―壱―Event in the back alley
―路地裏―
気がつくと30分近く走っている。
不良の数も半減し、約10人ぐらいになっている。
しかし、つかまったら、相手にできる数ではない、と思いつつ路地裏を駆け巡る。
後ろからは、「まちやがれ」「いい加減にしやがれ」などと、罵声を飛ばして追いかけてくる。
すると、僕の真横に輝く閃光が通り過ぎた。
その閃光が通り過ぎて、数秒頬がヒリヒリと痒くなってきた。
てゆうか、痛い。
頬には何かがツーと流れてきた。
頬に手をあててみると、やはり、血が出ている。
僕は恐ろしくなり、全力で走りだした。
――――――ドン!!
僕は何かにぶつかって、尻もちをついた。
僕は不良にぶつかったと思い、尻もちをついたまま、後ろに下がった。
「君、大丈夫?」
見上げると、背の高い男が立っていた。
不良??
と思ったが、普通不良が「大丈夫?」などと、声をかけてくるはずもなく、しかも、今現在、僕に対して手を差し伸べてくきている。
僕は、差し伸べてきた手をとり立ち上がると、そこには、背が高く、髪は金と黒のメッシュ、首にはネックレス、耳にはピアス、見る限りにチャラ男だった。
「ありがとうございます」
と言って、僕はこの人にお礼を言った。
そういえば、口を開いたのが久しぶりな気がする。
「こんな時間にこんなところを走ってどうしたんだい?」
ワッフ!!話し方はまるで優等生だ!!
「えっと、・・・・・・こみった事情がありまして、えっと、結論から言えば、自分が悪いんですけどね」
「ふーん、こみった事情ね」
「やっと見つけたぁ、ちょろちょろと逃げやがって」
不良!?やべぇ、すっかり忘れてた。
・・・・・・囲まれた、逃げ場がない、僕は他人を巻き込んでしまうのか?
「君の友達?」
状況を読み取れてないよ、この人!!
「この野郎、友達に助けを求めてどうするつもりだ?」
あっちも状況をよめてねぇー!!
「まぁいい、2人とも死ねや」
結局他人を巻き込んでしまった。
この瞬間2本の光の閃光が僕たちに向かってきた。
僕は、とっさに防御態勢に入った。
一瞬に頬が切れるほどの攻撃だ、このままだと、腕が切り落とされるかもしれないというのに。
しかし、腕おろか、さっきのように痛み、痒みすら、襲ってこない。
前を見ると、チャラ男が立っていた。
よくよく見ると、人差し指、中指、薬指の間に光が止まっている。
よくよくよく見ると光っているのはナイフだ。
いままで光の閃光やら、ビームみたいのを放っているのかと思ったら、ナイフだった。
光ってたのは、単に月の光があたって、反射して、輝いて見えていただけだった。
「ちっ、ナイフ受け止めたぐらいでいい気になるなよ、調子のってると体傷だらけじゃすまなくなるぜ」
「ふぅん、そういうこと、君苛められているんだね」
苛められているとかそういうレベルじゃないぞな・・・・・・
「しかも、相手は、操作系の能力が使える、そこらへんのバカ共がむやみに使うと死人が出る」
「死人って、なんですか能力って?」
いや、能力は、わかるよ、ほら、あの、テレビとかでやってる、電撃飛ばしたり、炎を手から出したりするやつだろ。
うん、もちろんわかってるとも。
「君はこの町のこと知らないのか、まぁ、あまり時間がないから、簡略して話すよ。
能力とは、自分が最初から持っている、潜在能力を引き出し、現実で使う事、
この説明じゃあまりわからないかもしれないが、大丈夫、学校に行けば、嫌でも習うから、ついでに相手の能力は、たぶん、物を操って、攻撃してきている。
さっきのは、ナイフを操ってでもいるんだろう。
超電磁○で言えばエアロハ○ド」
「あっ・・・・・・はい」
最後の一言がなければ普通に反応できたというのにこの人は・・・・・・
「ごぉちゃごぉちゃ言ってねぇでさっさっと死にやがれ!!」
不良の一人が僕たちに話し掛けてきた。
「すみません、外国語は、英語しか習ってなくって、わかりません」
不良をバカにした―!!
たしかに滑舌はわるかったよ。
「なにほざいてんだこいつは、やっちまおうぜ!」
まぁ、当然こうなるだろう。不良共は俺たちに向かって拳を構えている。
僕は、1対不良全員と殴り合いになるはずだった。
しかし、不良共の半分がこの人のほうに向かっていったのだ。
――――――ぺきゃ
ぺきゃ??うん、ぺきゃといい音が響き渡る。
ぺきゃと響き渡った瞬間に全員がこの人の方を見た。
すると、不良の1人の鼻が曲がっている。
てか、もう気絶して、倒れこんだところだ。
一瞬の沈黙が続き、また、喧嘩が始まった。
僕は2人の不良を相手にするのが精一杯だった。
しかし、隣からは、
――――――ドンなどの鈍い音がしたり
たまに、あの、ぺきゃと言う音が何度も響き渡る。
いや、まぁ、しかし、この人は不良共をいとも簡単に倒していく。
まぁ、それは、面白いほどに不良共は倒れている。
例えるならば、まるで三国○双の雑魚キャラを倒しているようだ。
しかし、雑魚キャラを馬鹿にしてはならない。
空中に浮かされてみろ!!
雑魚キャラが大量に集まって、地上に落ちる間もなく、GAMEOVERだぜ
まぁ、そんなことはどうでもいい、現実には、コンピューターみたいにうじゃうじゃわいてくるわけでもなく、ついには、あのナイフ野郎だけになっていたのだ。
なぜ、あいつだけ都合よく残るのかって?
それは、親分みたいな存在は、強いけど、戦わないで命令するアホだからさ。
すると、ナイフ野郎はこの人の前に立ちはだかる。
「あまり調子にのるなぁ、俺に勝てると思っているのか?」
と言ってこの人に向かってくる。
うわぁ・・・・・・なんて雑魚キャラ発言
まぁ予想通りといってはなんだが、ナイフ野郎は、あからさまに、ナイフを数本投げて、向かっていった。この人は、ナイフを全部の指の間と口を使って、受け止めた。
それは、それは、かっこよかったさ。
そして、そのナイフをナイフ野郎に投げ返した。
投げ返したナイフはナイフ野郎の足と服に刺さり、ナイフ野郎はそのまま地面に倒れこみ、上半身だけ後ろに倒れた。
良く見ると、泡吹いて倒れていた。
いやぁ、これを文にして説明すると、『、』がやたら多かったり、やたら、ナイフナイフ連呼して、意味分かんなくなるんだろうな。
また、話がそれてしまった、みんなもわかっているだろう、僕はこうゆう奴なのだ、わかってくれ。
いやぁ、しかし、この人は、服がまったく乱れていない。
しかも、傷一つない、まったく、こっちはボロボロだというのに、
「君、大丈夫?」
本日二回目の僕にかけてくれた優しい言葉、巻き込んだのになんていい人なんだ。
惚れてまうやろ―!!
パクリ??そんなのは知らない、純粋に気持ちを心で叫んでいただけだ。
「あの、大丈夫です、巻き込んでしまってすみません。あと、ありがとうございます」
とりあえず、謝罪、お礼をした。
「君、本当に大丈夫かい?体なんか、傷だらけじゃないか、頬の傷なんて、結構パックリ切れてるよ。痛そうだね」
パックリとかやめて、痛いというより、心が痛くなってくる。
この人はそう言って、僕の方に近づいてきた。
この人は、僕の前に立ち、頬に手を当ててきた。
頬に手を当てられた瞬間、チクッと痛みがした。
「えっと、あの・・・・・・」
「すこし出血しすぎじゃない?手当したほうがいいよ」
mgd?!手当してくれるの?優男すぎない?
やべぇ、まじで惚れそうだ。
と言うと、この人は、目を閉じ、瞑想??しはじめた。
僕のこの時の予想では、緑の波動みたいのが出て、ホ○ミみたいに回復してくれるのかと思った。
しかし、その予想は大きく外れた。
本当に予想外だったのだ。
僕は・・・・・・男に唇を奪われた。
たまに会話がぶっ飛んだり、やたらに瞬間などといった、厨二くさいセリフが大量に入っています。
しかし、気にしないでください。
だって好きなんだもん、そういうセリフが。