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講義②『プロット』と『ネタ作り』について

〇前書き

 講義③以降は実際に小説を作りながらやるので投稿が遅れますん。

 いやー、なんか疲れた。

 ちゃんと自分の考えが伝わることを祈りますん。


 まず前提として以下のことを踏まえてください。


●講義②~⑥は平行作業で行なうことを論じます。

●講義②、③とその中の前半であるほど優先順位が高いと思われます。

●講義の前半作業から完成していくことを推奨します。


 以上です。




 それでは講義②を始めます。

 講義②では『プロット』と『ネタ作り』を説明します。


 『プロット』は「シナリオを制作するための参考資料」のことです。これはどういったものを用意すればいいのかということについて語ります。


 『ネタ作り』はそのままシナリオで使う〈ネタ〉を作る作業の説明です。ちょっとしたコツなどが書かれています。




 それではまず『プロット』とその作成作業について説明します。


 この『プロット』は「シナリオを制作するための参考資料」です。さらに言えば「シナリオ制作においてプロットは創作者の既知の情報に等しいもの」と定義しています。〈試作プロット〉〈試作シナリオ〉はそれぞれの「未完成品のようなもの」「サンプル」といったものを言います。


 『プロット』は「そのシナリオ制作に対応した既知の情報を形にする」という目的のために作成されます。つまり「シナリオ制作に必要な情報の塊」でなくてはなりません。


 我々は「知識やアイディアなどの既知の情報」がなければ「シナリオ」を書くことはできません。これがないままシナリオを書くことは算数を習わずに「200×199」の数式を解けと言っているようなものです。


 算数や数学といった学問が「既知の情報」として頭にあるからこそ「200×200=40000。そこから200引けばいいんだよ」というように解答や説明ができます。この「算数や数学の知識」に値するものが『プロット』となります。TVゲームなどで言うなら「攻略本や攻略サイト」に該当するでしょう。


 小説やマンガで「筆が止まる」という人は「書くネタがない」=「制作するシナリオの既知の情報が足りない」からこのような事態に襲われてしまいます。「勇者が魔王を倒すシナリオを書きたい」となっても「それに至るまでの過程を描くために必要な既知の情報がない」ので筆が止まるわけです。


 また、創作本などでは「深い知識や幅広い知識を持っていなければならない」といったことが書かれていたりします。これは正確な事実ではありません。

 国語のテストで点数を上げたいのに数学の勉強をしても点数は上がりません。数学の勉強をしていても効率のいい農業をすることはできません。国語のテストなら国語、効率のいい農業なら農業の知識というように「対応した知識が必要」になります。


 ネットや創作本でいくつもの「設定を作るためのテンプレ」などがありますが、ああいったものはあくまで参考として使いましょう。あれは「制作するシナリオのために用意したプロットではない」からです。あれをそのまま埋めただけでは「制作したいシナリオに対応する既知の情報として不充分なもの」です。


 必ず「作りたいシナリオに合わせたプロットを作成する」ように心掛けましょう。その『プロット』がシナリオ制作に必要な創作者の既知の情報となります。


 また「広い知識を持っていても制作したいシナリオに必要な既知の情報がなければクソの役にも立たない」ことは覚えておきましょう。


 筆者が『プロット』に必要なものだと考えているのは以下のものです。中身の詳細は後の講義で行ないます。



①『企画書』

②『ストーリー構成』

③『キャラクター設定』

④『世界観設定』

⑤『描写構成』



 この五つが含まれています。

 この『プロット』の作成手順は以下の通りです。



①創作者の「対応する既知の情報」を元に〈試作プロット〉を作成する

 必要があれば〈試作シナリオ〉も作る。

②『プロット』「シナリオ」を制作できる部分を把握する。

③〈試作プロット〉〈試作シナリオ〉を分析し不足部分を把握する。

④〈ネタ〉を加えて「対応した既知の情報」を補強する。

⑤「対応した既知の情報」で〈試作プロット〉を修正する。

⑥以降、②~④を創作者が満足するまで行なう。

 満足したら『プロット』が完成。

⑦『プロット』が完成したら執筆作業に移る。



 という手順で『プロット』を完成させます。


 この「対応した既知の情報」というのは「アイディア」「知識」「制作に必要な情報」といったものが該当します。足りなさ過ぎて『プロット』が作れない場合はまず『ネタ作り』から始めるといいでしょう。


 この『プロット』を作成する作業では「不足している既知の情報を把握する」ことが大切です。そのために〈試作プロット〉〈試作シナリオ〉を作ってそれを分析します。そうして「既知の情報で制作できる部分と不足している既知の情報を把握」します。


 『プロット』の作成中や〈試作シナリオ〉の執筆などの際には「制作作業が止まった場所が必要な情報が不足している場所」という認識を持っておくといいでしょう。

 また「クオリティが低いので修正したい」と感じた部分も不足した部分と同じ扱いをすればよいと思います。


 不足している部分を認識したらそこを埋めます。そうすれば『プロット』が完成してシナリオを制作できるようになります。


 何で埋めるかというなら「創作者の既知の情報」です。この「不足している既知の情報」を「アイディア、閃き、情報収集などで補強する」ことを行ないましょう。


 そして「補強された既知の情報でプロットを修正」すれば良いのです。


 具体的な例を上げるとこんな感じです。



【例】

「勇者が○○を倒して世界が平和になる」

「このままではストーリー①が書けない」

  ↓

「○○が不足している」

「○○」=「魔王」「国王」「聖女」などのアイディアを出す。

「既知の情報」に「魔王」を加える。

  ↓

「勇者が魔王を倒して世界が平和になる」

「ストーリー①が完成する」



 といったイメージです。この作業を後の講義で論じる『企画書』『ストーリー構成』などで細かくやっていくことが『プロット』の作成作業になります。




 では次に『ネタ作り』を説明しましょう。


 この作業は「プロットを制作するため、創作者の既知の情報を補強する」ことが目的となる作業になります。

 簡単に言うと「アイディア作り」「情報収集」などをします。そうやってたくさんのアイディアや知識などの中からシナリオに相応しいものを選びます。


 この中から選ばれたアイディアなどが〈ネタ〉と定義しています。


 この〈ネタ〉を「創作者の既知の情報に追加することで補強する」ことを行ない「不足した部分のせいで制作できないプロットやシナリオを制作できるようにする」のが『ネタ作り』の作業目的となります。


 そのため『ネタ作り』は「既知の情報を補強できるものを作る作業」になります。〈ネタ〉を組み合わせたり精査したりするのは『ストーリー構成』や『キャラクター設定』などを作成する際に行ないましょう。


 この『ネタ作り』の手法は主に二つあります。



【①】

「頭の中から知識を引っ張り出し、アイディアを発想する。そのアイディアの中から適切なものをネタとして選択する」

【②】

「情報を取り込んでそれをアイディアとする。あるいは情報を元にアイディアを発想する。このアイディアの中からネタを選択する」



 こういった方法で「シナリオに必要な既知の情報を補強」をします。

 それでは①から説明しましょう。


 頭の中から知識を引っ張り出すには〈拡散的思考〉を生かすことが大切です。「なんでもいいからたくさんアイディアを作る」ことが最初の作業になります。そのため思考の意識としては「収束:拡散=1:9」という極端な配分が良いと思われます。


 そうやって出てきたアイディアの中から〈収束的思考〉を使って「たくさんのアイディアの中から制作するシナリオにふさわしいネタを選択する」ことをしましょう。


 具体的なやり方は色々あるので、自分に合うやり方を見つけることが大切です。「マインドマップ」や「論理的思考」などを使えばいいでしょう。


 筆者の例を上げます。「勇者が魔王を倒すシナリオ」の『ネタ作り』をするとします。「マインドマップ」の中心に「○○な魔王」や「勇者が○○する」などを書き、連想するものを書いてみます。



【例1】

○○な魔王=狡猾、貪欲、娘に激甘い、野心高い、妙に人情家。

狡猾で○○な魔王=猫好き。犬好き。趣味が家庭菜園。

【例2】

?=勇者が○○を仕掛ける。

?=魔王が○○を妨害する。

?=勇者が目的を達成する。魔王が△△する。

○○=魔王の支配地を解放。魔王の娘をなりゆきで誘拐。

△△=軍団長を集結させる。イライラするが、他にやることがある。

【例3】

?=勇者が聖剣を手に入れようとする情報が入る。

?=狡猾な魔王は○○をする。

?=△△が発生する。

○○=信頼する娘の進言を取り入れてスパイとして送り込む。

   軍団長を送り込む。幹部を送り込む。聖剣を破壊するため部下を送る。

△△=魔王の娘が勇者に篭絡される。

   軍団長が敗れる。聖剣が破損する。



 などです。「○○」「△△」を必要に応じて広げたり狭めたりして「アイディア」を出していきます。


 このように「狡猾」「貪欲」「魔王の娘を篭絡する」といった言葉や文章が「アイディア」となります。この中から「ふさわしいアイディアをネタとして選択する」のです。あるいは「使うかもしれないものも選択する」といいでしょう。〈ネタ〉は「明らかにいらないと判断できたときに捨てればいい」のです。


 続いて②の「情報を取り込んでそれをアイディアとする。あるいは情報を元にアイディアを発想する。このアイディアの中からネタを選択する」を説明します。


 これは単純に情報を手に入れれば良いのです。インターネットや図書館で自分が必要そうだと感じたものを調べて情報を探します。

 

 適当にネットサーフィン、アニメやマンガなどの鑑賞をしながら、思いついた言葉を「小メモ」に〈キーワード〉として記録しておくことも有効です。その〈キーワード〉を元にネット検索などを行なうと良いでしょう。


 またこの〈キーワード〉は①の作業で思いついた「狡猾」「貪欲」「魔王の娘を篭絡する」などを〈キーワード〉として扱うことも有効でしょう。辞書で調べれば詳細な意味が出てくるのでそこから「アイディア」を手に入れることも期待できるし、「魔王の娘を篭絡する」シーンがある参考作品に辿り着けたりする可能性もあるからです。


 上記のように作った〈ネタ〉や〈キーワード〉はそれぞれ「大メモ」で分類して整理しておくことをお勧めします。『ストーリー構成』「各キャラクター」「検索用」などと言った感じです。分類できないものなどは「未整理」としてまとめるといいでしょう。


 以上が『ネタ作り』の説明です。ここで作った〈ネタ〉を使ってプロットを作成していきましょう。


 これで講義②は終了です。

 お疲れさまでした。

 


〇後書き

〇講義②『プロット』と『ネタ作り』について簡易まとめ〇

●シナリオ制作は専用の「既知の情報」がなければ制作できない。

●『プロット』は「そのシナリオ制作に対応した既知の情報を形にする」ことを

 目的として作成する。

 つまり「シナリオ制作に必要な情報の塊」でなくてはならない。

●『プロット』は制作するシナリオ専用のものを作成するべし。


●『プロット』には以下のことが含まれている。

 ①企画書 ②ストーリー構成 ③キャラクター設定

 ④世界観設定 ⑤描写構成

●『プロット』の作成手順は以下の通り。

 ①創作者の「対応する既知の情報」を元に〈試作プロット〉を作成する

  必要があれば〈試作シナリオ〉も作る。

 ②『プロット』「シナリオ」を制作できる部分を把握する。

 ③〈試作プロット〉〈試作シナリオ〉を分析し不足部分を把握する。

 ④〈ネタ〉を加えて「対応した既知の情報」を補強する。

 ⑤「対応した既知の情報」で〈試作プロット〉を修正する。

 ⑥以降、②~④を創作者が満足するまで行なう。

  満足したら『プロット』が完成。

 ⑦『プロット』が完成したら執筆作業に移る。


●『プロット』の作成作業において大切なことは

 アイディアなどの「不足している既知の情報を把握する」こと。

●「不足している既知の情報」は「アイディア、閃き、情報収集で補強する」。

 「補強した既知の情報」で制作中の『プロット』を修正するべし。


●『ネタ作り』は「創作者の既知の情報を補強する」ことが目的である。

 「アイディア作り」「情報収集」などを行なう。

 つまり「既知の情報を補強できるものを作る作業」になる。

●たくさん作ったアイディアなどから相応しいものを選択する。

 それが〈ネタ〉である。


●ネタ作りの主な手法は二つ。

【①】

「頭の中から知識を引っ張り出し、アイディアを発想する。そのアイディアの中から適切なものをネタとして選択する」

【②】

「情報を取り込んでそれをアイディアとする。あるいは情報を元にアイディアを発想する。このアイディアの中からネタを選択する」


●頭の中から知識を引っ張り出すには〈拡散的思考〉が大切。

 とにかくアイディアをたくさん出そう。

●具体的な方法は自分に合う方法を見つけたほうが良い。

 例としては「マインドマップ」「論理的思考」を行なうなど。


●情報収集は必要だと思ったものを調べればよい。

●適当にネットサーフィン、アニメやマンガの鑑賞で思いついた言葉を

 〈キーワード〉として記録しておくのも良い。

 それを使って検索を行なう。

●頭の中から引っ張り出した知識などを〈キーワード〉にするのも良い。

 例:「狡猾」「貪欲」「魔王の娘を篭絡する」など。


●〈ネタ〉〈キーワード〉は「大メモ」などで分類して整理しておくとよい。

 例として「ストーリー構成」「各キャラクター」「未整理」など。

 この「未整理」には分類できないものなどをまとめてぶっこむ。


〇内容の修正について〇

 特にありません。  


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