LIFE
掲載日:2019/03/07
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アスファルトを刻むタイヤ
高速で走る車体は風を引き裂き
前方への視界は一つの点となる
何もかも全てがその一点から弾け飛び
花火のように拡がり後方へと消えてゆく
とてつもないスピードで進む車体
エンジンは叫び声を上げて過換気に酸素を取り込み
マフラーからは火が吹き出している
心臓は高鳴り目蓋を細める
ハンドルを握る両手には汗
息も出来ない程の孤高と恍惚の中
背後から迫るアイツ
コーナリングでの僅かなミスが
またアイツを近づけてしまう
僕はアクセルを踏みしめる
淀み歪むアイツは
いつも僕を追いかける
漆黒の形はニヤニヤと笑っている
追い越されるものか
忍び寄り肩に腕を回して
低い声で囁きかけるかのように近くに
そう…
アイツは僕であり
僕はアイツなのだから
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