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第七話

作者 oga

 腹はそれなりに満たされたが、これからどうすりゃいいんだ?

俺たち2人は、川に並んで体育座りをし、途方に暮れていた。


「……」


 手にした石を何気なく投げる。

ポチャン、という音が虚しく響いた。


「……釣り竿があればな」


「釣り竿、ですか」


 桜井さんは立ち上がり、地面を探るようにして、辺りを徘徊し始めた。

棒なら簡単に見つかるかも知れないが、糸がねーよな。

あと、エサ。

エサと言えば、釣り堀で芋虫みてーなのを使った記憶があったが、ああいうのでいいのか?


「竜崎さん、寝るとこどうします?」


 日が暮れ始めていた。


「どこかに洞穴でもあればいいんだけどな」


「洞穴、ありますよ」


 桜井さんが指差した先に、それはあった。

どうやら、さっき釣り竿の道具を探したついでに見つけていたらしい。


「中、入ってみるか」


 その前に、イノシシを焼いた時に使った火を枝に点し、慎重に中の様子を伺いながら、足を踏み入れた。


「……魔物がいる気配はないけど」


「良かったー! 私、木の枝もっと持ってきます」

 

 桜井さんは枝を集めに、一旦外へと出た。

俺は、地面に腰掛け、松明を地面に置いた。

そして、何気なく上を向いた。

モンハンなら、天井にモンスターが張り付いてたりすんだけどな。


「分かんないか」


 薄暗くて、よく見えない。

念のため松明を掴み、天井に掲げてみる。

天井はとげとげした岩肌で、モンスター所か、コウモリ一匹いない。


「大丈夫か。 ……ん?」


 松明を下ろした際、壁に何かが描かれているのを見つけた。

腰を上げて、更に近づいて確認する。

そこには、3人の人が描かれていた。

人はそれぞれ、片手に剣を、片手に石の破片の様な物を持っている。

顔は奇妙なことに、半分は人、半分は怪物のようだ。

その3つの絵の下には、古代文字みたいなものが、数行に渡って記されていた。


「象形文字か?」


 すると、背後からガラガラガラ、という音がした。


「それ、アトラントラ文字ですよっ!」


 驚きの余り、桜井さんは抱えていた枝をぶちまけてしまったらしい。

てか、アトラントラ文字? 


「読めるのか?」


「私、大学の専攻が古代文字だったんで。 しかも、卒論でこの文字について研究してました」


 桜井さんは、ブツブツと何かを唱えながら、その文字の解析を始めた。


「かつてこの地で、王位を競い、3つの族の長が争った。 しかし、お互いがお互いに呪いをかけ、醜い姿と化した。 もしどなたか親切な方がいたら、3人の呪いを解いて下さい。 そしたら、彼らの手にしている石をあげます。 3つの石がひとつになった時、失われた王国へと、あなたを導きますので。 byアトランティス王」


 ……どゆこと!?

 

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