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概要と重要単語一覧

■基礎編の概要■

このエッセイは「小説や脚本を書きたいから注意点が知りたい」「作った小説を見直すため、なんらか参考になるものや確認したほうがいいことの基準がほしい」といったユーザーの方々を対象としたエッセイとなります。


基礎編の講義は①~④に分けられています。


講義①~③は「シナリオをどのように作れば娯楽作品としてユーザーに認められるのか」「設定や描写などのシナリオの仕組みはどうなっているのか」ということについて、筆者の考えを論じています。


講義④は「ジャンルとはなんぞや?」「ユーザーがどういう基準で駄作と良作を区別するのか」「おもしろい、クオリティが高いなどと言われるにはどうするべきか」などということについて、筆者の考えを論じています。


それぞれの講義において重要な単語には『シナリオ』と〈骨格ストーリー〉といったようなアイキャッチャーを使用しています。前者は基礎的な理論、後者は基礎から派生した理論だと考えてくれれば読みやすいと思います。


このエッセイは筆者が考えた創作論です。一般のものとは解釈が異なるものも出てくると思います。ご了承ください。


以下に基礎編で使われる重要単語が簡単に書かれています。見直したい時などに利用してください。しかしすべての説明を詰め込め切れていないので注意してください

また「」はできるだけ外すようにしています。






■講義①の重要単語■

『創作者』

『シナリオ』を作った人を指す。

「小説やマンガの作者」「アニメや映画の監督」などのこと。


『ユーザー』

シナリオを理解して楽しむ消費者を指す。

「小説やマンガの読者」「映画やアニメの視聴者」など。


『ストーリー』

ストーリーは「物語の最小単位」である。

内容は「キャラクターが問題を起こし、キャラクターが問題に対処し、その結果が生まれる」と定義している。「」の中のいずれかが欠けたらストーリーとして成立しない。

ストーリーが不成立であった場合、ユーザーは「評価ができない出来損ないの作品」として扱うしかない。


〈Ⓣ+Ⓢ=Ⓐ〉

ストーリーを数式のようにして表現したもの。「Ⓣ=問題発生 Ⓢ問題への対処 Ⓐ=結果」というように当てはめる。

このⓉやⓈを行なうキャラクターは人物だけでなく現象なども含まれる。例として地震、津波、時間などが該当する。ⓉやⓈを行なうキャラクターは同一のキャラクターでも構わない。

またⒶは別のⓉやⓈに置き換えることができる。「Ⓐ1=Ⓣ2」「Ⓐ1≒Ⓣ2」などとして表記できる。


『シナリオ』

筆者の考える「シナリオ」とは創作者やユーザーが「単独のストーリー」または「複数の繋がったストーリー」を指定してまとめたものである。

筆者はこれに「キャラクター」「世界観」「描写」を加えて小説やマンガなどの作品にしたものも「シナリオ」としている。

シナリオとシナリオを繋げるには「世界観」「キャラクター」が共通しており、その二つのシナリオを繋げる「ストーリー」が必要になる。


〈骨格ストーリー〉

シナリオは「複数の繋がったストーリー」であるため、我々は複雑な『シナリオ』を強引にまとめて1つのストーリーにすることができる。筆者はこれを「骨格ストーリー」と定義している。

創作者は『シナリオ』をすべて理解しているため最初から「骨格ストーリー」を作ることができる。

対してユーザーは小説やマンガを読むといった行為で「1つ1つのストーリーを理解」しながらシナリオを理解する。そのため「ユーザーの骨格ストーリー」はシナリオをすべて理解するまで変化を続けていく。

同じシナリオを読んで骨格ストーリーを作った場合、最終的に創作者とユーザーの骨格ストーリーは同じものか似通ったものになる。明らかに異なる場合は「そのシナリオに欠陥がある」と考えてよい。





■講義②の重要単語■

『キャラクター』

ⓉまたはⓈを発生させる人物や現象のことである。ストーリーを成立させる「特例ルール」として考えることもできる。

例として「勇者」「地震」「時間」などがある。

ストーリーがあるならそこにキャラクターも必ず存在する。


『世界観』

キャラクターがⓉやⓈを行なう前提条件のようなものとしている。例として「宇宙空間」→「歩けないので移動は飛ぶ、浮遊する」などと強制される。ストーリーを成立させるための「共通ルール」と考えることができる。

世界観もストーリーと共に必ず存在する。


〈感情〉

「成立したストーリー」がユーザーに生み出すもののこと。例として「共感」「絶望」「感動」といったものを指す。

「シナリオ」や「骨格ストーリー」も同様にユーザーに〈感情〉を生み出す。キャラクターや世界観の曖昧さを取り除くと〈感情〉は大きなものになりやすい。

ただし「物語が破綻している」などの創作者に対する批判などはこれに含まれない。





■講義③の重要単語■

『設定』

設定はキャラクターや世界観を形作るものである。例として「容姿」「人格」「地形」「世界情勢」などが該当する。

設定は「ストーリー」「キャラクター」「世界観」と共に必ず存在する。これは大きく2種類に分けることができる。「基本設定」と「改変設定」である。

また設定は常に改変されるものである。


〈基本設定〉

ストーリーが進行する前に存在する設定のこと。


〈改変設定〉

基本設定がストーリーから発生したその結果により変化した設定のこと。「基本設定+ストーリーの結果=改変設定」などと表記できる。

1つのストーリーが発生するたびに誕生する。



『描写』

地の文や会話文、映像などでストーリーをユーザーに説明すること。

描写をされなければ「ストーリー」「キャラクター」「世界観」「設定」は存在することができない。

この描写はいつでもどこでもどんな表現をしてもよい。

描写の種類に「隠蔽描写」「不足描写」「補強描写」「偽装描写」といったものも存在する。

また難しい表現、伏線といった複雑な構造は「読解力」や「感受性」といった「ユーザーの資質」に高い要求をすることに繋がる。

描写はユーザーの資質を意識することを心掛けるべきである。


〈隠蔽描写〉

描写していないのに描写と同様の効果を持つもののこと。

ユーザーの推測したキャラクターの心情などが該当する。


〈不足描写〉

不足描写とは「創作者が意図的に内容を不足させた描写」のこと。意図的でない場合は〈不足描写〉には含まれない。ただの描写不足。

例:「名探偵コナン」の「犯人の黒いシルエット」。


〈補強描写〉

すでに描写された「ストーリー」「設定」などを、それ以後の描写で補強すること。


〈偽装描写〉

創作者が嘘や偽りの「ストーリー」「設定」などを描写すること。

代表的なものとして、序盤で「男性と描写されたキャラクター」が後半で女性だったと判明する描写があった場合、「」のものが「偽装描写」となる。


「伏線とどんでん返し」

伏線、どんでん返しは、ユーザーが以前に理解したシナリオに対して、以後の描写により全く異なるシナリオを理解しているかのように錯覚させる描写技術のことを指す。

上記は主に隠蔽描写と補強描写によって行われる。対象となるシナリオの骨格ストーリーはこの描写以後に激変してしまう。それに伴って骨格ストーリーがユーザーに生みだす感情も大きく変化する。

これが原因でユーザーは別のシナリオを理解するように錯覚してしまうのである。



■講義④の重要単語■

『ジャンル』

ジャンルは分類法という1種の整理方法出る。整理である以上、ユーザーごとにやり方が異なる。

ジャンルを細かくしていくと最後は作品ごとにわけられる。「作品はそれぞれが別個のジャンル」である。


『ユーザー評価点』

ユーザーが自分で整理した「ジャンル」ごとに持つ評価基準のこと。

これを「クオリティ」が上回ることで作品が「おもしろい」と評価される。

ユーザー評価点は「好きなジャンル」「あまり知識のないジャンル」は低くなりやすい。

逆の場合はもちろん高くなりやすい。

また作品の『ジャンル』が「ユーザーの資質」とあまりに離れていると

「作品のクオリティ」が『ユーザー評価点』を超えられなくなることもある。

大きく〈最低評価点〉と〈満足評価点〉にわけられる。


〈最低評価点〉〈満足評価点〉

前者は良作と認められる基準。これ以下は駄作、あるいは凡作。

後者は名作と呼ばれる基準のこと。


『クオリティ』

作品の質のこと。

ユーザーは感情を求めてシナリオを消費する。

そういったことを考えると「クオリティ」は「シナリオがユーザーに感情を与える際に、即効性、与える感情の大きさと回数、シナリオの理解しやすさが総合的にどれだけ優れているか」がクオリティの高さとなる。

ただしこれより『ユーザー評価点』のほうが評価基準として優先される。

そのため一般的に「おもしろい」と評価される作品とは『クオリティ』が高い作品ではない。「おもしろい」と評価される作品は「クオリティがユーザー評価点を超えた作品」である。




■基礎編のまとめ■

『シナリオ』は『ストーリー』『キャラクター』『世界観』『設定』『描写』などによって『シナリオ』の成立や『クオリティ』が決定される仕組みになっている。

そうして制作された『シナリオ』が「対象となったユーザーの利益をどれだけ満たせているか」によって『クオリティ』が決定される。

ユーザーは自分が整理した『ジャンル』ごとに存在する『ユーザー評価点』を使って『シナリオ』を評価し、駄作、良作、名作などという評価をする。



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