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議題③「そのセリフがゴミなのは、きみのセンスを引き出せていないだけだ。練習でどうにでもなる」

 お久しぶりにしょうもない投稿をしますよー。

 pvをちょこちょこ見るんですが、ときおり謎の増加を確認して困惑してます。


 それと本文はちょっと散文的で重複してる部分があると思います。

 そこは華麗にスルーしてくれると幸いです。


 それではどうぞ。

 参考になったら幸いです。


 では議題③を始めましょう。

 今回は以下のことを論じますね。


①「代表的なダメ台詞は読者に対する説明だけをするやつだ。代表的な良い台詞は、キャラクターからキャラクターへ発信する台詞や、キャラクター性が含まれている台詞だ」


②「良い台詞を書くには、台詞を描写するシーンや攻勢を整え、キャラクター性を含めた上で、キンカンの法則を利用するとよい」


③「良い台詞が書けないのは作者にセンスが存在しないからではない。ただの練習不足か、理論を知らないだけだ」


 以上です。

 それでは始めましょう。



 まずは「①代表的なダメ台詞は読者に対する説明だけをするやつだ。代表的な良い台詞は、キャラクターからキャラクターへ発信する台詞や、キャラクター性が含まれている台詞だ」ですね。


 小説や映画などの娯楽作品を漁っているとダメな台詞というものを見かけますよね。細かく分けるといろいろとあると思いますが、あえて言うなら「説明臭い台詞」がダメな台詞の筆頭候補になるのではないでしょうか。


 なぜ「説明臭い台詞」が存在するのか。


 その原因は単純です。作者が親切心で読者に何らかのこと|(ストーリーや状況の説明、心情の説明など)をわかりやすく説明するために、キャラクター性を放り投げてしまったり、キャラクター同士の会話などの劇中の出来事であることをすっぽり忘れてしまっていたことでしょう。


 つまりダメな台詞である「説明臭い台詞」は「キャラクターの台詞が、読者への直接的な説明としか解釈できなくなっている」という事態に陥っているのだと思います。


 そりゃいきなりそこらのおっさんがね、人間同士の会話の途中でね、目に見えない何かに対して説明を始める姿を想像してみてください。あるいはすでにそれを知っている人に対して、いきなり懇切丁寧な説明を始めてしまう姿とかでもいいです。


 不気味以外の何者でもないでしょ?

 その不気味さが「説明臭い台詞」への拒否感の正体だと筆者は考えます。


 そのため、解決策の一つとしては「説明的な台詞を使っても何の問題もない状況で表現する」というものがあるでしょう。


 例えを出すなら「状況を全て把握しているキャラクターが、そうでないキャラクターへ状況の説明をする」などですね。商業作品で例を出すならガンダムやゴルゴ13などの作品で顕著に、その使用例が出て来るのではないでしょうか。


 特にゴルゴ13にはわかりやすく「ゴルゴ13に依頼者が狙撃の依頼をする」というシーンがありますね。これのおかげで「キャラクターからキャラクターへの説明」という形へ簡単に持っていけます。こういった形での「状況の説明をする台詞」は「説明臭い台詞」になりにくいです。


 なぜなら「作者から読者に対して、状況や心情などの説明をする描写」を「依頼者からゴルゴ13に対して状況などの説明をする台詞など」に偽装できるからです。後者のようにうまく偽装できれば「説明臭いという不自然さ」は消せるでしょう。


 このように「説明的な台詞を使って、状況や心情、ストーリーの流れなど読者に説明したいなら、それが不自然にならない形で状況やキャラクターなどを整えれば良い」が作者の持論の一つになります。


 と、ここまで書いたところで違う問題点も見えてくると思います。


 例えば「適切なシーンで使ってるのに、どうしても書いた台詞から説明臭さを拭えないことがあるんだけど?」という問題点です。


 当然そうなってしまうことはあります。

 そんな時には台詞を書き換え、キャラクター性を含めてみましょう。


 例えば「核戦争により荒廃した地球において、貧乏ながらなんとか村として生活している集団に、ごつくて武器を所持した強盗の集団が襲撃してくる」というシーンがあるとします。


 この時にどうしてもモブキャラの強盗に――


「食料と水を奪えー! 村人を皆殺しにしろー!」


 ――のような台詞を書かなければならないとします。


 これが説明臭いと感じたら、このモブにちょっとしたキャラクター性が含まれた、だいたい同じ意味になる台詞へ変更すれば良いのです。「気性」「性格」などが滲み出るような台詞であれば、まず説明臭さは失われるでしょう。


 というわけで変更してみましょうか――


「ヒャッハー! 汚物は消毒だーッ!!」


 ――はい。北斗の拳という作品の有名なモブの台詞を引用してみました。


 どうでしょうか。説明臭さはどころか、作品に存在するモブ悪党のゲスっぷりを感じ取れるほどではないでしょうか。


 少しでも「特定の対象」や「似通った思想を持つ集団」が言いそうな台詞であれば、嫌でも人間性を感じるというわけです。


 それを感じ取れるような台詞であれば「説明臭いという不自然さ」は自然と解消されるのではないかと思われます。



 続いて②「良い台詞を書くには、適切にキャラクターや状況などを整える、キャラクター性を含めり、キンカンの法則を利用するとよい」です。


 ②では①のことを前提に、実際にはどのように作業し、どのように良い台詞になっているかを確認すればよいかを語っていきます。


 ①でも述べましたが、良い台詞を書くにはまず、物語の構成やシーンを厳選、調整を行ないましょう。例えばこんな感じです――



「状況を説明する台詞=人に依頼する、商談をする、上司に現状を報告する、など」

「キャラクターの心情を説明する=恋愛相談をする、酒を飲んで愚痴る、キャラクター同士で感情的に口論する、など」

「キャラクターが目的を説明する=脱出のための協力を要請する、警察官が犯人の動機を推測する、好きな人に告白するため内心で気合を入れる、など」



 ――と、このような感じです。特に特定のタイミングで「特定の説明的な台詞をどうしても言わせたい」となるならキャラクターの状況を少しでも改善しましょう。


 また状況だけではなくキャラクターそのものの行動を変化させるのも良いです。例えばキャラクターの心情を語らせたいのに「普通の会話」という行動で微妙であるなら、「お酒を飲んで酔いながら話す」という行動に変更するなどが良いでしょう。こうすれば酔っぱらいの本音なのでドストレートに心情を語らせるのも不可能ではありません。


 それらを踏まえたら、台詞には積極的にキャラクター性を含めるよう、常に意識して書くようにするといいでしょう。「思想」「性格」がにじみ出るものはもちろん、「嘘をつくときの口癖」や「ジョークでよく使う言葉」などを設定しておき、それを含めるという手段も優秀です。


 例えば、キャラクターに「ジョーク言葉=蛇」ということを設定しておくだけでも――



「きみにはまだ脱皮するための努力が足りないようだね?」

「きみはもう蛇に睨まれた蛙だよ、諦めたまえ」

「戦場での脱皮、おめでとう。これできみも一人前の戦士だ」



 ――という台詞を書くことができ、読者に発言したキャラクターの人間性を感じることができるかもしれません。また蛇という動物に詳しければ勝手に「蛇好きだから本人の性格も慎重なのだろう」などと勝手に想像してくれる可能性もあります。そうなれば儲けものです。


 ちなみに「ジョークワード=蛇」を抜くとこうなります――



「きみにはまだ努力が足りないようだね?」

「きみ、もう諦めたまえ」

「おめでとう。これできみも一人前の戦士だ」



 ――どうでしょうか?

 後者は「誰でも言いそう」と感じる幅が広がり、人間性が薄れたと思いませんか?


 ただし、注意したいのは「短い台詞やキャラクター性のない台詞の全てがダメというわけではない」ということです。


 おそらく本編で語ったと思いますが、読者に対するキャラクターの設定は知識として蓄積する性質があります。蓄積の条件はもちろん「その時点でいかにキャラクターのことを知識として知っているか」であるため「物語の中盤や終盤になれば、読者は相応の設定を知っている状態になる」ということです。


 その状態ならどんな短い台詞でも強烈な人間性を感じ取れるし、大きなカタルシスを与えることができ、時には名台詞と呼ばれるものにさえなります。


 それがわかりやすい作品だと、私がぱっと思いつくのは「ターミネーター2」という映画ですね。


「いいや、まだだ――ここにある」|(指で自分の頭を指す)


 と、少し台詞はうろ覚えですが|(ここにある、は言わなかった気もする)、物語の最後、強敵であるロボットのターミネーターを倒した直後、味方であるターミネーターが主人公の少年に言う台詞があります。


 この台詞自体には大したキャラクター性はありません。しかし一時間三十分という長い時間によって蓄積された様々な設定を前提に、味方のターミネーターというキャラクターが発したことにより、とんでもない人間性やカタルシスを生み出す台詞に変貌するわけです。


 映画を見た人は上記の台詞をこんな感じで勝手に解釈すると言っていいです――



「いいや、まだだ|(俺というロボットの任務はきみを守ることだ、友よ)――ここにある|(きみが幸福な人生を歩むことに、ターミネーターは必要ない。俺を殺せ。そうしてようやく、きみを守るという任務は完璧に達成されるのだから)」



 ――とまあ、こんな感じです。

 正直、これでさえ超控えめな表現です(断言)。

 もっとあるだるぉおおお!? と迫られたら喜んでハイって言いますよ。


 このように、短い台詞には短い台詞で適切な使い方というものがあります。どんな台詞にもキャラクター性を含めろ、というわけではないことには十分注意しましょう。

 

 さて、ここまでは意識の問題とも言えます。

 次は具体的な技術面について言いましょう。


 技術としてぜひ習得しておきたいのは「キンカンの法則」という法則を駆使した表現法ですね。これを習得するだけで印象的な台詞を書きやすくなり、書いた台詞が印象的であるかをチェックすることもできます。


 この「キンカンの法則」というのは落語や漫才で使われる法則ですね。これは「緊張から緩和に移ったときに人はなぜか笑ってしまう」という法則です。だからキン(緊)カン(緩)の法則。詳しくはぜひ検索して調べてみると良いでしょう。


 この法則、実は笑いだけではなく悲しみ、怒りといったことを感じさせるのにも使われたりします、わかりやすい例だと「皮肉による嫌味」で使われていますかね。


 どういう仕組みかをわかやすく説明すると――



・緊張=情報を受け取る。ただしそのままでは理解できないので、想像や推測などを行なって考える・

「はて? その情報はどういう意味だろう? あれか? これか?」

 ↓

・緩和=想像や推測により、情報と隠された情報を把握する・

「ああ! そういうことか! 本当はそれを言いたいのか!」

 ↓

・反応=情報を完全に理解し、例えが上手などと感じて、笑いなどが発生する・

「なんという遠回しwwwクソワロタwww」



 ――という仕組みが、情報を受け取る側である視聴者に発生しているわけです。これが落語や漫才で使われる「キンカンの法則」です。


 そして例に出した「皮肉による嫌み」は最後の反応が「なんちゅう嫌な奴や」となるように受け手側へ情報を与えればいいということになります。もちろん反応を「なんて悲しいんや……」となるようにすればそれは悲しみというもの――カタルシスになるわけです。


 つまり技術というのは「台詞という情報を受け取った読者にキンカンの法則が発動するようにする」ということになります。


 どうして有効なのかというとまず「緊張」の部分に注目してください。

 ここで「想像」「推測」などの、考える、という行動がります。


 これは受け手が「情報を理解するために深く考える」=「想像を膨らませてより正確なニュアンスを受け取る努力をする」=「関連しそうな情報を頭から引きずり出す」ことを行なうのです。


 またこの「緊張」では当然、思い出すという行動も含まれます。つまり「それまで理解したキャラクターの設定など」も改めて思い出すという行動も含まれます。この時に思い出される知識が多いと、「反応」で大きな笑いなどが起きることに繋がるわけです。本編で語ったと思われる「設定は多いほどカタルシスは増幅する」の現象とよく似ていますね。


 そして「緩和」です。


 ここで情報を整理し「本当に伝えたい情報」=「隠された情報」を見つけ出します。そうすると「最初の情報」と「隠された情報」という二つの知識を結び付けた上で、改めて情報を理解するのです。


 そして「反応」で「直接受け取った情報、頭から引きずり出した関連する情報に対して、巧妙やおもしろいなどと感じ取ったら、笑いや悲しみなどが発生する」というわけです。それが皮肉による嫌味だったら嫌味を感じることになります。


 もちろん、この法則を使ったからといって必ずしも笑い、悲しみ、嫌味などが起きるわけではありません。相手は人ですから、その人の好き嫌いや知識レベルが大きく影響します。直前の状況なども影響が大きいです。


 例を出すと、幼稚園児が下ネタで笑えるかって言ったらそんなのほぼ無理でしょうし、下ネタそのものが嫌いなら笑わせようとしても笑いなんぞ起きないというわけです。


 状況でいうなら「あなたの拳銃でお願い……」という台詞が死に際の台詞かベッドイン直前の台詞かで変わるのは言うまでもないと思います。反応で発生するのが笑いのつもりが悲しみだったなんてなったら、それはそれで問題になるわけです。


 そして重要なことですが、この「キンカンの法則」は名台詞に対して効果を発揮してることが非常に多いと、私は考えています。


 ぱっと例を出すだけでも――



「ヒャッハー! 汚物は消毒だぁーッ!」

「なにをするだぁあああああ!?」

「別に――アレを倒してしまってもかまわんだろう?」

「俺は……一人の軍隊だ」



 ――などがありますかね。

 ちなみに出典は上から「北斗の拳」「ジョジョの奇妙な冒険」「fate」「ゴルゴ13」です。


 どれもこれもその台詞が出た作品を読んでたら、何が言いたいのかを理解するのは簡単ですし、いろいろな情報も沸き上がります。むしろ大して知らなくても「ああこれが言いたいんだな」からの「クソワロタww」「このー強がっちゃってえ」「見た目通りの悪党でいっそ惚れ惚れする」とか思っちゃうレベルですよね。


 ジョジョのあれは元が盛大な誤字なんでちょっと特殊かもしれませんが、感情の荒ぶり感が逆に膨れてるように感じるからすごい。それまで描かれた主人公像と絶妙にマッチしているから想像を掻き立てさせられるんですよね。


 ちなみにこれ、あえてキンカンの法則を発揮させないようにしてみると――



「村人を皆殺しにしろー!!」

「なにをするんですかぁああ!?」

「殿は私が務めよう」

「M16は俺にとって最適の銃だ」



 ――うーんこの……我ながら台詞から全く想像力を刺激しませんね。

 実際にこれをキャラクターに話させたら寒いものになりそうです。


 原因としてはキンカンの法則を発動させないようにしたことで、「緊張」という部分がなくなり、受け手に考えさせる、という行動を促さないようになっているからでしょう。


 だから必要以上に自分の知識と関連させることもないし、なにより「せっかく描写したキャラクターの設定を思い出させないようにしている」ようにも感じます。まあ人間ですからね、ちょっと意識しなかっただけで物事はすぐ忘れてしまいますから。


 そのため、どうせ台詞を書くなら「キンカンの法則」が発動する表現ができるように、描写力を鍛え、知識を蓄えておくと良いでしょう。


 薄々わかってると思いますが、「キンカンの法則」を発動させること自体は簡単です。「情報を受け取った直後は理解できないけど、考えたらすぐに理解できるようにする」ことをすれば発動します。


 知識レベルが違ったり、難解すぎる表現のせいで理解されない場合などは発動しません。そこのところは注意しておきましょう。


 それから補足ですが、お笑いでいう「ツッコミ」がありますよね?

 

 あれはお笑いにどんな役割があるのかというと、観客――受け手側の「緩和」の行動を補助するという役割があります。代表的な「なんでやねん!」「それは○○やろ!」は観客に「このように情報を理解してみてください。ね? 笑っちゃうでしょ?」とさせるのです。


 この「ツッコミ」は地の文や台詞に応用できます。


 例を出すと「俺は……一人の軍隊だ」というゴルゴ13の台詞の直後に発する、死に掛けの敵対キャラが内心で呟いた台詞でしょうか――



「そうか……っ! やつがM16という欠陥銃に拘るのは……体格に合う、不測の事態に対応できる……特殊な狙撃に対応できる……その全ての要求に、最も応えてくれるから――」



 ――というような台詞|(詳細は忘れたがこんな方向性の台詞だった)です。


 これを発したシーンは「死の間際、敵対キャラが知りたかったことをゴルゴ13の台詞を聞いたことで完全に理解する」というシーンです。このように偽装して「ゴルゴの台詞への緩和を促すために、敵対キャラがツッコミをする」という図式にもなっているわけですね。


 だから多くの読者はすんなり「ああなるほどそういう……さすがプロフェッショナルやで」と感嘆する、という「反応」をするわけです。


 

 次に③「良い台詞が書けないのは作者にセンスが存在しないからではない。ただの練習不足か、理論を知らないだけだ」です。


 上記を踏まえるとうすうす気づいたと思いますが、良い台詞、名台詞を書くことは誰でもできそうと思いませんか?

 

 筆者は誰でもできると思います。


 それができないのは単に「理論を知らずに感覚で台詞を書いて表現に失敗している」「台詞を書くための知識やネタが足りない」「想定する読者層などと大きくずれてしまっている」「その台詞では想起できる情報が少ない」ことが考えられます。


 良い台詞を書きたいならぜひ上記の理論を参考にして練習してみましょう。

 少なくとも無策でやみくもに良い台詞を書くという行動よりははるかにマシです。


 実際の練習としては――


「物語の進行度、シーンやシチュエーションに相応しい台詞であるかを検討する癖をつける」

「キャラクター性を含める台詞をサクッと書く練習をする」

「キンカンの法則を意識した表現を練習する」


 ――などでしょうか。


 それと「キンカンの法則」ですが、緊張を発生させればそれでいいので、それが長い必要はありません。ほんの一瞬でも「ん?」と緊張すればそれで充分です。むしろ長すぎると受け手が緩和に移行できず「なに言ってんのかわかんねーなこれ」となり、受け手側が理解を諦めることにもなりますからね。注意しましょう。


 それでは最後に私個人の練習方法をやってみます。読者の皆さんも自分なりの方法で試してみるのがオススメ。


 まずは適当なシーンや状況を考えます。そしてあえて面白くない台詞を考えます。物語でありがちな台詞、説明的な台詞、むしろ説明臭い台詞でもいいでしょう。この台詞を土台にして、良い台詞へ書き換える、そういう練習をするわけです。


 練習で意識することは「上記で説明した理論を意識する」「書き換えてほぼ同じ意味になるようにする」ことです。またいくつも台詞を書くならば「かっこいい主人公」「ツンデレヒロイン」とかを描き分けてみるのもいいでしょう。


 そして可能ならば、その状況に相応しく、自分の好きな名台詞を他作品から例文を持ってきておくのもいいでしょう。自分の書いた台詞と比べてみるのも面白いでしょうね。


 で、実際に練習用に素材を用意してみます――



・状況・

「敵|(人数、強さなどの指定なし)に追われている絶体絶命の状況。そこで味方の一人が殿を務めるため、主人公とその仲間(仲間はいてもいなくてもオケイ)に対して、殿役の味方が一言を放つ」

・土台となる台詞・

「みんな逃げろ! 私が足止めをする!」

・例文=フェイトのアーチャーから・

「別に――アレを倒してしまっても構わんだろう?」



 ――これが素材になります。

 では台詞を書き換えてみましょう――



・ツンデレ女の子・

「おら行けトンカチ野郎っ! ここで愚図るからトンカチ野郎なんだぞ! いつもの嫌味が聞きたくねーならはよ走れやトンカチィ!! ――ったく面倒かけやがって。ま、好きって口にするよりは簡単だったか」

・剣豪・

「殿ぃ? 違うな、これから始めるのは千人斬りさ。ほら、とっとと行きやがれ」

・親分系な姉御さん・

「子分を守るのも親分のや・く・めっ!! さ、おまえらは逃げろ逃げろー!」

・合理主義者、守銭奴・

「足止めに必要なものは私の命だけ。安上がりで大変結構。あとは任せたぞ」

・姫を守る騎士・

「殿を務める! これも騎士の誉れであります! 姫様はただ、我の勝利を願われたし!」



 ――こんな感じで練習します。


 ついでにこれと似たような形で、シンプルな台詞を良い台詞、名台詞にするにはどうすればよいかという練習、もしくは研究の方法もやってみましょうか。


 まずは素材を用意します――



・土台となる台詞・

「死ね」

・生み出すカタルシスによって起きる読者の反応・

「『ww 辛辣ぅ!』や『わかりみが深い』など笑いや共感を引き起こすもの」



 ではこの効果を発揮するために必要な物を考えます――



・台詞を読むまでに、知っておきたい設定やストーリーなど・

「学園ラブコメ。主要人物は高校生。主人公(男)、ヒロイン(女)、ヒロインの親友(女)、など他多数が登場する」

「土台の台詞を発したのはヒロインの親友。鈍感な主人公への言葉」

「親友が、ヒロインの主人公へ告白の現場を見た。ヒロインは恥ずかしがり屋のツンデレとは言え、かなりストレートな告白だったのに鈍感主人公は見事に総スルー。告白後、ヒロインは泣きながら走って現場を去った」

「親友はあらかじめヒロインから相談されてた。ヒロインはアドバイス以上に頑張っており、何ら非はない。親友はそう考えている」

「鈍感は鈍感でもちゃんとした告白なら大丈夫そうと、親友は考えていた」

「主人公にはこんな鈍感になってしまった原因の過去がある」


・笑いを補助するツッコミの台詞や行動・

「待ってくれ。そんないきなり殺人予告っておかしいだろ?」

「鈍感は時に人を傷つける……その悲しみを癒すためなら仕方ないのさ」

「憎しみは……何も生まない……何も生まないんだ……っ!」

「憎しみの発生源が言うんじゃねーっ!!(→ボディブローをする)」



 ――とこんな感じで練習、研究をします。

 

 こういった形で練習すればおのずと結果はついて来るのではと筆者は考えます。

 少なくとも無策で感覚だけで書いちゃうよりもね。



 以上で講義③は終了です。

 お疲れさまでした。


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