悪霊女の怨霊発揮!
12。
『西大陸冒険者ギルド 北部統括本部』
………………………………はあ。
とうとう来たな…。
…言い訳のしようもない『異世界仕様』が…。
゛…あの、何故かは知りませんが…ご愁傷様です゛
はいはい…。
…って、まだ居たの?…この娘は。
早く帰らないと、お家の人が心配するよ…?
゛大丈夫です。一人暮らしですから……それより、私に帰って欲しいみたいな素振りは止めて下さい…゛
…いや、姿が見えない生霊と話してたら…。
また、ローテにぶっ飛ばされーの踏み潰されーので非常に迷惑なんスヨー…。
…だからー。
…………………………去れ、悪霊よ!!
゛ひ、酷いです! そんな本気で言霊を乗せて罵るなんて?! 反則です!゛
なー、帰ってくれよー。
゛………う……うう、そんな事して本当に退散させられたらどうするんですか?!私の気持ちは?!
…な、哭きますよ、私?! いいんですか?!゛
…え?いや、何だ…その…………………すうっ…とする。
゛……み、ミタさん?! 貴方とうとう形振り構わずの言動に出られましたね!? 私に臨界点を突破させてしまいましたね?!゛
……………………で? いつ帰るの?
すると、スターマは眼鏡のズレを直し…。
゛!………そうですか………………呪われろ(ボソ)゛
…あ? 何だって?
俯きながら、眼鏡ドジッ娘属性としては何か致命的な言霊を、ボソリとツイートしたように聞こえた気がしたのだが…。
ヒヤリ…。
急激に周囲の気温が下がり始め…。
彼女の、闇の患いが始まった…。
゛呪われろ………呪われろ……呪われろ…呪われろ!゛
…?! ちょ…ちょっと…。
゛…呪い、呪われて、呪う刻、呪えば、呪え!゛
こ、怖い怖い怖い! それに近い近い!
な、何でこの眼鏡、事ある毎に近寄って来るの?!
怖過ぎる!
お嬢系で結構可愛いからこそ、このギャップは…。
逆さまな上に、凄まじい呪詛を撒き散らしながら…カッと見開かれた血走った眼光を至近距離で向けられるって…紛う事なき拷問ですよね?!
た、助けてえぇ~姐さん!ローテ様~!!
゛…………何度も言ってるけど、逆さまなのは貴方だから………………何でよ!『運命の人』だと思ったのに…゛
……………へ? 運命って…?
゛もう、いいわ!……ここで開くから…゛
ひ、開くって………何を?
゛『彼方なる岸辺の守り人』よ!…『此方の送り人』より哭き願う!…今は亡き者たちの帰還を!!゛
そう叫んだ…いや、哭いたスターマの表情は この上ない愉悦に満ちていた…。




