何気ない日常
…俺は何の為に生まれて来たんだ?
空を見上げながら、答えの出ない事を考え続ける。
生まれて来た意味、生きている意味、考えても答えは出るのか?
男の声
「まーた、訳の分からん事を考えんのか?」
ハルト
「ん?」
後ろから聞き慣れた声がした。
視線を向けると、俺の友人、というか腐れ縁のアラン・エルフィールが立っていた。
ハルト
「お前か。なんだ?」
アラン
「お前の部屋に行ってもいなかったし、だとしたらここに来てまーた、訳の分からん事を考えてるんだろうと思ってな」
ハルト
「まーた、とか言うなよ」
アラン
「はは。ほれ」
アランは俺にペットボトルを投げてきた。
ハルト
「悪いな。って、これまーた、俺の部屋から持って来ただろ?」
アラン
「はは」
ハルト
「はは、じゃねーよ」
そんないつものやり取りをしていると、この街恒例のアナウンスが流れてきた。
アナウンス
「これより、ロイヤルデュエルを開始いたします。参加者の方はスタジアムにお集まり下さい……」
ハルト
「ん?今日はロイデュエの日だったか」
アラン
「なんだよ、忘れてたのか?」
ハルト
「いや、お前がここにいるから」
アラン
「俺は関係ねーだろ。どうする?見に行くか?」
ハルト
「なんで?」
アラン
「ひ・ま・つ・ぶ・し」
ハルト
「はぁ〜」
立ち上がり、尻の草を払いながら歩き出す。
アラン
「お?行くのか?」
ハルト
「ひ・ま・つ・ぶ・し」
アラン
「はは、そうかよ」
こうして、面倒ながらもスタジアムに向かって歩き出した。