金を横取りしてるし、やっぱり嫌いです。」
「そうか。悪かったな、こんなこと聞いて。」
「いえ、大丈夫です。」
まあ大体俺のイメージどおりだな。早い話ろくな人じゃない。好かれる要因は無し。
兄弟なのにずいぶん違うんだな。そういえば、翔太さんの会社ってどんな会社なんだ?
「なあ寒鴉。翔太さんの会社ってどんなんだ?」
「さあ、私も詳しくは知りません。でも、会社の名前は確か『MOLESTER』だったと思います。」
「あの会社かよ!」
「え、秋冬さん知ってるんですか?」
「知ってるも何も、俺達が始めて会った時にお前が痴漢に会ってただろ?そん時の男がその会社の社員だよ!」
「ああ、そういえばそうでしたね・・・ってそれじゃあ私は翔太さんに痴漢されたようなものじゃないですか!?」
「失礼ながら言わせてもらうけど、ダメ人間だなぁ。」
「・・・本当に失礼ですね。」
「あ、悪い、怒ったか?」
「いえ、私もそう思いますから。」
だよなぁ。
にしても、あの会社か。人の縁って不思議だ。皆覚えてるか?
俺と寒鴉が始めて会った時に痴漢してた男だよ。|(詳しくはHINT FILE2 で確認するように!)変な巡り会わせだ。
・・・うん。あんな会社が巡り会わせなんて嫌過ぎる。ちくしょーあのダメ人間共。
でも、まあ結果オーライ、終わりよければ全てよし、か。忘れよう。
と、嫌過ぎる思考を終わらせたところで舞台は再びパーティー会場。
「あ、お兄ちゃん!どこ行ってたの?」
「紅葉の部屋。」
「何で!?」
「・・・そこまで過剰に反応しなくていいだろ。あいつがベロベロに酔ったからおぶって連れてっただけだよ。」
「おぶって!?いいなぁ・・・。お兄ちゃん、おんぶ。」
「却下。」
「何で!?」
「お―――」
「それ以上言っちゃダメ!」
「まだ『お』しか言ってないだろ!そんなんで分かるのか!?」
「分かるよ!『俺が疲れるから』って言いたかったんでしょ!?」
「何で分かるんだよ!?つーかなんで止めた!?」
「『重いから』って言われると思ったから。でもお兄ちゃんそんなに失礼じゃないし貧弱でもないしね。だからお兄ちゃんなら『俺が疲れるから』とか言うんだろうな〜って思っただけ。」
「どこまで読みやすいんだよ、俺。」
「かなり、って言うかすごく。」
「わざわざ教えていただいてありがとうございますコノヤロー。」
「どういたしまして。」
「礼は言ってねぇよ。」
「相変わらず賑やかですね、秋冬様は。」
そう言って近づいてきたのは幸太さんだった―――って待てコラ、何で俺の名前しか言わない?
その言い方だと俺だけがバカ騒ぎしてるみたい、もとい俺がいるとバカ騒ぎみたいになるじゃないか。
「パーティーを楽しんでいるようで何よりです。」
そんな俺の心の声には気付かずに勝手に話を進める幸太さん。何かむかつく。
「まあそれなりに楽しんでますよ。紅葉は潰れましたけど。」
「森さんですか?」
あっさり当たった。どんだけ色々やってんだ森さん。
「それでは、私はこれで。屋敷外に用事がありますので。」
「そうですか。がんばってください。」
「はい、ありがとうございます。」
幸太さんはそう言ってその場を去る。それと入れ替わるように、理恵さんが俺たちのほうに歩いてきた。
「あ、秋冬さん。」
「そんなに何度も話しかけてくれなくてもいいんですけど・・・。」
「あ、もしかして迷惑ですか?」
「いや、そういうわけでもないんですけど、何か気を使ってもらってるみたいで悪いから。」
「そういうことでしたらお気になさらないでください。今は私も暇ですから。」
「え、だって仕事は?料理とかしてるんじゃないんですか?」
「先ほど春夏様に手伝っていただいたので粗方終わりました。料理がお上手なんですね、春夏様。」
「まああいつの唯一の取り柄ですからね。」
「そ、そんな言い方・・・。」
「冗談ですよ。」
「仲がいいんですね、皆さん。あ、私はもう行かないといけませんので。それでは。」
「はい、どうも。」
理恵さんは小走りで部屋の外に出た。
「・・・私、今度春夏姉に料理習ってみようかな。」
「おお、いい心がけだ。よし、今度『ミニキッチンセット』買ってやる。」
「子ども扱いしないでよ!・・・でも今度買ってね。」
「ホントに欲しいのかよ!?」
「ち、違うよ!私はお兄ちゃんがくれるものならたとえおしゃぶりでもありがたく使わせてもらうよ!」
「そんなもんプレゼントするか!」
ちなみに、「ミニキッチンセット」とは対象年齢4歳以上のおもちゃだ。小さい子供がおままごとするのにちょうどいいおもちゃとして人気を得ている。
と、どうでもいい解説をしたところで有名人の皆様と談笑していた時雨が俺たちに気付いて近付いて来た。
「よう秋冬、楽しんでいるか?」
「お前が言うことじゃないだろ、それ。」
「細かいことは気にするな。風雪はどうだ?」
「うん、結構楽しんでるよ。さっき皆からサインもらったし、友達になっちゃった!」
そう言うと涼美は持っていたバッグから何枚もの色紙を取り出した。色紙の何枚かには電話番号が書いてある。
「お前よく有名人の電話番号なんてもらえたな。」
「うん。『大ファンなんです!』って言ったらもらえたよ。」
そんなんで連絡先教えてもらえるんだ。今度俺もやって見よっと。
後日、何か色紙の中に涼美が「この人嫌い!」って言ってた人が入っているのを発見し聞いたところ、
『一応有名人なんだから色紙だってネットオークションで売れば少しくらい高く売れるでしょ?』
だって。黒いな、我が妹ながら。|(ちなみにその色紙に電話番号は書いてありません。)
誰から色紙をもらおうか考えている最中、時雨と涼美は話し込んでいた。
会話自体は会場がうるさかったので全然聞こえなかったが、なにやら時雨が顔を赤くしてあたふたしていた。
・・・今、何故か時雨の姿と凛の姿が重なった。それも、凛がこっちに来た当日春夏と話していた時の凛だ。
あの時春夏は言った。「もしかして凛ちゃん秋冬の事好きなのかもよ?」、と。
ってことは・・・。
「時雨!ちょっと。」
「ん?あ、ああ。風雪、ちょっと待っててくれ。」
涼美煮そう言って時雨はこっちに来る。
「何だ、秋冬。何か用―――。」
「時雨。お前涼美のこと好きなのか?」
そう聞いた瞬間、時雨が石化した。硬直を通り越して石化した。
「・・・時雨?大丈夫か?」
「・・・。」
「お〜い。時雨?生きてるか?」
「・・・。」
返事が無い、ただの屍のようだ―――じゃなくて。
しかし、本当に返事が無い。さて、どうするか・・・。
俺は辺りを見回し、テーブルの上に注目する。その上のパイに。
パイに近づく。ちょうど顔くらいの大きさだ。
都合のいいところにあるな〜なんて感心しながらそのパイを持って時雨の方に向かいパイを振りかぶり―――
ベチャ!
いい音を立てて時雨の顔面でパイが破裂した。
「何をする!」
「おお、生き返った。俺って教会か?」
「何の話だ!?」
「まあいいや。で?どうなんだ?」
「う・・・。ま、まあな・・・。」
「へえ、そうか。じゃあ頑張れよ。ちなみに俺特に何もしないから。」
「な、何でだ!?自分の妹の話だぞ!少しくらい手伝ってくれてもいいだろうに!」
「日本にはこんな諺がある。『人の恋路を邪魔するやつは馬に蹴られて死んじまえ。』というわけで、頑張るように。」
「しかし、お前はいいのか?風雪はお前のことが・・・。」
「俺はさ、最初から涼美とはこれ以上の関係に行くつもりは無いから。だから早いとこ俺のことは諦めて、他の奴と普通に恋をしてもらいたい。で、お前なら俺も安心だし、ちょうどいいだろ。」
「・・・分かった。秋冬、ありがとう。」
「いいからさっさと行かねぇと涼美どっか行っちまうぞ?」
「は、しまった!じゃあ秋冬、後でな!」
「おお、しっかり振られて来い!」
「言ってることがさっきと違うではないか!」
「冗談だ。頑張って来い。」
「ああ。」
時雨はいそいそと涼美の元に走っていった。パイを顔面につけっぱなしで。
ま、面白いからいっか。
にしても、時雨と涼美か。まあいいんじゃないか?俺も安心できる。
「・・・そういえば、春夏の言ったことドンピシャで当たったな。」
あれ?ってことは・・・。
「あ、いたいた。秋冬、どこ行ってたのよ!」
「お、凛。噂をすれば何とやら。なあ、ちょっと聞いていいか?」
「ん、何?」
「お前俺の事好きなのか?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今日も貫太郎からかなりの量の金をもらうことができた。
いい弟だ。俺が困ったって言えばすぐに金をくれる。俺は何もしなくても。
俺は貫太郎が使わせてくれる離れの前に立ち、ドアを開ける。
すると、中には誰かがいた。あれは確か・・・誰だったかな?
「おい、誰だ?どうして僕の部屋にいるんだい?」
「・・・。」
その人は返事をしない。その代わり、離れの奥のほうに逃げていった。
「誰なんだい?」
僕は中に入り扉を閉め、その人影に向かって歩き出した。刹那、
「・・・さようなら。」
そう聞こえた。何かの衝撃が僕の首を襲い、頭がごとりと床に落ちる。
そして、僕が最後に見たのは、離れの床を真っ赤に染めていく僕の首無し死体だった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「いてててて・・・。ちくしょー、まだヒリヒリしやがる。」
俺は左頬を押さえながらパーティー会場の床に座り込んでいた。
さかのぼる事15分前。時雨が涼美とどこかに言った後、凛が来たので聞いてみた。
『お前俺の事好きなのか?』
俺がそう聞くと、凛は顔を真っ赤にしてうろたえた。
『は、はぁ!?な、な、何言って・・・!』
『は、早く答えろよ。聞いてるこっちだって恥ずかしいんだ。』
『じゃ、じゃあ聞かなきゃいいでしょ!?』
ごもっとも。
その後俺は問答無用で引っ叩かれ非常に痛い思いをした。
凛は怒って去っていき、代わりに寒鴉が来たので話をしていた。
しばらくして、寒鴉は有名人の方々に呼ばれてそっちに行った。
それから5分。俺は特にやることも無く会場の片隅に沙希と一緒に座っていた。
「そりゃあなたが悪いに決まってるでしょ。」
「何で?単に気になったから聞いただけだろ?確かに紅葉とかなら顔を真っ赤にして『ふぇ!?いや、その・・・!えぇ!?』とか言いそうだけど。」
「分かってるじゃない。つまりそういうことよ。ただその凛って子バージョンなだけ。」
「つーことは凛の奴、やっぱり俺のこと・・・?」
「さあ、どうだ―――」
「きゃあああぁぁぁ!!!」
誰か、女性のくぐもった様な悲鳴が屋敷中に木霊した。いや、正確には冬枯邸全土に木霊した。
会場に静寂が訪れ、時間が止まっている中。俺はいち早く動き出し、声のしたほうに向かった。
それを見た数人が我に返り、とたんにオロオロし始める。
俺は会場を飛び出し、屋敷の外に向かった。悲鳴がくぐもっていたのだから、おそらく場所は屋敷外。
走り、走り、走り回る。庭、門、そして最後に離れに来て、そこで地面にへたり込んでいる理恵さんを見つけた。
「理恵さん、大丈夫ですか!?」
「あ、秋冬さん・・・!あ、あ、あれはいったい・・・?」
理恵さんが震える声で離れの中を指差す。俺は指差された方向を見て、ゾッとする。
中には翔太さんが横たわっていた。首と胴体が離れた状態で。
「うっ・・・!」
吐き気がした。気を抜いたらすぐにでも吐きそうだ。
でも、これは―――
「・・・殺人事件だ。」
「・・・え?」
「理恵さん、立てますか?」
「は、はい・・・。」
「今から急いで警察を呼んでください。」
「わ、分かりました。」
そう、これは殺人事件。
だったら、俺の出番だ。
解決してやる。捕まえてやる。必ず。
この楽しい喜劇を、一瞬のうちに悲劇に変えてしまった犯人を・・・。
作者「さあ、やっと人が死にました!」
秋冬「お前内容知らない奴がそれ聞いたらおかしなことになるぞ、その言い方!?」
沙希「まあでも確かに『やっと』ね。」
作者「はい、更新が遅れたことは潔く謝罪します。しかし、おかげで少しこの小説を読み返す時間が出来たので、かなりの矛盾を見つけることが出来ました。」
秋冬「へぇ、例えば?」
作者「さっき変えたので後から読んでも『そうだっけ?』見たいな事になると思いますが、具体的な例をあげますと沙希の名前や春夏の誕生日などです。『沙希』と言う名前は一度凛の母親の名前として出したのでかぶっていたことに気付き、先ほど変えました。春夏の誕生日は5月20日になっていたので思いっきりすっ飛ばしたことになってしまったので変更しました。」
沙希「一目でこの小説がその時のノリで書かれていることが分かるわね。」
作者「それが魅力みたいな?」
秋冬「計画性無しなだけだろ?」
作者「うい、返す言葉もありません。」
沙希「と言うわけで、このダメ作者の矛盾に気付いた方がいらっしゃいましたら、どんどんダメだししてやってください。」
作者「はい。それから、タイトルの件。色々候補いただきました。ありがとうございます。」
秋冬「知り合い以外から来たのは1件だけだけどな。」
作者「1件だけでも送ってくれたことに意味があるんだ!来たときリアルで飛んだぞ、少し!」
沙希「はしゃぎすぎ。」
作者「とにかく!今のところ自分が気に入ったものとしてはfly jokerさんにいただいたタイトル案『風雪探偵事務所へようこそ』か、前日自分が考えた『探偵の季節』のどちらかです。一応期限は9月20日までを目安としておりますので、もし何か思いついた方がいたら感想欄に書き込みお願いします。それと、ついでに上に挙げた2つのタイトルでどっちがいいか票も入れてくれる方がいればかなり嬉しいです。」
沙希「ねえ、こんなところこんなに長くするくらいなら小説自体をもと書きなさいよ。」
秋冬「すっげーごもっとも。」
作者「・・・努力します。」
沙希「それじゃ、今回はこれまでー。さ、かえって寝よ寝よ。」
作者「相変わらずやる気ねーな。」
秋冬「それじゃ、そういうわけで!また次回、お会いしましょう!」
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