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第十六話

作者 oga

 ここは、結婚式場か。

俺は確か、桜井さんの結婚式に呼ばれたんだ。

丸テーブルに座り、壇上にいる花嫁姿の桜井さんを見る。

そして、その隣に座るのは、トカゲだ。

ディスプレイには、魔物の島で戦った時の写真が、スライドショーで流れる。

颯爽と立ち回るトカゲ、弓を射る桜井さん。

その場に俺もいたハズだが、ピンボケしてたり、足しか写ってなかったりだ。

ああ、あの時、もう少し頑張れていたら……







「……さん、竜崎さん」


「……はっ!?」


 たき火の前で、俺は目を覚ました。

夢、だったのか。


「こんな所で寝たら死んじゃいますよ! それに、トカゲさんの話じゃ、この先にこの洞窟の主がいるとのことです」


 ……一気に現実に引き戻された。

そうだ、これから、ここの主と戦わないといけねーんだった。

もし、ここで活躍出来なかったら、あの夢が現実になっちまうかも知れない。

絶対にゴメンだ。

トカゲの引き立て役なんかにされんのは。

俺は、井上主任から貰ったこの新しい槍で、トカゲを逆に出し抜かなきゃならない。







 この洞窟に入る前、井上主任が俺の元に来た。


「ちょっと、用足してくるわ」


 洞窟の手前で休憩中だったが、2人とも談笑していて、俺のことなんか気にもとめてない。

クソッ。

雪道を進み、ズボンを下ろしてブリブリやっていると、突然、雪の中から主任が現れた。


「この先に住む魔物は、かなり手強い。 この槍を使って戦うんだ」


「い、井上主任!?」


 突然過ぎて、出かけてたうん〇が引っ込んじまった。






 

 新しい槍を握りしめ、洞窟を進む。

広い空間に出た。


「キヲ、ヒキシメーロ」


「気を引き締めろ、と言っています」


 いかにもボス部屋っぽいし、何かが出て来そうな雰囲気だ。

すると、目の前にイノシシが現れた。


「……あれが、主か?」


 イノシシは、蹄を地面にこすり、こちらに突っ込んできた。

槍を構える。


「……!」


 次の瞬間、横の壁をぶち抜いて、何かが現れた。

巨大な恐竜、ティラノサウルスみたいな魔物だ!

めちゃくちゃでけぇ!


「ひ、ひぃっ」


 俺は、思わず情けない声を出し、尻餅をついた。

や、やばい……


「しゃ、しゃくらいひゃん、逃げ……」


 その時、トカゲが叫び、軽快に動き出した。

足には、斧!?

トカゲは、斧の刃を足の裏に装着し、スケートの要領で恐竜に接近した。


「グルアアアアアアーーーッ!」


 恐竜は、おぞましい声を上げ、トカゲ目がけ腕を振り回す。

あんなもん、かすっただけで病院送りだ。

トカゲはジャンプし、激しく回転、恐竜に強力な一撃を見舞う。

 俺は、さっき見た夢を思い出した。

このままトカゲにばっかり、活躍させるわけにはいかない。

俺は、主任から貰った、虫操棒を構えた。

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