また『使えないスキル』ですか?そうですか…。
13。
ズオ…オォオ…オオオ…オォ…オォォ。
……怨霊達の呻き声がする。
そして…。
゛爬痾唖唖唖痾唖唖唖唖唖…唖唖…痾唖痾唖唖唖唖唖…唖痾唖唖唖唖唖……゛
………ス、スターマの口から奇々怪々な声と…。
……吐き気を催しそうなリアル映像と吐瀉音みたいな吐出音が…。
…大量の怨霊怪異と共に吐き出されている!
滝のように!
…そして、それらは……お………《俺》の…。
…顔の上に!!
正に、外道!
悪魔の所業であり断固抗議し、場合によっては裁判も辞さぬ覚悟ですよ!
いやいやいや!
いっくら腹に据えかねた事があっても、人の顔…。
……ぬ、ぬいぐるみのプリチーフェースに亡者をブチ撒けやがるなんてっ!
それに!
こ、この…やや粘りのある液体みたいな感触は、まさしくゲ○でしょう?!
お、《俺》!
まだ、異世界生活半日くらいなんですけど!?
何で、こんな会ったばかりの悪霊ヤン女に ヒドい目に合わされないとならないんですかねー?!
…ねー?!……ねー…………ね……………ぇ…………。
………そんな《俺》の、青年の主張も虚しく…。
遠慮も容赦も…何らの呵責もなく吐瀉物は顔面にバシャバシャ浴びせ掛けられ、有るのか無いのか分からんMPみたいな『大切な何か』を削り続けられている…。
そう…《俺》は無力だ…。
ただ この空間に…そして、この時間に在って この暴虐という事象を、現実を『諸行無常』として悟り切るしか無い…哀れなる存在なのだ。
…はあ………………セツナイ。
……しかも、ぬいぐるみ仕様の…樹脂製らしき円らな《俺ズ》アイには目蓋という高度機能の実装など無く…。
…よって、見たくもない状景…。
……いやさ惨状を見続ける事を強要される、哀れなぬいぐるみの姿が…そこにはあった…。
………ぐうぅ。…とにかく…。
…スターマが吐き出したゲ○…じゃなくて、怨霊たちは その辺をウロウロしている。
その数、既に20体ほど…。
今のところ…。
騒いだり、通行人に悪さをするような不穏な気配はない。
………まあ、今《俺》が受けてる仕打ちが十二分に不穏当な為、《俺》の分析や精神の健全性を保証する根拠には欠け、甚だ自意識自体に疑問が残るところだが…。
………しかし、まあ。
゛…烏腐、訃腑腐腐腐腐腐腐腐腐訃腑腐腐腐腐腐腐訃腑腐腐腐腐腐腐訃…゛
何故かスターマは、とても嬉しそうに…かつ、おぞましく笑っている。
笑い続けている…。
………顎関節症や脱臼が心配になるほどに。
…楽しそうですね?スターマさん。
まあ…人には色々あるからな、溜まってたのかな? ストレスとか、霊とか。
あ、人じゃなくて〈生霊〉か(本人曰く)
……いや、本体が生きているなら(これも本人曰くだが)……人間かな?
それに……。
……何だ?…さっきから…?
…………………………………………………………………………………………。
……ん?
…あれ?
何か……………この状況…。
……怖くない、のか?
…って言うか、段々どうでも良くなって来た気が……する?
…………………………………………何で?
……………………何か…また変な『耐性スキル』でも発動したのか?
……はん…またですか、そうですか。
…今度は何です?
前は、『空腹?耐性』だったよね?
………………………………………………………………………………………。
……分かった分かった、はいはい。
毎度お馴染み、自問自答のお時間ですね?
そうですね。はいはい、自分の脳ミソで考えますよー。
………ぬいぐるみですけどね。
目も瞑れない、縛りがキツ過ぎて顔も背けられない、ナビ妖精さんも出てくる気配なし、オマケに逆さまのまんま…。
正直、身銭切ったゲームなら『こんクソゲーがあああ!!』ってアパートの壁に投げ付けるレベルの不条理な環境ですわ、ホンマに…。
……………ふう、さて。
………発動?のきっかけは…………何だ?




