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CASE FILE 3-03 : 悲劇の舞台

秋冬「作者、ネーミングセンスなさすぎ。」

作者「う、うるさい!と言うか読者の皆さん、また更新遅れて申し訳ありません。」

紅葉「まったく、しっかりしてください。」

作者「うう、悪かったって言ってるじゃんかぁ・・・。」

紅葉「気持ち悪いです。」

作者「・・・お前って意外と酷いことサラッと言うな。」

紅葉「まあ作者相手なら容赦いりませんしね。」

秋冬「まあ確かに。」

作者「ちくしょー、見てろよ。いつか復讐してやる。」

秋冬「無理だと思うけど・・・。」

作者「・・・うん。分かってる。」

紅葉「では、どうぞ。」

作者「あ、お前俺のセリ―――!」

「お前寒鴉とは遠い親戚だって言ったよな?具体的にどれぐらい遠いんだ?」

「めんどくさいからあんまり覚えてないけど・・・寒鴉は私のお父さんの妹の夫の弟の奥さんの祖父のひ孫だったかな?」

「・・・めんどくさ。」

「だからそう言ったでしょ?」


俺と沙希はパーティー会場を避けて家の中をまわる。

説明しやすいらしく、俺達は最上階から一階ずつ降りて行動している。4階、3階、2階といった感じだ。

4階はほとんど説明の必要はなかった。4階全体がスケートリンクになっているだけで他には特に何もない。

3階も同じように部屋しかなく、あまり気になるようなものは見当たらなかった。

そして今は2階にいる・・・はずなのだが、どこかでワープでもしたのだろうか?

電気をつけたらかなり大きな町のゲーセンに来ているような錯覚を覚えた。


「ゲーセンじゃなくて、2階よ。ま、確かに並みのゲーセンとは比べ物にならないくらい広いけどね。」

「本当にここ町のゲーセンじゃないのか?だってここタイムク○イシスとか頭○字Dとかあるぞ?」

「だから、買ったんでしょ?」

「・・・いくらするんだよ、こんなの。」

「少なくとも私達が手を出せる金額じゃないことは確かね。」

「だろうな。」


つーか、寒鴉一人しかいないんだから一台だけでいいだろ?

ゲーム基本各4台あるし、太鼓の○人なんて8台あるぞ?


「・・・スケールの違いすぎる無駄遣い・・・。しかもゲームほとんど使った形跡ないし・・・。」

「え、何でそんなの?」

「だってゲーム全部薄いけど埃かぶってるぜ?それにこの部屋入ったとき電気ついてなかったし、何より電源コード全部抜かれてる。こんなでかいゲームの電源コード、普通いちいち抜くか?」

「電気代がもったいないんじゃないの?」

「んなこと気にするような人がこんな無駄遣いすると思うか?」

「・・・はい、納得。さ、次行きましょ。」

「次は何だっけ?」

「1階は大広間。来た時通ったでしょ?あと、そこから外に出るとプールがある。」

「へ〜。」

「・・・ねえ、今説明したから1階飛ばしていい?」

「ダメ。」

「ケチ。」


ホント、めんどくさがりなのは俺と似てんだな。

そんなやり取りを繰り返しながら本館は全て回った。他にも森さんが言ったとおり洗濯室とか小さな施設が数十個あったが、もうめんどくさいので言わなくていいだろう。

1階と地下1階の感想を言うと、「プールも風呂もバカみたいに広いから今度どっちかに行くときはここ使わせてもらおう」。


「はい、これで終わり。じゃあ私は部屋いって寝てるから。」

「ちょっと待った。」


俺は早々に立ち去ろうとする沙希のポニーテールを掴む。

「あいたっ!」と小さく叫び沙希は進行を止めた。


「何すんのよ!用は済んだんだからもういいでしょ!?」

「まだ離れは案内してもらってない!」

「そんなところどうでもいいでしょ?寒鴉の伯父が泊まってるだけよ。」

「いいから案内してくれよ、どうせ暇なんだろ?」

「一人で行けばいいでしょ?」

「俺がこのバカでかい屋敷で迷子になったら案内するはずだったお前の責任だぞ?今案内するのと責任負わされるのどっちがいい?」

「・・・早く行くわよ、ついてきて。」

「了解。」


沙希は恨めしげに俺を睨みながらも案内してくれた。


「そういえば寒鴉の伯父ってどんな人なんだ?」

「ん?嫌な奴。」

「は?」

「ろくに働かないくせに兄だからとか言って寒鴉のお父さんからお金借りっぱなしで遊んでるの。お金は返す気ないみたいだし、お金奪ってるのと同じよ。」

「そりゃまた、失礼だけどダメ人間だな。」

「そ、ダメ人間よ。何なんでしょうね、兄弟なのにこの差は。」

「個人の努力しだいだろ?」

「かもね。さ、着いたわよ。今は多分伯父の奴もパーティー言ってるから勝手に入っちゃいましょ。」


(「伯父の奴」って・・・。)


相当嫌いなんだな、その人のこと。

離れの鍵は開いていたので、勝手にお邪魔した。

言い忘れていたが、この離れも相当大きい。かなり高いので2階建てかと思ったら、天井が高い1階建てだった。

天井近くには小さな窓が2つついていて、他に窓はない。窓には手が届かないので、入り口の近くにあるスイッチで開閉が操作できるようだった。

中には小さなテーブルと机が4つ。テレビやら暖炉、キッチンなどがついていて、確かにそのまま引っ越して生活できそうだ。

外にはベランダが2つ、それぞれ窓があるほうに取り付けてある。片方のベランダにはどういうわけかオナモミが大量に育っていた。

え?オナモミって何か?ん〜、皆昔よく遊んだことあると思うけど、いわゆる「ひっつき虫」だよ。あの茶色い服にくっつくやつ。


「なあ、オナモミって普通地面に生えるよな?なんであんなところに?」

「椿さんがオナモミ大好きで、ベランダに特殊な工事して生やしたんだって。」

「何でまたあんな鬱陶しいひっつき虫をわざわざ・・・?」

「さあね?富豪の考えることは分からないわ。」


富豪じゃなくてもその考えには共感しかねるが・・・。


「さ、これで本当にこの屋敷は全部案内したわよ?私帰っていい?」

「別にいいけど、お前はパーティ来ないのか?」

「いやよ、あんな騒がしいところ。人もいっぱいいるし。」

「部屋にこもるよりはましだと思うぞ?俺の友達も数人いるし、来ないか?」

「・・・ま、別に断る理由も無いし、付き合ってあげるわ。」


そう言って沙希はとっとと歩き始めた。


「・・・素直じゃねー奴。」


沙希に聞こえないように呟く。が―――


「聞こえてるわよ。誰が何だって?」

「え?あ、いや、別に。」

「遠慮しなくていいわよ、言いたいことあるならどうぞ。」

「あ、なら―――」

「その代わり、言ったら多分私の声はもう生涯聞くことないと思うけど。で、何?」

「・・・なんでもないです。」


完全に脅迫だよな、これ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「―――というわけで、沙希だ。」

「・・・いや、どういうわけですか?」

「どういうわけも何も、そういうわけだ。」

「・・・秋冬さん、遊んでません?」

「ばれたか?」

「ちゃんと説明してください。何で白鳥さんがこのパーティー会場にいるんですか?」

「ん、沙希の事知ってるのか?」

「何言ってるんです、同じクラスじゃないですか。忘れちゃったんですか?」

「いや、覚えてなかった。今はもう覚えてる。」

「同じなんじゃ・・・?」

「いや、忘れたと覚えてないは似て非なるものだ。」

「屁理屈です。」

「・・・。」


俺は沈黙を守った。なぜなら|(説明する必要はないと思うが)、明らかに俺が劣勢だったから。


「秋冬〜!ちょっとこっち来てよ〜!おいしいものが腐るほどあるよ!」


食べ物なんだから『腐るほど』とか言うな、食欲がなくなるから。本当に腐ってたらどうする気だ?


「じゃあ紅葉、俺ちょっと行ってくるから。」

「あ、はい。どうぞ。」


そう紅葉に継げていざ以降としたその瞬間、紅葉と沙希が話し始めたのが聞こえた。

少し内容が気になって近くに潜んで聞いてみる。まあ、いわゆる盗み聞きという奴だ。

俺はわざと少し遠くに行くようなフリをして、人ごみの中を抜けて二人からちょうどテーブルを挟んで反対側に回り込んだ。

しかし、場内に流れるBGMと人々の会話がやかましくて二人の会話は少し遠すぎて聞こえなかった。

やむを得ずテーブルの下にもぐりこみ、聞き耳を立てる。二人はちょうど自己紹介を終えたところのようだった。


「―――それで、沙希さん。」

「ん、何?」

「あなたも、その、秋冬さんのこと、好きなんですか?」

「え?何それ?っていうか『も』って・・・えぇ?」


それを聞いて、俺は少しもぐりこんだ事を後悔した。

「聞いちゃいけないことかな」、などと思いつつも、しっかり最後まで聞こうとしている自分が少し悲しい・・・。

紅葉がその問いに答える前に理恵さんが来て熱いお茶を渡していたのが聞こえた。

・・・この洋風な城でやるパーティーの飲み物が茶ってどういうことだ?


「え、えぇ、まあ、そういうことです。それで、どうなんですか?」

「紅葉ちゃん、ほぼ初対面の人を好きになれるわけないでしょ?だから心配しなくても大丈夫よ。」

「一目惚れとか、そういうのもあるかもしれないじゃないですか・・・。」

「心配しなくても大丈夫だって。だから―――」


沙希が言葉を切ったと思うと、背中が妙に熱くなった気がした。・・・つーか熱い。

・・・いや、マジで熱い!


「あっちぃぃ!っあで!」


驚いて体をのけぞらしたせいで、上にあったテーブルに頭をぶつけた。

多分周りの客はかなりびっくりしているだろう。


「人のこういう話を盗み聞きするのはやめぇい!」


今気付いたのだが、背中のこれは多分さっき渡されていたお茶だろう。テーブルの隙間から流れてきたのか?

沙希って意外と鋭いんだな。次から気をつけよう。

・・・ん?つーことは俺将来またこんなことするってことか?

どうなんですか作者さ―――。


「そういうネタは止めてくださいって言ってるじゃないですかぁ!」


・・・どうやら紅葉もフォー○をマスターしたようだ。

あれ、女の勘だっけ?まあどっちでもいいや。

俺はテーブルから這い出し春夏のほうに逃げる。うう、背中火傷した・・・。


「秋冬、大丈夫?」

「大丈夫じゃない。火傷した。」

「じゃあ大丈夫だね。秋冬は背中刺されても死なないから。」

「人を化け物みたいに言うな!何だその捏造(ねつぞう)された設定!」

「それよりこの料理おいしいよ!食べてみ!」

「いや、いい。腹減ってないから。」

「え〜?せっかく私が愛を込めて作ったのに!」

「勝手にお前が作ったことにするな。」

「作ろうと思えば作れるもん!」

「いや、そりゃそうだろうけど・・・。お前料理だけはうまいもんな。」

「料理だけじゃないよ!」

「他に何かあったっけ?」

「運動!」

「そういやそうだったな。忘れてた。」

「も〜!もしまた何か忘れるようだったら今度から学校に毎日愛を込めて愛妻弁当持って行くからね!」

「愛を込めるから愛妻弁当って言うんじゃないのか?」

「突っ込んでよ!」

「あ、そうだった。って、お前今わざとボケたのか?」

「ううん、そういうわけじゃないけど、言ってから『あれ?これっておかしくない?でも秋冬なら突っ込んでくれるはず!』って期待してたのに!」

「んな期待されても困るわ!つーか、愛妻弁当とやらは勘弁してくれよ。俺今ただでさえ学校であからさまに殺意を向けられてんだから・・・。」


そう、言ったことがあるかないかは忘れたが、春夏も紅葉も涼美も学校で結構|(と言うかかなり)人気があるのだ。

そんな奴らに学校であからさまに好意を寄せられればそりゃあもう・・・。

それに、何か最近は時雨からもそんな視線を感じるような・・・。気のせいか?


「俺、何か悪い事したのかなぁ?」

「え、何か言った?」

「別に。」

「やあ君たち、パーティーを楽しんでいるかな?」


そう言って俺達に声をかけたのは・・・誰だ?


「あなたは?」

「僕は冬枯 翔太(ふゆがれ しょうた)。貫太郎の兄だよ。」

「ああ、あなたが。」


沙希が『やな奴』っていってた奴か・・・。


「君達、僕が見た事ないってことは有名人じゃないね。寒鴉ちゃんの友達かな?」

「うん、そうだよ。」


・・・何か今の言い方嫌だな。


「そうかそうか、じゃあこれを渡しておくね。」


そう言って翔太さんは俺達に高そうなキーホルダーを渡してくれた。

いや、まあ高そうなんだけど・・・デザインがダサい。と言うか、何だこれ?


「これ何?」

「これはね、僕の会社のマスコットキャラクターだよ。」


これがマスコットって、どんな会社だよ?

でも高そうだな。・・・後で売ろっと。って、それは流石にまずいか。

う〜ん、でもいらないしな・・・。


「あ、俺いいです。」

「なんだい、僕のあげたものが受け取れないって言うのかい?」

「え?あ、いや、そういうわけじゃ・・・。」

「受け取っておきなさい、ね。」


・・・俺は子供か?何であんな妙な説得のされかたされてんだ?


「秋冬、これ売ったら高そうじゃない?」


もらった本人の前でそういうこと言うなよなぁ・・・。


「・・・売ったら、殺すよ。」

「・・・え?」

「僕の会社のマスコットを売ったりしたら、殺しに行くから。絶対に売っちゃダメだよ?」

「は、はい・・・。」


な、なんなんだこの人・・・。頭おかしいんじゃねぇか?

自分の会社のマスコット売ったら殺す?何言ってんだこいつ?


「それじゃ、僕はこれで。」


そう言って翔太さんは俺達の下を去った。


「秋冬、あの人怖い・・・。」

「・・・ああ、俺も怖いよ。」


やな奴、か。なんとなく分かったような気がする。

出来れば、二度と会いたくないな・・・。


「あ、秋冬様に春夏様。」


『秋冬様』と呼ばれて何か気持ち悪い気分になる。


「理恵さん、その『秋冬様』って言うの本当に止めてください・・・。」

「え、何故です?」

「いや、特に理由はない、と言うか分からないんですが、何か悪寒が・・・。」

「?まあ、そういうことでしたら秋冬さんと呼ばせていただきますけど。」

「それでお願いします。」


かなりありがたいです、はい。

理恵さんはさっきと変わらない格好をしている。

最近ブーム(らしい)メイド服に、カチューシャに真っ白のニーソックス。

真白い手袋もしている。あと、なぜか大量の衣服を抱えている。

うん、いかにもメイドって感じだ。や、本物がどんなのか知らないけど。


「で、理恵ちゃんはどうしたの?」

「り、理恵ちゃん?あ、いえ、特にどうしたわけでもないんですが。ただ洗濯物を干しに行こうかと。」

「それも理恵さんがやってるんですか?」

「はい。他にも家事やお料理、お掃除なんかも全て私一人でやってます。」

「屋敷全部ですか?」

「そうですね、あとは離れにあるオナモミの世話もしています。」

「・・・趣味に使う時間はあるんですか?」

「ええ、2〜3時間ほど。」

「超人ですね。」

「化け物だね。」

「人をそんな風に言わないでください!」

「でもじゃあ森さんは何やってるんですか?」

「森様は貫太郎様や椿様の秘書のようなものをやっているので、私しか家事が出来る人はいないんです。」

「じゃあ理恵さんしか洗濯室とかキッチンには行かないんですか?あんなに広いのに。」

「はい、基本的には。」


面倒だったから説明省いたけど、洗濯室とかキッチンもバカみたいに広かった。

洗濯室なんて洗濯機と乾燥機置くだけなのに多分俺の部屋より広かった。

キッチンなんて多分俺の家より広かったチクショー。

・・・何のためにあんな広く作ってるんだろう?多分意味はないんだろうな。


「・・・もったいな。」

「はい?」

「いえ、なんでもないです。じゃ、仕事頑張ってください。」

「はい。秋冬さんもパーティー楽しんでくださいね。」

「どうも。」


理恵さんは最後にニコッと笑うと少し急いだように会場を後にした。邪魔しちまったかな?


「秋冬、化け物っていたんだね。」

「だから失礼なこと言うなって。」

「おや、風雪様に桜火様。パーティーを楽しんでいますかな?」


今度は執事の森さんに声をかけられた。よりにもよってまた『様』付けで・・・。


「森さん、『様』付けるの止めてくれませんか?」

「かしこまりました、風雪殿。」

「・・・や、もうそれでいいです。」

「楽しんでるよ〜!『そんなに楽しまれたら迷惑!』ってくらい楽しんでるよ〜!」


楽しみすぎだろ、それは。


「そうですか、それは何よりです。」


何よりなんだ、優しいな。

森さんは着替えたのか、さっきまでのグレーのスーツを黒いスーツに着替え、格好良く着こなしている。

右腕は90度に曲げていて、白いハンカチをそこに引っ掛けている。左腕は顔と同じ高さにあり、その上には飲み物が多数乗ったトレイ。

左腕には片眼鏡。直立不動。白髪のオールバック。これでもかって言うほど見事に執事だった。

や、本物がどんなのか知らないけど。あれ、二回目?


「で、森さんはなにやってるの?」

「私は見ての通り皆様にお飲み物をお渡ししております。お二人様もよろしければどうですか?」

「あ、じゃあもらう!」

「じゃあ俺もお願いします。」

「かしこまりました。」


そう言うと無駄のない動きでトレイの上からグラスを俺と春夏に手渡した。

や、本当に無駄のない動きなのかは分からないけど。

・・・うん、しつこいぞ俺。

少し反省して森さんにもらった飲み物を飲んで・・・吐き出した。正確には噴き出した。


「森さん!これ酒じゃないですか!」

「もちろんです。世界の中でも5本指に入るほどの高級ワインでございます。」

「あ、そうなんですか。へ〜、相当高級なんですね・・・じゃなくて!」

「・・・ああ、そういえば秋冬殿はまだ未成年でしたね。」

「そういわなくても見れば分かるでしょ!」

「いや、あまりに大人っぽかったので忘れていました。申し訳ございません。」

「忘れないでください!つーか百歩譲って忘れても酒を勧めないでください!」

「秋冬、これおいしいね。今度お母さんに買ってもらおっと。」

「だ〜!止めろバカ!それ、酒!お前、未成年!だから、ノー!OK!?」

「お、おーけー。って、今秋冬バカって言ったでしょ!?」


そんなこと知るか。問題はお前がこれ以降酒を飲むかもしれないかもって事だ。

まあ、俺は・・・。いや、また今度説明すりゃいっか。


「失礼しました。以後気をつけます。それでは、パーティーを存分に楽しんでくださいませ。」

「は、はあ・・・。」


森さんは俺達にそう告げて颯爽と去っていった。

なんかぜんぜん悪びれたように見えなかったんだけど・・・気のせいか?


「おや、これはこれは。風雪様に桜火様。どうですか、パーティーは?」


今度は幸太さんに話しかけられた。今日は随分といろんな人に話しかける日だな。

幸太さんは俺達をこの屋敷に送ってきてくれたたときと同じ格好をしていた。

長めの金髪を首の後ろで束ね、黒縁の眼鏡をしている。黒いスーツを着ているが、森さんのように着こなしている感じではない。

黒い靴、黒いズボン、黒いスーツ、黒い眼鏡と来て派手な金色の髪と言うのは俺的には少し違和感があるが、まあ気になるほどではない。


「幸太さん、『様』止めてくださいって言ったはずなんですけど・・・。」

「そうでした、秋冬様でしたね。失礼しました。」

「・・・殿よりマシか。」

「は?」

「なんでもないです・・・。」


何だ?豪邸に使える人たちは誰にでも『様』を付けなきゃいけないって決まりでもあるのか?

・・・あ、森さんは『殿』だった。・・・や、それもどうかと思うが。


「で、何の用ですか?」

「な、何故そんなうんざりしたような目で見るんでしょうか?」

「別に。」


幸太さんが悪いわけではないのだが、やっぱりイライラするのはしょうがない。

背中は火傷するし、森さんに酒は飲まされるし・・・。あれ、前者は俺のせいか?

そんな俺の様子に困惑しているようで、幸太さんはちょっとおろおろしている。


「いえ、別に用があるわけではないんですが、一応見かけたので挨拶はしておこうと思いまして。まあいわゆる社交辞令ですよ。」

「そんな社交辞令ありましたっけ?」

「どんなことを社交辞令にするかは人それぞれですよ?」


ちょっともっともっぽいことを言う幸太さん。でも、社交辞令の意味ちょっと間違ってるんじゃないか?


「それじゃ、僕はこれで失礼します。」


幸太さんは言いたいことだけ言ってとっとと去っていった。

何つーか・・・自由な人だなぁ。


「秋冬さん、来てください!東村京太郎さんが秋冬さんに会いたいって!」

「ま、まじか!?すぐ行く!」


我慢できるか!あの人は探偵としては憧れの人なんだから!

読者の皆!悪いけど今回はここまでな!また次回!


「秋冬さん!だから何度言えば、って、行っちゃった・・・。んもうっ!今度ちゃんといっておかなきゃ・・・。」

作者「・・・。」

秋冬「・・・。」

紅葉「ど、どうしたんですか?二人共・・・。」

作者「・・・『んもうっ』って!」

秋冬「実際にんなこといった奴始めてみた。」

紅葉「あ、あれは秋冬さんがしつこく読者様に話しかけるから・・・!」

秋冬「それにしたって『んもうっ』って!なかなか言わないぞ!?」

紅葉「そ、それに悪いのは私に言わせた作者でしょ!?」

作者「言ったろ?『復讐してやる!』って。」

紅葉「う゛っ!」

作者「ははははは!いや〜、愉快愉快。」

紅葉「うう〜・・・。作者のバカ!人でなし!」

秋冬「どうでもいいけど、そろそろ事件起こしてくれねーか?」

作者「いいじゃん。人が死なないに越したこと無いし。」

紅葉「推理作家にあるまじき言ったね。」

作者「紅葉、敬語じゃなくなってるぞ。」

紅葉「動揺したらタメ口になっちゃった。今だけだけど。」

秋冬「何気に貴重な瞬間だな。」

紅葉「まあ多分今後もちょくちょく出ると思うけどね。」

作者「いや、あんまりその喋り方で本編に出したくない。」

秋冬「何で?」

作者「春夏・涼美と書き分けられなくなる。」

秋冬「うわぁ・・・。」

紅葉「ダメね、これ。」

作者「『これ』とか言うなぁ!」

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