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COMICAL FILE 6 : 長い一日

ついに20話!

別に大したことじゃないかもしれませんが、自分的には大きな達成です!

まあ、そのことはまたあとがきでキャラと一緒に談笑しますよ。

とりあえず、少し長めの第20話、お楽しみください。

「・・・はい?」

「いやだから、従兄妹同士って―――。」

「あ、質問の意味は分かりますよ?でもなんで急にそんなこと?」

「さっきまであいつに町を案内してたんだけど、その時に寄ったアイスクリーム屋で『お似合い』て言われて、その後店員さんにその質問されたんだよ。お前知らないか?」

「法律上はできますけど・・・。」

「あ、できるんだ。」

「はい、一応できますよ。でも・・・。」

「でも?」

「・・・や、やっぱりなんでもないです!忘れてください!」

「?」


そう言う紅葉の顔は真っ赤に染まっていた。


(ま、まさか面と向かって私と結婚してほしいなんて言えない・・・。絶対言えない・・・!)


今度は顔に手を当てて首を左右にブンブンと振り回している。

・・・何なんだよ、どいつもこいつも・・・。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「「いっただっきまーす!」」


春夏と凛が声を揃えて言う。こういうところは似てるんだよな。

ふと紅さんの方を見ると、何やら手招きしている。

俺は不審に思いながらも、その手に従い紅さんのところに行った。


「何ですか?」

「あの子誰?」

「俺の従妹です。」

「従妹?」

「ええ。初霞 凛。俺の前の父の姪にあたりますね。」

「それで、どういう関係?」

「いや、だから従妹だって言ってるじゃないですか。」

「恋人じゃないのね?」

「人の話聞いてます?」

「何だ、だったらいいのよ。紅葉が振られちゃったんじゃないかと思ったけど、違うのね。」


・・・過保護だなぁ・・・。


「過保護じゃないわよ。それは親として当然でしょ?」

「・・・なんで考えてることが分かるんですか?」

「女の勘よ。」

「心を読める勘なんて、それもう超能力の領域じゃないですか!」

「とにかく、過保護なんかじゃありません!」

「じゃあ、もし俺が万が一紅葉を振ってたらどうしました?」

「叩き潰して詫びさせるわ。」

「過保護と言うか、溺愛と言うか・・・。まぁ、要するに親バカですね。」

「秋冬君に言われたくないわよ!予言しとくわね。秋冬君、将来絶対に親バカになるわよ。」

「そんな当てずっぽうあたる訳が―――。」

「これも、私の女の勘よ。」

「・・・。」


何も言い返せない・・・。なぜかものすごい説得力がある。

大人の女性との口喧嘩に勝てないんだよなぁ、俺。


「秋冬さん、カステラ、食べます?」

「・・・ああ、もらう。」

「ど、どうしたんですか?ずいぶん元気がないような・・・。」

「いや、別に・・・。」

「お母さん、秋冬さんに何か言ったの?」

「ううん、何にも。」

「・・・秋冬さん?」

「・・・何も。」

「・・・そうですか。だったらもっと元気にしてくださいよ。」

「分かったよ。さて、カステラは?」

「テーブルの上に―――。」


そう言って(正確には言い掛けて)紅葉が指差したテーブルの上には、無惨にも食い散らかされたカステラの残骸があるだけだった。


「・・・ありました。さっきまで。」

「・・・過去形にしないでくれ、悲しくなる。」


二人とも、少しは遠慮するってことを学べ。頼むから。

まあ仮にそう言ってみたとしても、春夏は『遠慮』なんて読めない、もとい知らないだろうし、凛には『あたしに意見する気?』みたいなことを言われて結局何も改善されないだろうが・・・。


「秋冬、あたし暇。」

「私も〜!何かして遊ぼうよ!」

「何かって何する気だ?。」

「大富豪でもやらない?」

「あ、いいですね。お母さん、トランプってあったっけ?」

「たぶん机の下から二段目の引き出しの中の色鉛筆の隣にあるわよ。」

「・・・そこまで把握してるんですか?」

「女の勘。」

「・・・。」


俺は思った。紅さんなら、『女の勘』だけで事件を解決できろだろう。

数分後、部屋から戻ってきた紅葉に聞くと、机の下から二番目の引き出し、色鉛筆の右隣にあったという。

・・・女の勘、恐るべし。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ルールは?」

「基本ルールにさらに革命あり、加えて三つ以上段々につながってるカードがあれば出していいというのはどうですか?」

「・・・はい?」

「つまり、マークはどうでもいいので、とにかく三つ以上つながってれば出していいんです。例えば、3、4、5とつながっていたら出していいんです。3から2まででも構いません。」

「分かったような分からないような・・・。」

「とにかくやってみましょう。親は秋冬さんでいいですか?」

「はいよ。で、誰がやるんだ?」

「あたしはやるわよ。」

「私もー!」

「私もです。」

「四人な。」


俺はカードを切りながら人数を確認する。

カードを切り終えてから手際よくカードを四人に配る。

席順は上から見て時計回りに俺、紅葉、春夏、凛という順番だ。


「じゃあ俺からな。」


そう言って俺はスペードの3を出す。


「時計回りなので、私ですね。」


紅葉はそう確認して、手札からカードを出す。

出したのは・・・ハートの2。


「・・・いきなりだな。」

「ええ。じゃあ、これでいったん流しますね。で、もう一度私の番です。」


そう言って紅葉が出したのは、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q・・・。


「ちょ、ちょっと待て!何だそれ!」

「つまりこういうことです。つながってる数字なら、マークが何であろうといくらでも出していいんですよ。以後、このことはストレートと呼ぶことにしましょう。」

「あ、そういうことね!」

「面白いじゃない、あたしはこのルールのままでいいわよ。」

「成程、理解したよ。これの勝てる奴はいないよな?」

「私勝てるよ!」


春夏が自慢げに言う。

鼻歌を歌いながら、春夏が出したのは6から2のストレートだ。


「・・・まさか破られるとは思いませんでした・・・。」

「じゃあもう一回私ね。えーっと・・・。」


春夏の手札は残り三枚。何が出るかと思いきや・・・。


「2を3枚!これで上がり!やったー!大富豪〜♪」

「「「・・・。」」」


俺たち三人は愕然として踊っている春夏を見る。


「秋冬、あんたちゃんと切ったの?」

「お前も見てただろ?わざわざ床でバラバラにして混ぜたんだぞ?あれで混ざらないわけないだろ?」

「た、確かにそうだけど・・・。」

「もう過ぎたことだ、しょうがないだろ。それより、お前が相続するんだぞ?誰も勝てないんだから・・・。早くなんか出してくれよ。」

「うるさいわね・・・。はい、3を2枚。」

「じゃあ俺は5を2枚。」

「私は7を2枚で上がりです。」

「あたし9のペア。」

「・・・パス。」


そんな具合でゲームは進み、結局俺が大貧民だった。


「ま、秋冬ごときがあたしに勝とうなんて百年早いわね。」

「うるさいな、次は勝ってやるよ。交換ありだよな。」

「はい。だから、春夏さんに一番弱いカードと一番強いカードを渡さなきゃいけませんね。」

「了解。」


・・・さて、一応さっきのゲームで出たカードの順番は全部覚えた。

後は、並び替えるだけだな・・・。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「秋冬、ちょうだい。」

「ほらよ。」


俺は春夏に3とジョーカーを渡す。だが、これも作戦のうちだ。


「確か大貧民からスタートだったよな。」

「そうです。だから、秋冬さんからですね。」

「よし、じゃあ俺はこれで上がり。」


俺は得意げにそう言って手札を全て場に出す。

出したのは4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K、1、2。最初14枚だった手札も、春夏に渡したことにより12枚に減っていた。


「な、何ですかこれ!?」

「え、もう上がり!?」

「おう、もう上がりだ。どうした凛?俺には百年早いんじゃなかったのか?」

「く、屈辱だわ・・・。」


いやー爽快爽快!

俺はすっかり上機嫌だった。何よりも嬉しかったのは、凛を見返してやったことだ。

さらに爽快だったのは、この回の大貧民が凛だったということだ。


「あーもう!あたしもうこれやりたくない!」

「ガキか?」

「うるさい!秋冬は黙ってなさい!第一何よあれ!反則よ!」

「そうだな。イカサマだから。」

「・・・何ですって。」

「いやだから、イカサマ。」

「・・・秋冬さん、どういうことですか?」

「まあ見てな。」


俺はそう言って、手に持っているカードの一番上をめくる。スペードのAだ。

裏返し、カードを切り始める。しばらく切った後もう一度上のカードをめくる。


「あ、すごい!また一番上に来てる!」

「・・・卑怯です。」

「それより、そんな簡単にイカサマしてるなんてばらしていいの?」

「いいんだよ、タネがばれない限りイカサマじゃないってのが俺の持論だしな。」

「一番ガキなのは秋冬じゃない。そんなに勝ちに固執して。それにしてもうまいわね。」

「伊達に昔警察を騙したわけじゃないぜ?」

「誇れることじゃないでしょ?」

「・・・だな。」

「秋冬、もっと手品見せてよ!体真っ二つにしたり!」

「無理だ!そんなレベルの手品出来るわけないだろ!つーかそれ手品じゃなくてイリュージョンの領域だ!」

「いるーぞん?」

「・・・もう突っ込む気にもならん・・・。」

「でも私は見たいですよ、秋冬さんの手品。」

「あたしも。大富豪やるよりはマシでしょ。」

「お前がやらないとか言い出したくせにえらそうな・・・。」

「文句ある?」

「・・・ありません。」


結局、その日は俺の手品を披露するだけで終わった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「おじゃましました。」

「紅葉ちゃん、またね〜!」


外が暗くなり始めた頃に俺、春夏、凛の三人は紅葉と紅さんにお礼を言って紅葉宅を後にした。


「今日はこんなところでいいだろ?帰るか?」

「あたし疲れた。早く寝たいわ。」

「俺だって疲れたよ。今日は朝から長旅で疲れてたんだから。」

「私は疲れたけど楽しかったよ〜。」

「お前は本当にお気楽だな。毎日人生楽しいだろ?」

「まあね〜。」

「まあ、それは俺も同じだな。お前らといると退屈しないよ。」

「それどういう意味よ?」

「ん?別に深い意味はないよ。ただ不良高校生、バカ女、優等生、バカ男、ブラコン、超大金持ち、んで最後にお姫様体質。こんな友達が周りにいて退屈する奴なんかいないだろ?」

「バカ女って私のこと?」

「もちろん。」

「お姫様体質はあたしのことよね。」

「ああ。不良高校生は遅刻・サボりの常習犯の俺。優等生は紅葉、バカ男は時雨。ブラコンは涼美、超大金持ちは寒鴉。」

「こうやって見るとすごいわね。変な人たちばっかり。」

「それをお前が言うか?」

「何よ、悪い?」

「いや、別に。」


それだけ言うと、俺は少し前を歩く。後ろから、春夏と凛の話す声が聞こえる。


「ねえ凛ちゃん。」

「何?」

「どのくらいここにいるの?」

「さあ・・・。親が家を見つけるまで、かな?」

「え?だって凛ちゃん家あるんじゃないの?」

「ああ、聞いてないの?焼けちゃったの。」

「え!?火事?」

「うん。」

「じゃあこの近くに引っ越してくれば?そしたら私達は嬉しいし、凛ちゃんは秋冬の近くにいられるし。」

「な、何で秋冬が出てくるのよ!?」

「え?だって凛ちゃん秋冬のこと好きなんでしょ?」

「な、な、何言ってるのよ!?あ、あんな奴のことが好き?それは春夏でしょ!?」

「うん、そうだよ。」

「・・・っ!」

「何だ、勘違いか。私はてっきり凛ちゃんもライバルかな〜って思ったんだけどね。」

「・・・『も』?」

「うん。紅葉ちゃんもね、秋冬に告白してるんだよ。言わなかったっけ?」

「あ、あんな気の弱そうな()まで・・・告白したの?」

「そうだよ。で、今は競争中なんだ。どっちが先に秋冬の彼女になれるかってね。」

「・・・そうなんだ。」

「うん。あ、もう私の家だ。それじゃ凛ちゃん、秋冬、また明日〜!」

「おう、誘っといてなんだけど、ゆっくり休めよ。」

「は〜い!」


春夏はそう返事をして、玄関を閉めた。


「さて、じゃあ俺達も帰るか。凛、行くぞ。」

「・・・。」

「・・・どうした?」

「・・・何でもないわ。行きましょう。」


さっきの会話と凛の様子を見て、俺は昼間のことを思い出す。昼間、春夏が言ったことを・・・。

『もしかしたら凛ちゃん、秋冬の事好きなのかもよ。』

・・・もしかしたら、本当かも知れないな・・・。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ただいま〜。」

「お兄ちゃ〜ん!」

「うわっ!」


ドアを開けた瞬間に、涼美が飛んでくるのが見えたので、とっさに横に回避する。

凛も素早い反応で横に避けたので、涼美は外に飛び出し、顔を地面に強打した。・・・かなり痛そうだ。


「だ、大丈夫か?」

「ひ、酷いよお兄ちゃん・・・。何で避けるの?」

「いや、誰だって誰かが飛んできたら避けるだろ?」

「う〜・・・。お兄ちゃんの意地悪。」

「そんな理不尽な。」

「・・・そういえばさ、何で凛姉がいるの?」

「こいつの家が火事になって、うちにしばらく泊まることになったから。」

「あ、そう。久しぶり。」

「うん、久しぶり。・・・鼻血出てるわよ?」

「え?あ、ホントだ!お母さ〜ん、ティッシュ〜!」


涼美は上を向いたまま家の奥に入っていった。


「・・・ずいぶん雰囲気変わったわね、涼美。」

「だよな。前お前の家に行ったときはまだブラコンじゃなかったと思うんだけど。」

「そうよ。つまり、最近目覚めたって事ね・・・。」

「出来れば目覚めてほしくはなかったが・・・。」


しばらく玄関でそんな話をしてから靴を脱ぎ、家に入ってリビングでくつろぐ。

するとまもなく、母さんが涼美の後に続いて家の奥から出てきた。


「あ、秋冬、お帰りなさい。凛ちゃん、いらっしゃい。」

「冬美さん。これからしばらくお世話になります。」

「どうぞ。ゆっくりしていってね。」

「ありがとうございます。」

「そうだ母さん、凛はどこで泊まるんだ?」

「本当は客室で寝てもらおうと思ったんだけど、最近全然使ってなかったからすごく汚いのよ。だから掃除が終わるまで涼美の部屋か秋冬の部屋に泊まってもらうつもりなんだけど、凛ちゃんはどっちがいい?」

「ベッドが広いほう。」

「じゃあ秋冬の部屋ね。」

「いやいやいや、ちょっと待て!まず何で母さんは凛を俺の部屋で寝かせようとするんだよ!?まずそれは涼美の部屋で決まりだろ!?」

「大丈夫よ、秋冬はジェントルマンだから間違いは起きないわ。」

「いや、そうじゃなくて・・・。」

「少なくとも私はあなたをそんな風に育てた覚えは無いわ。」

「・・・。」


何故だか分からないが、ものすごい威圧感がある。

涼美がものすごい形相でこっちを見ているが、あえて見なかったことにする。


「とにかく、凛ちゃんはお客さんなんだから凛ちゃんの意見を優先します。と言うわけで、秋冬の部屋に決定ね。」

「・・・もう好きにしてくれ・・・。」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「・・・これで全部か?」


俺は凛の荷物を全て部屋に運び込んだ後、とりあえず凛と寝るための準備を始めた。


「うん。その一番小さい袋と一番大きいスーツケース取って。」

「袋?あ、これか。ほい。何が入ってんだ?」

「・・・ぬいぐるみ。」


凛がそう言って取り出したのは、ボロボロの熊のぬいぐるみだった。


「あ、それ昔俺が買ってやったやつじゃん。」

「そ、そうよ、悪い!?」

「何でそんなの持ってきてんだ?」

「ぬ、ぬいぐるみがあると安心するけど、新しいの買うと高いでしょ?だからしょうがないから使ってあげてるの!」

「・・・別に怒らなくてもいいだろ?」

「う、うるさい!とっととスーツケースも取って!」

「分かった。分かったから怒鳴るなって。」

「怒鳴ってないわよ。」


完全に怒鳴ってたが・・・そんなことを言い続けても埒が明かないので黙ってスーツケースを渡した。


「着替えるから外行ってて。」

「わ、分かった。」


俺は立ち上がり部屋を出て、ドアを背にして座り込んだ。

深いため息。別に凛が嫌いと言うわけではないが、それでもやっぱり凛の相手をするのは疲れる。

果たして俺の体力が持つだろうか・・・。


「秋冬、いいわよ。今度はあたしが出てるからあんた着替えなさい。」

「了解。」


今度は凛が部屋を出て、俺が部屋の中で着替えようとした・・・のだが。


「・・・凛。」

「何?終わったの?」

「・・・部屋を出る前に少しは片付けといたらどうだ?」

「・・・!秋冬、部屋出て!」


またもや俺は部屋を出る(追い出される?)羽目になった。


「・・・秋冬、いいわよ。」

「本当に?」

「うん。早く行ってきて。あたし早く寝たい。」

「はいはい。」


俺は部屋の中で素早く着替えて、凛を招き入れる。


「聞くまでもないが、お前はどこで寝るんだ?」

「あんたのベッド。」

「だと思ったよ。俺下から布団持ってくる。」

「先寝てていい?」

「ああ、いいよ。おやすみ。」

「うん、おやすみ。また明日ね。」

「ん。」


俺はもう電気も消えた家の階段を降りて、一階にある客室のドアを開ける。

電気をつけると、それはもう酷い有様だった。

物置のように使われていたのか、部屋の隅に色々な物が放り込まれている。

使わなくなった服から、何に使うか分からない妙なものまで様々だ。

成程、さすがにここには人を泊められないよなぁ・・・。

俺はあまりの酷さに苦笑して、クローゼットから昔使っていた敷布団を取り出す。

全員分のベッドがあるこの家で何のために使ったのかは覚えていないが、とりあえずあることだけは知っていた。

もう2、3年前のものだが、まだ使えるとは思う。

俺は敷布団だけ持って客室を出て、再び俺の部屋に向かう。

階段を上がるときは、まとめて持って上がるなどという愚かな事はしない。一度その場に敷き、一番上の部分を持って引きずって上がる。

汚くなるしあまりいい方法ではないが、階段を転げ落ちて怪我をするよりはマシだ。一人で運ぶときには最善の手である。

階段を上りきった所でもう一度布団をまとめ、部屋に入る。

中の電気は既に消えており、聞こえるのは凛の寝息だけ。


「本当に先に寝やがって・・・。薄情なやつ。」


小声でそう呟き、布団を敷き始める。

敷き終えてから気付く。


「・・・そういえば宿題やってなかったな・・・。」


そう。ゴールデンウィークだとはいえ、というかゴールデンウィークだからこそ出来るような宿題が出ていたのだ。

すっかり忘れていた。・・・が、


「・・・まあいいや。おやすみ。」


俺は目を閉じて、ゆっくりと夢の中へと旅立っていった。

作者「ついに20話突破!いや〜結構長かったなぁ。」

秋冬「まだたった20話だろ?もうちょい大きいことで喜べよ・・・。」

作者「お前はどうして俺が感動しているところに茶々を入れるんだ!」

春夏「まあまあ。それよりいい事あったからいいでしょ?」

作者「そう。やっと、やっと学校が終わった!これから夏休み!遊ぶぞ!」

秋冬「それはこの小説の更新速度が少しは上がるってことか?」

作者「残念ながらそれはない。」

秋冬「何でだよ?」

作者「夏休み中の宿題が出たからだ。」

秋冬「はぁ?アメリカの学校は夏休みで年度は終わりだろ?来年から新学年だろ?何で宿題が出るんだよ?」

作者「確かにそう。年度は終わった。進学する。でもな、俺は少しレベルの高いクラスに行く。そのためには宿題があるんだよ。何週間かかるか分からない位・・・。」

春夏「面倒だね〜。何でそんなことしたの?」

作者「謎。」

秋冬「・・・まあつまり執筆スピードは変わらないと。」

作者「申し訳ありませんがそういうことです。さすがに趣味を優先させることは出来ないからな。」

春夏「しょうがないね。でも執筆事態はするんでしょ?」

作者「まあ下がりもしないからな。今までみたいに一週間に一回くらいだな。」

秋冬「で、いつになったら事件が起こるんだ?これもともと推理小説だろ?」

作者「大丈夫だ。後2話以内には事件が起こる。・・・予定。」

春夏「こんないい加減な作者で申し訳ありません。」

秋冬「とりあえずもう結構長くなっちまったからこの辺でいいだろ。それじゃあ読者の皆様、これからもよろしくお願いします。それでは、また。」

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