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大和さんの異世界漫遊譚 第二部【未完】  作者: 桒田レオ
《第二章・大和の隠し子!?編》
9/15

第三証人「白面絢爛九尾狐・万葉」


「ぬぉぉぉぉ……」


 妾は倒れ伏し、モジモジと身じろぎしていた。


「ヤマト二ウムが、ヤマト二ウムが足りぬぅ……七影ぇ、今すぐ大和様を連れて参れぇ」

「無理です」

「この役立たずめぇ。はぁぁ、妾も区長という立場でなければ、大和様を探しに行けるんじゃが……この区長という座、苦労して手に入れたし、美味しいポジションだから手放すのはもったいない。でも大和さまぁ……はぁぁ」


 ゴロゴロゴロゴロと転がり、妾は決意する。


「よし決めた。もう三日して大和様が来なかったら、区長の座を捨てて大和様を探しに行く」

「どうか、どうか自重じてください。万葉様」

「煩いぞ! 七尾風情が黙っておれ!」

「はっ……」


 このままでは抜け殻になってしまう……

 ああ大和様、大和さまぁ……

 何故なのじゃ。

 何故あんなバナナ野郎に封印を施してもらったんじゃ。

 妾では駄目だったのか?


「……ぴこーん!!!!」

「!?」


 狐耳を尖らせる。

 七影は驚いているが、そんなことはどうでもいい。


 くんくん、くんくんくん……



「大和様の匂いじゃあ……っ」



 近くに、近くにいるのか……!!?

 ええいこうしてはおれぬ!!


「七影!! 妾は少し出る!! 留守を頼んだぞ!!」

「万葉様!?」


 妾は大急ぎで屋敷を出た。

 逃がさぬぞ!! 大和様!!



 ◆◆



 匂いのする場所は、琴音の場所だった。

 まさか、琴音と一緒に……?


 恨めしや。

 琴音の奴、大和様を誘惑しおったのか?

 許さぬ。

 呪い殺してやる。


 殺気を隠さず琴音の屋敷を目指していると、匂いの元は途中にあった。


「うう、ひっく……」


 二尾のクソ餓鬼だった。

 泣きじゃくっている。

 こ奴から、大和様の匂いが濃厚に漂ってくる。


「おい、クソ餓鬼」

「万葉、様……?」

「お主、大和様の近くにいたじゃろう? 大和様とはどういう関係じゃ? 吐け。でないと貴様の尻尾を引きちぎる」


 クソ餓鬼は震えながら、言った。


「大和パパは……!!」



「大和、ぱぱぁ……?」



 ふ、ふふふ、ふ。

 その黒髪、鋭い双眸。

 少し面影があると思ったが、本当に……


「おいクソジャリ、詳細を吐け」


 ふふふふふ。

 大和様、あとであなた様からも詳しい話を、聞かせてもらうからのぅ。

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