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CASE FILE 2-02 : 第二の暗号

更新、こんなに遅れてしまい、本当に申し訳ありませんでした!

言い訳になりますが、聞いてくれるとありがたいです。

実は僕の学校は6月から夏休みに入り進級するので、期末テストが毎年この時期にあるのです。

で、今年は自分も高校に入ったので気合を入れて頑張ろうと思い、テスト勉強に励んでいるといつの間にかこんなに更新が遅れてしまい・・・。

前記の通りただの言い訳なのですが、一応理由があったと言うことはご理解ください。(サボってたわけじゃないですよ。)

とにもかくにも、やっと期末テストのパート1が終わったので今のうちに更新しておきます。来週から期末テストパート2が始まるので、また少し遅れるかもしれません・・・。

まだ発表が少しありますが、それはまたあとがきで。今は小説のほうをお楽しみください。

それではどうぞ。

「さあ、言ってもらうわよ。この暗号の答えを!」

「・・・なんで尋問みたいになってんだ?」

「とにかく、何でもいいから答え教えてよ。こんなに考えたんだから。」

「何が『こんなに』だ。ぜんぜん考えてるように見えねーよ。」

「とにかく分からないのは本当だ。潔く教えろ、秋冬。」

「それが人に物を頼む態度か!?」

「ま、まあまあ、秋冬さん落ち着いてください。私がちゃんと説明しますから。」

「紅葉ちゃんが説明してくれるの?よかった、秋冬はすぐに怒るからね。」

「こ、このヤロ・・・!」

「お、落ち着いて!春夏さんも挑発しなくていいですから!」

「・・・とりあえず教えてくれない?」

「だったら涼美さんも黙ってないで止めてくださいよ!」

「やだよ、面白いじゃん。そのままにしておいたら?」

「いやいや、それはだめでしょ!」

「ふ、風雪先輩、桜火先輩、落ち着きましょう!とにかくまずはこの暗号を解きましょう!」

「はあ、はあ・・・。わ、分かった。」

「まったく、秋冬は大人げ・・・!」

「春夏さん!」「桜火先輩!」「「黙ってください!」」

「・・・はい。」


いつも穏やかな二人に怒鳴られて、怯えきったように春夏は口を閉じた。その目にはうっすらと涙が浮かんでいる。

つーか、普段あんまり怒鳴らない紅葉が怒鳴ると・・・。


「恐い・・・。」

「秋冬さん、何か言いました?」


紅葉が無理に笑いながら俺のほうを向く。

だが、その眉毛はピクピクと動いていて、かなりイライラしているのは一目瞭然だった。


「いえ、何も・・・。」

「そうですか。私の聞き間違いですか。」

「ああ、多分・・・。」


恐い・・・。

今度は紅葉に聞こえたりしないように心の中で呟いた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「さて、じゃあ話を戻します。第一の暗号、その解読法と答えです。」

「やっと話が進んだね。で、どうすればこんなのが解けるの?」

「この暗号は先ほど秋冬さんが言ったように代用法の暗号です。」

「でも矢印の方向に動かしても何にも分からなかったじゃない。」

「何も動かすのは一文字とは決まってないんだよ。この前は簡単なのでよかったから一文字だったけどな。」

「じゃあ何個動かすの?」

「・・・三つか。」

「え、時雨君分かったの!?」

「ああ。この紙の大きさ、おかしいと思わないか?この暗号を書くだけなら別にこんなに細長い紙じゃなくてもできる。」

「そういえばそうね。」

「涼美ちゃん、紙の大きさ覚えてる?」

「え?うん、3センチと33センチ・・・あっ!」

「え、何!?何なの!?」

「こんだけ不自然に『3』が並んでる。つまり、鍵の数字(キーナンバー)は3だ。」

「あ、なるほど。ってことは・・・。」

「そう、『やれふめよろげも』を3つ左に動かすと・・・。」

「・・・『むらのまもりがみ』。『村の守り神』!」

「そう。つまり二つ目の暗号は・・・。」

「分かった!その『村の守り神』さんが持ってるのね!」

「・・・は?」

「・・・春夏姉ちゃん、そうじゃないと思うよ。」

「え〜!?絶対そうだよ!」

「まあ、あながち間違っちゃいないけど・・・。正確には『村の守り神』が住んでる場所さ。」

「それって・・・お寺!お寺の中!」

「御名答。」

「分かった!解けた!よし、早速次の暗号を探しに行くよ!」

「まあ落ち着けって。別に急がなくても暗号は逃げねーよ。」

「私は早く暗号を見てみたいの!」

「分かったよ・・・。じゃあ行くか。」

「やった!」

「今から行くんですか?私は持ってきた荷物なんかをまとめたいんですけど・・・。」

「そういえばまだやってなかったな。じゃあ二手に分かれるか。俺と紅葉が次の暗号を、紅葉、時雨、涼美、寒鴉は荷物まとめといてくれ。」

「え、私はできたら秋冬さんと一緒に行きたいんですけど・・・。」

「荷物をまとめたいって言ったのはお前だろ?じゃあどうするんだ?俺は一人しかいないぞ?」

「そ、それは・・・。」

「いいよ、まとめるのは私達でやってるから、紅葉姉ちゃんも一緒に行ってくれば?」

「い、いいんですか、涼美さん?」

「別にいいよ。私器用じゃないからうまく出来るかわからないけどね。」

「そ、そうですか?それじゃお言葉に甘えて行ってきます。ありがとうございます。」

「うん、どういたしまして。それじゃ、いってらっしゃ〜い。」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「さて、じゃあ早速始めようか。」

「・・・なあ、風雪。」

「何?」

「なぜ紅葉を行かせたんだ?お前も秋冬のことが好きなのだろ?」

「え!?す、涼美ちゃんってブラコ・・・!」

「あ〜!言わなくていい!分かってるから、自分でも!・・・私としては、義兄妹とかそういう関係でいたくなかった。もし私達がそういう関係じゃなかったら、私のことを春夏姉ちゃんや紅葉姉ちゃんみたいに見てくれたかもしれないから。でも、義兄妹って関係はどうやっても断ち切れない。だったら早いうちに諦めて、違う恋をしたほうが賢明なんじゃないかなって思ってね。確かにお兄ちゃんが私をそういう風に見てくれないのは悲しいし、ちょっと苦しい。でも、義妹として義兄の幸せを願う。私はそれも一つの愛の形なんだと思うな。『それは単なる逃げ』って考える人もいるかもしれないけど、私にはそれしか出来ないと思う。だから、それも一つの答えだと私は信じたい。」

「風雪・・・。」

「涼美ちゃん・・・。」

「・・・な、何か辛気臭くなっちゃったね!この話はおしまい!早く荷物の整理しちゃお!」

「う、うん、そうだね。先輩達が帰ってくる前にやらないと!」

「そうそう!さ、時雨兄も手伝って!」

「・・・ああ。」


「・・・俺はいつでもいるからな。」


「ん?時雨兄、何か言った?」

「いや、なんでもない!さ、やるか!」

「お、張り切ってるね!さっさと済ませちゃおうか、適当にやって。」

「だ、ダメだよそれじゃ!ちゃんと綺麗に整理しないと!」

「・・・そうだね、どうせならビックリするほど綺麗にして、皆を驚かせちゃお!」

「よし、やってやる!大掃除、開始だ!」

「おー!」

「・・・あれ?荷物の整理じゃないんですか?」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「えっと、お寺はどこだっけ?」

「ここからちょっと歩くな。五分くらいか。」

「海とは逆方向ですね。」

「何だ、残念。せっかくだから泳ごうと思ったのに。」

「人に荷物まとめを任せておいて遊びはひどいんじゃないですか?」

「とりあえず寺に向かおう。紙と鉛筆と巻尺持ったか?」

「持ったよ。でもなんで持ってかなきゃいけないの?暗号持って帰ってくればいいじゃん。」

「わざわざ場所を指定したってことは、その場から動かせない可能性も少なからずあるからな。いちいち宿に戻って道具持ってまた行くのは面倒だろ?」

「あ、そういうこと。」

「さ、じゃあ行きましょうか。」


俺達は二つ目、つまり最後の暗号があるはずの寺へと足を進めた。


「それにしても、何で暗号は普通に『寺』って書かないでわざわざ『村の守り神』って書いたんだろう?」

「たぶん短すぎるんだよ。『寺』ってのは二文字しかないだろ?この村にある二文字のものは少ない。もしその暗号が場所を示してるなら、二文字の場所をしらみつぶしに探せば暗号を解かなくても次に進めちまうだろ?だからあえて八文字にしてイカサマ防止+難易度アップを図ったんだろ。」

「ほう、なかなか賢いの。」

「うわあ!」


突然後ろから声がしたので、驚いて少し飛び上がってしまった。

慌てて振り向くと、杖を突いているおじいさんの姿が目に入った。


「君達が寒鴉が連れてきてくれたお客さんだね?鴉から聞いておるよ。」

「は、はい。あの、あなたは?」

「これは失敬。わしは冬枯 寒三郎ふゆがれかんざぶろう。寒鴉の祖父じゃよ。」

「じゃあおじいちゃんがここの村長さん?」

「よく知っておるな。まあ、この村の名前を聞けば誰でもピンと来るか。」

「初めまして、今日からしばらくこの村でお世話になる風雪秋冬です。」

「同じく星河紅葉です。よろしくお願いします。」

「私、桜火春夏!おじいちゃん、よろしくね!」

「最近の子供は礼儀正しいの。こちらこそ、よろしく。さっき聞いたが、暗号が解けたようじゃな。」

「ええ、一応最初の奴は解けました。今から次の暗号を見に行くところです。」

「ふむ・・・。一応、答えを言ってもらってもいいかの?」

「もちろん。最初の暗号の答えは『村の守り神』、つまり寺ですよね。」

「うむ、合格じゃ。寺といっても廃寺じゃがな。」

「そうなんですか?」

「うむ。鍵は空いておるから、勝手に出入りしてくれて構わんぞ。」

「そうですか、ありがとうございます。・・・あ、そうだ。村長さん、一つ聞きたいことがあるんですけど。」

「何じゃ?」

「村長さんの家から今俺達が泊まってる宿に続く道に、墓があるじゃないですか。あれっていったい何のための墓なんですか?」

「おお、あれか。あれは数年前村の外れにある崖から転落して死んでしまったこの村のジジィの墓じゃよ。」

「そうなんですか・・・。」

「気の毒にな・・・。あいつはまだわし等に比べて若かったというのに。咎められるようなことも一切していなかったのに、なぜそんなことになってしまったのか・・・。今でも分からんよ。」

「・・・。」

「まあ、気にせんでくれ。ただ、後で花か何かを供えてくれるとあいつも喜ぶし、わしもありがたい。やってくれんか?」

「もちろんですよ。」

「ありがとう。それじゃ、暗号頑張っての。最初の暗号はたった一ヶ月で考えたもの。二つ目のは五ヶ月丸々使って考えたんじゃ。簡単には解けんぞ?」

「望むところですよ。」

「幸運を祈る。」


最後に一言それだけ言って、村長さんは俺達の元を後にした。


「・・・帰りに花でも拾っていきますか?」

「そうだな。」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「うわあ、大きいね。」

「そうか?普通の寺と同じくらいだと思うけど。」

「とりあえず中に入ってみましょう。」


俺達は足を進めてとりあえず中に入ってみたはいいものの・・・。


「・・・何にもないな。一応仏像ならあるけど。」

「暗号どこだろうね?」

「床に刻んであるこれじゃないですか?」

「え、あったの?どれどれ・・・。」

「ん〜?」


俺、春夏、紅葉は三人揃って床に刻んである暗号らしきものを見る。

そこには四角が刻まれており、中にはこう書いてあった。


いろはにほへと

ちりぬるを

わかよたれそ

つねならむ

ゐうのおくやま

けふこえて

あさきゆめみし

ゑひもせす


「「い・・・いろは歌?」」

「いろは歌?何それ?」

「今ある『あいうえお』が出来る前のあいうえお見たいなもんだよ。」

「分かったような分からないような・・・。」

「お前本当に高校生か?」

「し、失礼ね!立派な高校生ですよ〜だ!」

「・・・言動から頭脳までどれをとっても小学生にしか見えないのは俺だけか?」

「あ〜き〜と〜!これ以上私をバカにすると怒るよ!」

「分かった分かった!悪かったよ!」

「全くもう!さ、早くこの暗号のことメモしようよ!」


春夏はすっかり機嫌を損ねたらしく、足でドスドス音を立てながら作業にかかった。


「・・・安心してください、私もそう思いますから。」


紅葉が春夏に聞こえないようにボソッと呟いた。


「やっぱりそう思うよな?」

「まあ思わないといったら嘘になりますかね。」

「よかった、俺一人じゃなくて。さて、そろそろ手伝いに行くか。あいつに全部やらせたら悪いし、第一間違えそうだ。」

「・・・酷い言い様ですね。」

「事実だからな。」

「秋冬、早く手伝ってよ!この暗号たぶん2メートル以上あるから一人じゃ計れないと思う。」

「分かったよ、今行く。ほら、紅葉も早く来い。」

「あ、はい、分かりました。」


全員で協力して、俺達は暗号の寸法などを測った。結果、

縦:212.1センチ

横:212.1センチ

素材:木(廃寺の床)

こんなところだ。


「・・・。」

「今回寸法はあまり関係ないみたいですね。」

「あ、秋冬、この柱にも何か刻んであるよ。」

「やっぱりな・・・。なんて書いてある?」

「えっと・・・。」


い.ちにゐてらんをわすれず

ろ.おんなのちゑはあとへまわる

は.もうこのゆうよするはほうたいのせきをいたすにしかず


「・・・何これ?」

「諺だな・・・。でもなんでこんなもの?」

「秋冬さん、こっちの柱にもありますよ。」

「なんて書いてある?」


ろ10ろ3ろ9は7ろ9は14は11い5は10は14は14は14は22ろ6ろ10ろ6


「「「・・・。」」」

「何ですか、これ!?全然分かりませんよ!」

「三つも色々あって、どれが暗号何だかさっぱりだね。」

「いや、たぶんこの三つは全部暗号だよ。それも全部何らかの形で共通してる。」

「そ、そうなんですか?」

「ああ、でも今は何をしていいか皆目見当もつかない。相当難易度高いぞ、この暗号。さっきのとは比べ物にならないほど。」

「う〜ん、じゃあ私達が解くのは無理っぽいね。秋冬、よろしく!」

「少しは自分で考えろよ・・・。」

「だって私バカだもん。」

「それは否定しないけどな。」

「あ、秋冬さん!そこは一応形だけでも否定しないと・・・。」

「紅葉ちゃ〜ん?形だけでも、ってどういうことかな?」

「あ、す、すみません!つい口が滑って・・・!」


おお、珍しい。紅葉が自爆した。

春夏が紅葉を追いかけ始めた。まあ、あいつらの運動神経の違いなら紅葉はすぐに捕まるだろうな。

さて、そんなことはおいといて、この暗号。

小さな村とはいえ、五ヶ月かけて作った暗号だ。簡単に解けないのは分かっていたが・・・。


「結構きついな・・・。一週間で解けるかどうか・・・。」


正直に言って、時間が足りないかもしれない。

でも、一応俺にも『名探偵』としてのプライドがある。

この勝負、負けてたまるか!


「春夏、紅葉、帰るぞ!さっさとこの暗号を解いて、村に人たちをアッと言わせてやる!」

「お、秋冬張り切ってるね。どうしたの?」

「は、はあ・・・はあ・・・。し、死んじゃいますよぉ・・・。」

「・・・何したんだ?お前。」

「何でもない何でもない。さ、花摘んで帰ろ。」

「あ、ああ・・・。紅葉、大丈夫か?背負ってやるよ。」

「お、お願いします・・・。すみません・・・。」

「ま、いつものことだから気にしないけどさ・・・。それにしても、本当に大丈夫か?いったい何されたんだよ?」

「い、いえ、本当になんでもないです・・・。」

「・・・分かったよ、言いたくないなら言わなくていいよ。さ、行くぞ。」


俺は虫の息の紅葉を背負い、春夏と肩を並べて寺を後にした。

皆さん、暗号は解けましたか?

さて、前書きで書いた発表です。

実は僕は今、小説をもう一つ書こうとしているんです。

ええ、ええ。こっちのほうもろくに更新していないのにもう一つ書くなんて出来るわけないだろ!と言うツッコミが来るのも分かっております。

ですが、安心してください。書く小説と言うのは連載小説ではなく短編小説の予定ですので、一時的に更新が遅れるだけでその後はペースを戻します。

大まかなストーリーは出来ているので、それほど時間も掛からないと思います。

出来れば、そちらも読んでくれるとありがたいです。

ちなみに、タイトルは全く考えていないので、読んでくれる方がいるなら左側にある「同一作者の作品」からお願いします。(もちろん、まだそんなものはありませんが・・・。)

こんな作者で申し訳ありませんが、少しだけ僕のわがままに付き合ってもらえるとありがたいです。

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