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CASE FILE 3-01 : 新設!風雪探偵事務所

申し訳ありませんでした!

まずは謝らなければなりません。前回の投稿から、もう既に・・・どれくらいでしたっけ?

と、僕も覚えてないほど間が空いてしまいました!

この作品を読んでいて、更新を楽しみに待っていた方が万が一!いたのでしたら、本当に申し訳ありません!

とりあえず、こんなことを言える立場ではないですが、小説をお楽しみください。

「お兄ちゃん、もうすぐ学校だよ!早く起きて!」


俺は焦った様子の涼美に起こされた。目をうっすらと開けると、上下逆さまに制服姿の涼美の姿が目に入った。

言ってなかったかもしれないが、俺たちの学校の制服は男子は上が白いシャツ、下が黒いズボンとシンプルでなんのひねりも無いデザイン。女子は襟が水色のセーラー服。本当になんのひねりも無い。

と、制服の説明が済んだところで改めて状況を説明しよう。前記のとおり、涼美は制服姿で制服はセーラー服。つまりスカートをはいている。涼美は俺を起こすために俺の頭がある方にしゃがみこんでいる。今、俺はいつものベッドとは違い床に布団を敷いて寝ているので、涼美を見上げる形になっている。となると必然的に―――。


「・・・涼美、パンツ丸見え。」

「・・・!お、お兄ちゃんが起きればいいんでしょ!」


涼美は慌てて立ち上がりスカートでパンツを隠す。


「・・・俺の前で平気で着替えようとしたくせにそれは恥ずかしいんだな。」

「う、うるさいなぁ!早く起きてよ、遅刻しちゃうでしょ!」

「そうだな・・・。よし、今日は遅刻だ。」

「分かってて遅刻するならそれはもうサボりでしょ!」

「分かった分かった。じゃあ今日はサボりだ。」

「もっとダメよ!」


そんなやり取りをしながらも、一応ちゃんと起き上がる。その時、なにやら右足が少し重く感じられた。


「ん?」


何かがぴったり足にまとわりついているような感覚。硬くはなく、むしろかなり軟らかい。そして何より、温かい。


(ま、まさか・・・。いや、そんなはず無い。)


最悪のケースが頭に浮かび、必死にそれを否定して、覚悟を決めて布団をめくる。すると、見事に俺の希望を裏切るような結果が待っていた。


「り、凛・・・。」


布団の中には、俺の右足に抱きつくような形で凛が寝ていた。


「凛姉・・・。」


頭上から涼美の声が聞こえた。だが、その声色を聞くからにかなり怒っているようだ。


「私のお兄ちゃんに・・・。」


そう呟きながら鞄を両手で持って振りかぶる。いつの間に俺は『私のお兄ちゃん』になったんだ?と思いながらも何をする気か察した俺は素早く凛を引き剥がし安全な場所まで避難する。刹那、


「何やってるのよー!」


振りかぶっていた鞄を思いっきり振り下ろした。


「い・・・った〜!」


凛は一瞬で目を覚まし、その場で悲鳴を上げた。


「な・・・!」


凛は怒りに体を震わせて、右手を振り上げた。・・・俺目掛けて。


「へ?」

「何すんのよー!」


バチンと綺麗にいい音が鳴り響く。


「いって〜!何しやがんだ!」

「こっちの台詞よ!何で人の頭叩くのよ!人がせっかく気持ちよく寝てたって言うのに!」

「殴ったのは俺じゃねぇ、涼美だ!それから何が気持ちよく寝てただ!勝手に人の布団にもぐりこみやがって!」

「しょ、しょうがないでしょ!一人じゃ寝れないんだから!」

「・・・は?」

「だ、だから・・・。ひ、一人で寝れないのよ、あたし・・・。」

「・・・何歳児だよ?」

「う、うるさいうるさい!」


こいつ・・・前に行ったときもそうだったけど、未だに直ってないのか・・・?


「・・・ガキだな。」

「なんか言った!?」

「・・・いいえ。」

「あら秋冬、凛ちゃん、朝から仲良しね。」


いつの間にか母さんが部屋に入ってきていた。・・・なぜ皆俺の部屋に無断で入ってくるんだ?


「これが仲良しなら俺と春夏や紅葉に失礼だ。な、涼美・・・って母さん、涼美は?」

「涼美ならもう学校行ったわよ?あなたも早くしないと遅刻するわよ、学校7時半からでしょ?もう7時45分よ。」

「・・・それはもう遅刻『する』じゃなくて遅刻『してる』んだよ・・・。」

「・・・あら、そう言われてみればそうね。」


・・・一体全体この人の頭はどうなっているのだろう?今度医者に脳のレントゲンを撮ってもらったほうがいいかもしれない。


「失礼ね、私は健康よ。」

「何で俺の考えてることが分かるんだよ!」

「女の勘よ。」


・・・恐ろしい・・・。凛とかがこの能力を開花しないことを祈りたい・・・。


「残念でした。もう習得済みよ。」

「・・・それ絶対超能力だよ、断言する。その気になればフォー○とか使えるんじゃないか?」

「多分ね。」

「・・・え、マジで?」

「冗談よ。本当に使えるわけ無いでしょ、あんな化け物みたいな力。」


凛がそう言って手をヒラヒラと振った瞬間、部屋の電気が切れた。しかも切れる瞬間、少し火花が散ったのが見えた。


「・・・。」

「・・・本当に使えないんだろうな?」

「た、多分・・・。」


・・・俺はいつか、こいつに殺されるんじゃないだろうか?フォー○的な何かで。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「秋冬遅いね〜。」

「そうですね、またいつもみたいに寝坊したんじゃないですか?」

「まあそうだろうな。」


秋冬さん、今日も遅刻か・・・。まあ凛さんの相手を一日中してたんだから、疲れて当然かもしれませんけど・・・。

私達の教室は一階にある。教室の中は一般的な学校と同じ作り。教室の前と後ろに引き戸があり、教室の前のほうに黒板、引き戸から反対側にある壁には窓がついていて、外の景色が一望できる。

席は自由に決めることが出来たので、私達四人は固まって座ることにした。私の席は後ろから二番目の列の一番窓側にあって、私の横には時雨さん、時雨さんの後ろに春夏さん。で、私の後ろは秋冬さんなんですが、現在は空席になっています。


「でも私今朝涼美ちゃん見たよ。」

「秋冬は一緒じゃなかったのか?」

「いなかったと思うけど・・・。でも、涼美ちゃん何か怒ってる感じだったよ。」

「朝何かあったんじゃないですか?ほら、秋冬さんの家には今凛さんが来てますし。」

「凛って誰だ?」

「秋冬さんの従妹ですよ。昨日から遊びに来たらしいです。」

「へ〜。」

「・・・ん?ねえ、紅葉ちゃん。あれ、秋冬じゃない?」


小声で会話をしていると、春夏さんが窓の外に見える校門を指差した。見ると、確かに校門をよじ登っている制服の男子が見えた。


「・・・秋冬さんですね。」

「何をやっているんだ?」

「侵入しようとしてるんじゃない?・・・あ、落ちた。」

「・・・肩を強打しましたね。かなり痛そうにしてますが、大丈夫でしょうか?」

「さあ・・・。あ、こっちに来たぞ。」


肩を押さえながら秋冬さんが教室に近付いて来た。しっかりと顔が認識できる距離まで来ると、目に涙を浮かべているのが見えた。

窓のすぐ外に着くと、私を見て窓に字を書き始める。左右逆さまになっているので少し読みにくかったが、何とか読むことは出来た。


「・・・『窓を開けろ』?」


それを見て何をする気か完全に理解した私は、一度頷き手を挙げる。その間に秋冬さんはしゃがんで窓から姿を消した。


「・・・ん?何だ星河。」

「少し暑いので窓を開けてもいいですか?」

「ああ、いいぞ。さて、授業に戻るが・・・。」


許可が下りたので、立ち上がって窓を開ける。すると秋冬さんがヒョコっと出てきて小声で「サンキュ、助かった。」とだけ言って、先生が逆方向を向いているタイミングを見計らって教室に潜り込んだ。


「じゃあこの問題を・・・って風雪。」

「ん?何ですか?」

「・・・いや、なんでもない。」


先生が授業に戻ったので秋冬さんを見ると、小さくガッツポーズをしていた。もう一度先生に視線を戻すと、出席名簿に「風雪秋冬、欠席+1、と・・・。」と呟きながら書いているのを見て、もう苦笑いしか出来なかった。


「秋冬さん、思いっきりばれてますよ?」

「ん?知ってるよ。つーか普通ばれるだろ、いくらなんでも。」

「じゃあ何でわざわざあんな面倒な事したんですか?」

「面白いじゃん。」

「・・・。」


もう何も言う気にはなれなかった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


授業も終わり、放課後。


「さて、そろそろ我々推研も活動を開始しましょう!」

「・・・今までだって活動してただろ?」

「活動はしてたかもしれませんが、結局まだ本を一冊も読んでないじゃないですか。」

「ま、まあ確かにな・・・。」

「ねえ、推研って何するんだっけ?」

「お前それ分かってなかったのか?推研は推理小説読んでその犯人が誰か推理する部だろ?」

「でも私達推理小説結構読んでるよね。だったらもうほとんどの推理小説の犯人とかトリック分かってるんじゃないの?」

「「「・・・。」」」


春夏の言葉にその場にいた全員が凍りつく。

た、確かにそうだ・・・。ってことは、この部って部の意味をなさないんじゃ・・・。


「は、春夏さんの言うとおりです・・・。」


紅葉がその場にうなだれる。まあ、結果的に自分の案を全否定されたわけだから、ショックだろうな・・・。


「それなら、もう推研を探偵事務所にすればいいのではないか?この部には秋冬がいるのだから、それくらいいいだろう?」

「あ、それいいですね!そうすれば小説などには無い謎に出会えるわけですし、推理できるし、一石二鳥ですね!」

「待て待て待て!それほとんど俺にまかせっきりになっちまうだろ!却下だ却下!」

「却下を却下します。」

「何でだ!部長は俺だろ!」

「そうです、部長は秋冬さんです。でも、所長は私です。なので、却下を却下します。」

「意味分かんねぇよ!つーか、本人の意見をまずは尊重しろ!」

「秋冬さんは私の母をご存知ですよね?私はほとんど母に育ててもらったようなものなので、性格は母とほぼ同じですよ。」


悪魔のような笑みを浮かべて紅葉が言う。

・・・そういえば確か同じようなケースが前にもあったような・・・。俺の意見を無視されたことが・・・。

しばらく考えていると、紅葉が助け舟を出してくれた。


「私の家で起こった事件の後です。これで思い出しましたか?」

「・・・あ!」


思い出した。思い出したくは無かった。あれはあの事件の後、紅葉の家に行った時、紅さんに付き合えと言われたときだ。あの時俺の意見は無視され、勝手に話が進まされた。

で、紅葉が紅さんと同じ性格してるなら・・・。


「・・・納得した。」

「そうですか、じゃあ決定ですね。この部は『推理小説研究部』改め、『風雪探偵事務所』にします。」

「な、ちょっと待て!所長はお前なんだろ!何で俺の名前なんだよ!」

「そうです、所長は私です。でも、部長は秋冬さんです。なので、名前は秋冬さんのものにします。」

「随分と都合のいい『部長』と『所長』だなぁ、おい!」

「そうですね、私も気に入ってます。」


そんなやり取りが、計っていたわけではないがおそらく1時間程続いただろう。春夏と時雨は完全に蚊帳の外なので、のんびりとお茶を飲んでいた。

結果は、言うまでもなく紅葉の圧勝。結局推研は風雪探偵事務所に姿を変えた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ただいま〜。」

「遅い!」


帰ってドアを開けるなり、凛に怒鳴られた。・・・勘弁してくれ、俺は今精神的にかなりまいってるんだ。


「何だよ・・・。」

「お・そ・い!何やってたのよ!」

「部活だ、部活。お前みたいに暇じゃないんだよ。で、何?」

「甘いもの買ってきて。」

「昨日町は案内しただろ?自分で行ってこい、自分で。」

「あたしお金無いもん。」

「ほれ、千円やるからその辺のコンビニでなんか買ってこい。」

「千円じゃ足りないわよ、三千円頂戴。」

「何買うつもりだよ!」

「モンブランにプリンにカステラに大福、アイスにクレープにプリンにシュークリーム、あとはバームクーヘンにメロンパン、アンパンと・・・何だっけ?あ、ショートケーキだ。」

「・・・プリン二回言った。あと、お前絶対に太るぞ。」

「うるさい、とっととお金をくれるか買いに行くかして!ちなみに後者希望!」

「要望多すぎ。図々しい。少しは遠慮ってもんを知れ。」

「遠慮してるじゃない。これでも3分の1に減らしたのよ?」

「菓子のみが対象の大食いか・・・。絶対太る。胸以外。」

「・・・!あ〜き〜と〜!」

「ん?げっ!」


恨めしそうに名前を呼ばれたので後ろを見ると、凛が俺目掛けてフライパンを振り上げていた。


「ま、待て待て!フライパンって普通に人殺せるから!凶器だから!」

「知った・・・ことかー!」

「うわあああぁぁぁ!」


間一髪でフライパンをかわす。フライパンは椅子に当たり、椅子には傷がつきフライパンは少し変形した。

・・・もうあのフライパンは使い物にならないな。と、妙に冷静な自分がいた。


「はぁ、はぁ・・・。こ、殺す気か!?」

「当然でしょ!」

「いやいやいや!何で悪口言っただけで殺されなきゃいけないんだよ!?」

「しょうがない、生かしておいてやるわよ。あ、そういえばさっき手紙来てたわよ。」

「わざわざ手紙か?」

「うん。はいこれ。」


そう言って渡されたのは、ものすごい豪華な封筒だった。封筒そのものが金色をしていて、リボン等で派手に飾られている。

俺の知り合いでこんな豪華な封筒を使う奴は・・・一人しかいない。

差出人の名を見ると・・・まあ、案の定寒鴉だった。


「ずいぶん派手な封筒よね。差出人は?知ってる人?」

「ああ、社長令嬢だ。」

「へ〜。あんたにそんなすごい友達がいたんだ。どこの社長さん?」

「SO○YとNINTE○DOだ。」

「・・・納得。で、なんて書いてある?」


封筒を開けて中に入っていた手紙を出す。手紙自体は意外とあっさりしたものだった。

ただ、強いて言えば表に大きく「招待状」と書いてあるくらいだ。


『風雪先輩へ

手紙が入っていた封筒、派手で驚いてしまったでしょう?申し訳ありません、父が無理矢理これにしろって聞かなくて・・・。

これは、表に書いてあるとおり招待状です。と言っても、先輩が主役なんですけどね。

初めて先輩に会ったとき、痴漢から助けてもらいましたよね?そのことを親に話したら二人とも先輩にお礼をしなきゃって言ってパーティーを主催したんです。

開催日は6月25日(土)の昼1時から6月26日(日)の夜7時までです。もちろん、疲れてしまったら帰ってもらっても構いませんし、もし必要でしたらこちらで部屋を用意することも出来ます。なので、出来れば始終いてもらいたいと思います。

それから、手紙は送っていないのですが他の皆さんにもぜひ声をかけておいてください。

何かあったらご連絡ください。それでは。

冬枯寒鴉』


「・・・俺、そんなたいそうな事したのか?」

「たかが痴漢を撃退しただけでしょ?普通よ、普通。おかしいのはあっちの家族よ。」

「・・・失礼だけど、俺もそう思う。」

「で?行くの?」

「これだけされて行かないのは失礼だろ?」

「もちろんあたしも行くわよね?」

「はぁ?何でお前が来るんだよ?寒鴉お前の事知らないぞ?」

「ぜひ声をかけてくださいって書いてあるじゃない。」

「『他の皆さん』にな。あいつは旅行のメンバーのことを言ってるんだ。」

「じゃあ連絡してあたしも行っていいか聞いてよ。」

「何でわざわざそんなことしなきゃいけないんだよ?」

「・・・冬美さ〜ん!秋冬があたしのことをいじめるんだけど!」

「なっ!お前・・・っ!」

「秋冬〜。女の子の言うことは聞かなくちゃダメよ?」

「・・・了解。」

「と言うわけで、聞いて♪」


ちくしょ〜。見てろよ、いつか必ずぎゃふんと言わせて見せる!


「無理でしょ?」

「分かってるよ!」


ああ、俺って弱い・・・。本当に・・・。

その後、俺は電話をしなきゃいけなくなり、寒鴉の返事は予想通りOKだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


で、時は流れて6月25日。


「・・・久々の更新なのに作者手抜きすぎ。」

「作品の中でそういうネタを出さないでください!」


そういったとたん紅葉につっこまれた。こういうところ厳しいんだよな、紅葉は。

今、俺達は寒鴉の家専属の運転手さんの迎えを待っているのだが・・・。


「で?お前ら何だその格好?」


春夏、涼美、凛、それから俺はごく普通の格好をしているが、紅葉は青いドレスに黒いハイヒール。時雨は黒いスーツを着ている。


「だ、だって寒鴉さんのお家ですよ?どんな大きなパーティーか分からないじゃないですか!」

「いやまあ、確かにそうだけど・・・。」

「それに、たまにはこんな風に大人みたいなオシャレしたいじゃないですか。別に欠点があるわけでもないですし。」

「それは俺には分からねぇ。それに欠点ならあるぞ。」

「え?きゃあ!」


そう言って紅葉が首をかしげた瞬間、バランスを崩してこけた。


「ハイヒールだから転びやすい。お前みたいな運動御地ならなおさらな。」

「そ、そうでしたぁ・・・。」

「早く寒鴉ちゃん家に行って靴交換させてもらわないとね。」

「うう・・・。すみません・・・。」

「全く、しょうがないわね。」

「後からくっついてきたくせに偉そうに言うな。」

「秋冬、こいつは誰だ?」

「こいつとは失礼ね!あんたこそ誰よ!」

「質問してるのはこっちだ!」

「だぁ〜!黙れ二人とも、うっとうしい!凛、時雨!時雨、凛!」

「秋冬さん、それはさすがに・・・。」

「そうか、凛か。よろしく。」

「ええ、よろしく。」

「あれだけで十分なんてすごいよな、ある意味。」

「・・・ていうか、凛姉って強いよね。」

「・・・ですね。それより涼美さん、確か旅行から帰ってきた日に寒鴉さんの家に行ったんですよね?どんな家だったんですか?」

「もうね、すごいの!四階建てで、地下が二階まであって、噴水があって、西洋のお城みたいなの!」

「・・・今幼児に戻りましたよね?」

「中は?」

「それが面白いんだよ。すっごく広いのに、いるのは寒鴉ちゃんにお父さんとお母さん、メイドさんと執事さん一人ずつにこの前に行ったときは伯父さんが来てるって言ってたかな?」

「へ〜。そりゃ面白そうだ。」

「でしょ?あ、来た来た!」


と、涼美がはしゃいで指差す方向を見ると、


「・・・まあ確かに間違いないな。」

「・・・だな。」


日本の狭い道路に、バカみたいに長いリムジンが一台、俺達の方に走ってきた。

周りを歩いている人たちは何事だと言わんばかりにリムジンを目を丸くしてみている。写真を撮っている者もいる。

リムジンは俺達の前に停まり、中から痩せた背の高い男性が出てきた。


「あ、幸田さん。」

「おや、名前覚えていてくれたんですか?光栄です。」

「お兄ちゃん、この人が運転手の大船 幸太(おおふね こうた)さん。前も迎えに来てくれたんだ。」

「お話はお嬢様から伺っております。さあ、どうぞお乗りください。」

「わざわざありがとうございます。ところで、お嬢様って寒鴉のことですか?」

「はい、そうですが何か?」

「いえ、別に。ただ、やっぱり格が違うなぁて思って。」

「僕も初めの頃はそう思いましたよ。」

「秋冬〜!早く早く〜!」

「それじゃ、運転お願いします。」

「お任せください。」


俺がリムジンに乗り込むと、幸太さんは丁寧にドアを閉めて、自分も運転席に乗り込んだ。




もしかしたら、ここで引き返していたらよかったのかもしれない。

そうすれば、少なくとも俺はこの事件に巻き込まれなくてすんだ。・・・いや、俺じゃない。

どうせあんな複雑な事件なら、警察、特に茜さんは俺に協力を頼むだろう。

もしここで引き返していれば、俺は皆を巻き込まずに済んだのかもしれない。

楽しいはずのパーティーが一瞬で悲劇へと変わってしまったあの事件に・・・。

申し訳ありません!本当に申し訳ありません!もう今回はキャラを使った会話をやる余裕もありません。

謝ることしかできないです・・・。

なぜなら更新が遅れたのは、単純に遊んでいたからなんです・・・。

実は僕今日本に一時帰国してまして、それがもう楽しくて楽しくて遊びまくっているんです。

で、そんなことをしていたらいつの間にかこんなに時間が空いてしまいました。

一週間ほど前に「ヤバイ!」と思ったのですが、いまいち思い通りに進めることが出来ず、今日の6時まで京都のほうに旅行に行ってたんです・・・。

本当に申し訳ありませんでした。

日本には7月末までいるので、もしかするとまたこのように遅れるかもしれませんが、難しいかもしれませんがご理解ください。

僕だって一応人なので、里帰りしたら嬉しくて普段出来ないことをやろうと思います。

これからもう少しペースを上げる努力をしますので、どうか見捨てないでください。

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