第一証人「黒鬼・大和」
「ちょ! おま!! 俺がパパぁ!?」
「うん。大和パパは、大和パパ」
「勘違いだろう!?」
「ううん。これがパパの写真だって、ママに渡された」
二葉が差し出した写真を俺は凝視する。
確かに、俺の写真だ。
どこでこんなもん手に入れやがった……
いいやそれよりもだ!
この子が俺の子供ぉ!?
んな馬鹿な!!
俺は二葉をじぃぃっと観察する。
……た、確かに、黒髪といい、目付きの悪さといい、似ているかと聞かれれば、似ている。
二葉は小首を傾げているが……
う お お。
そんな、そんな馬鹿な……ッッ
でも、心当たりがありすぎて、ぐおおおお……ッッ
いやしかし、避妊はしっかりしているぞ!! 妊娠はさせてない、はずだッ!!!!
あー、それでも中途半端なのもあったし……
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
マジかよぉぉぉぉぉぉ!!!!
俺の旅、ここで終了!!?
この娘のパパしなきゃいけない!!?
マジで!!?
くぁwせdrftgyふじこlp
「……ふぅ」
よし、ちょっと落ち着いたぞ。
でも手が震えてる。
あっ、ヤバい。
「ふ、ふたば、お前のお母さんは、今、どこにいる?」
「魔獣界」
「げぇぇぇぇぇ!!!?」
マジか!!?
よりによって魔獣界かよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
しかも狐って、モロあいつの、万葉の支配下の種族じゃねぇか!!
うわぁ、俺、終わった……
色々な意味で、終わった。
「大和パパ、私と一緒に、いてくれる?」
二葉が俺の袖を掴む。
その瞳には、若干の不安の色が見えた。
……はぁぁ。
「とりあえず、魔獣界へ行こう。お前の母さんと話がしたい」
「……うん♪」
そう、まずは二葉の母親から真相を聞かなければならない。
本当にこの子が俺の子供なのか……
……うう~む。
がんばれー、俺の記憶。
なんとか思い出せー。
がんばれー。