魔王を討伐しても幼なじみとの婚約を破棄をしない勇者の話
俺は勇者ハルト20歳だ。1人で魔王城に向かった。剣聖、聖女、女賢者は病気だと。
魔王城の道筋でホブゴブリンが出むかえた。
『グシシ、案内役ネ』
『あんたは魔王軍幹部か?』
『雑兵ヨ』
そうか、俺は舐められているのか?
『魔王様に殺られた勇者は19ネ、貴方、20ヨ』
そうか、魔王討伐は失敗続きだ。
魔王城が見える位置まで着いた。
魔王城の前の平原に塚がある。塚の天辺に剣が刺してあるものが複数ある。
あれは・・・
『聖剣か・・』
『グヒヒ、そうネ、魔王陛下に挑戦した勇者たちネ、19ネ』
塚は19あるのか。
そう言えば、今回の魔王討伐は第20次だった。
『もうすぐ、塚は20になるヨ』
案内役のホブゴブリンは嬉しそうに配下のゴブリンに。
『墓穴を掘っておくネ』
『ギィ』
命じていた。
ヒドい侮られようだが・・・・後に紙一重で勝てたのはこれが原因としか思えない。
頭の中が真っ白になって、戦いの最中記憶がない。飛んでいる。
『魔王陛下!』
『お父様!』
娘か、わん曲した角の褐色肌の女が遺体にすがりついている。
俺は、いたたまれずに逃げた。
仲間とは合流せずに王都に向かった。
☆☆☆一月後
何とか王都に帰った。
既に他国経由で魔王討伐成功の報が届いていたらしい。
歓迎はされた。
「勇者ハルト殿よ!アルテシア王女と結婚するが良い」
「ハルト様!」
両手で手を組み顔がパアと明るくされている方がこの王国の王女アルテシア様だ。
輝く金髪に翡翠の瞳、ドレスは肩が見えている物、肌が透き通るように綺麗だ。
しかし、おっぱい揺れないな。
「うむ。亡き妃の化粧料を引き継ぎハルト殿は侯爵になって頂こう」
だが、俺は・・・
「断る!」
断固として断った。
何故なら。
「私には婚約者ソフィがいると申し上げたでしょう」
王宮広間はシーンとなった。
魔王討伐後、聖女、女魔道師は手に平を返して慕うようになったが、それは魔王を討伐した勇者である俺だからと不信感がある。
「な、何と・・・」
「ヒィ、私ではダメなのでしょうか?」
「王女殿下、お気持ちは嬉しく思いますが、私には婚約者がおります」
「その方には賠償金を払いますわ」
「王女殿下、愛はお金ではないのです」
「まあ、これは純粋ではなくて頭がお花畑だわ。魔王討伐した勇者は国家の重責を担うのよ」
「いいえ、強いて言えば真実の愛でございます。真実の愛は全てに優先されます」
そうだ、真実の愛が大事だ。
王女殿下は顔が青くなった。
「グスン、グスン」
「王女殿下!」
泣いて背中を見せて奥に下がった。その後をメイド達が追う。
メイドは俺をキリッと睨み付けやがった。
その日から待遇がガラと変わった。
「勇者様はこの部屋をお使い下さい」
「分かった」
明らかに使用人の狭い部屋だ。
まあ、これで良い。
しかし、魔王城に乗り込むときに病欠した剣聖が出てきた。
「ルービック殿が魔王を倒したんでさ!」
「お前誰だ?」
「勇者様、お忘れで?ポーターのガビスです」
「ルービックです。真実をお話します」
「だから、ルービックよ。病欠していただろう?」
「ルービック様だろ?平民ハルト、証拠はある。これが魔王の角だ」
「はあ?魔王の遺体は敬意を表して手を出していない。それは牛の角ではないか?」
「話にならんね~平民は」
話にならないのはお前だ。
ルービックは侯爵家の三男らしい。剣術はそこそこだ。
しかし、魔王討伐を吟遊詩人が歌い。新聞社が記事にしてをばらまくようになった。
「真の魔王討伐成功者は剣聖ルービック殿だ!」
「勇者は震えて見ていただけだ!」
王女との婚約を断ったからこうなったのか?
貴族的に言えば褒賞に渡す領地が惜しいらしい。
せめて、王女と結婚したら領地は後々王族に帰って来ると算段らしたと後に聞いた。
遂に、審議会が開かれた。本当に勇者が魔王を討伐したかが議論された。
「勇者殿、本当に魔王を倒されたのか?」
「はい、それは間違いないです」
「ブルブル震えていたと証言があるが?」
「震えていた。魔王に恐怖を感じたのは本当でございます」
「な、何?背教者め!」
そうだ。魔王に恐怖を感じたのは本当だった。
結局、パレードに参加せずに俺は辺境の村に帰った。
パレードにはルービックと王女、そのほかには支援をしたという見た事も聞いたこともない貴族の子弟達が参加した。
聖女、女魔道師は不満顔だ。
まあ、どうでも良いだろう。俺は15歳の時に託宣があったからと王都に連れて行かれて訓練を受けた。
村に戻る。
どう扱われるか不安だ。
そもそもソフィは俺を覚えているだろうか?待っていてくれているだろうか?
まるで数日ぶりに会うようにソフィの家に行った。
「やあ、ソフィ、久しぶり」
「まあ、ハルト、見違えたわね。勇者の妻なんて無理だわ。でも、さすがに賠償金は欲しいわね」
「え、まだ、婚約有効だけど、俺、ソフィの方が良いな」
後は無言だ。
ガシと泣いて抱き合った。
「グスン、グスン、ハルト・・」
「ソフィ」
俺は孤児、ソフィの家に婿候補&労働力として引き取られたのだ。
引き取られて最初はぎこちなかったが、三ヶ月もするとケンカをするようになった。
「私、20だよ」
「ああ、俺と同い年だ」
その日のうちに結婚式をあげて初夜を迎えた。
「さああああ、働くぞ」
勇者の修行で得た力で畑を耕し開墾する。
魔獣が出ても簡単に撃退出来た。
「ハルト、ランチボックスだよ」
「ソフィ有難う」
幸せだ。
「ハルト、種まきは任せてもらいたい」
「分かった」
ここでは助け合いの精神がある。
子供も2人生まれた。
女の子と男の子だ。
「お父さん。お客様だよ・・・」
「え、村長、長老たちかな?」
「父上、違うよ。女の人達だよ。3人・・・」
「はあ?」
「お母さんに知らせるから」
「おお、知らせろ」
この村に来たのは聖女と女魔道師と・・・
「王女殿下・・・・」
「グスン、グスン、勇者ハルト殿、魔王軍の残党が王都を襲いましたわ!しっかり討伐をなさいませ」
「いや、倒したのはルービックではないか?」
「瞬殺ですわ。魔王の娘に秒で切り刻まれましたわ」
話を聞いた。
王都は一月前に魔王軍に急襲されたそうだ。
王都前に数百の魔王軍が空から現われ。
☆☆☆
『勇者を出せ!』
『魔王クレマンスの娘、リディア!尋常に勝負をいたせ!』
ええ、15,6の褐色の娘でした。
剣聖ルービック様は、
『何だ。娘じゃないか?なら、簡単、簡単』
と討伐しに行きましたが、
『あれ、あれ?俺の腕・・』
『話にならない。貴殿が勇者か?父の角をさらしていると聞いたが?』
『あれはハルトだよ!俺じゃない!』
四肢をもがれなぶり殺しに会いました。
空からの攻撃になすすべもなく、父上、宰相、騎士団長は戦死。
王国に攻撃をし続けています。
「どうか、ハルト様、私達を妻として王都に戻って下さい!」
「ハルト様、王になれますわ」
「僕が貴族を説得するよ」
だが。
「断る!」
「「「そんな」」」
「どうしても村にいたいのなら村長に相談しろ」
どうやら王都は魔王軍の襲撃で壊滅的な状態になった。
魔王の角と称する物を飾ったのが逆鱗にふれたらしい。
王女は、領主様の一族と結婚か?と思ったが、いろいろ高位すぎて面倒くさいのでそれは無かった。
村で引き取れとなったから、女衆と同じ労働をしてもらおう。
「魔王軍が来たらどうしようか?」
「領主様は領都を守るので精一杯だよ」
だから、俺は村人達にお願いした。
「塚を作ってくれいないか?大きさは現地で指示する。19個だ。後安いので良いから剣も19振りだ」
「「「分かった」」」
「それと、墓穴を一つな」
上空から見える位置に塚を19個作り。その上に剣を刺した。
なるべくあの日、見た風景を再現した。
後の墓穴は俺が入る墓だ。
魔王の娘が来たら殺られてやろうと思う。
今の俺では勝てない。
なら、せめて殺してもらって家族は見逃してもらった方が良いだろう。
その後、魔王軍の編隊が村上空に来た。
わん曲した角を持っている奴が一時間ぐらい塚を見てから、そのまま北方に去った。魔族の領地の方角だ。
義父、義母入れて6人家族だ。
俺はこれで良い。これが良い。
畑を耕して生きるだけで御の字だ。
最後までお読み頂き有難うございました。




