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白馬の魔王様  作者: あむ
8/35

第8話 魔王様は鼻呼吸

我ながらなんだこのサブタイトル…

ノリと勢いで付けてますのでご容赦ください☆

 コーラルより先に部屋に戻って、さっさとベッドに入り込む。

 やっぱりふかふかだ。寝着の露出が多い分、肌にじかに布団が触れる。さらりとした肌触りの布団は上掛けもフワフワであったかい。

 お風呂上りにコーラルと長話してしまったために湯冷め気味だったから、あったかい布団が気持ちいい。

 もうこのまま夢の世界へ一直線――のはずだったのに、耳元で声がした。


『ホタル、ねぇ、このまま寝ちゃうの?』

 小さな子供のような透き通った声。いつかも聞いたような声だ。

 でも、この世界に来てからまだ名乗った覚えのない、私の名前を呼ばれた?

 驚きで、さっきまでの眠気も消えた。


「誰?」

 慌てて起き上がってみても、それらしき人影はない。

 気のせいか…と再び寝ようとしたら、天蓋のレースがめくられた。

 そして、外の人物とばっちりと目が合う。


「な、な、なにしてんの!?」

 思いっきり布団を手繰り寄せた上に、反対の端ギリギリまで体を寄せながら叫ぶ。

 そういえば完全に魔王の存在を忘れていた。

 思い出したが最後、コーラルに言われた『初夜』の一言が頭を駆け巡る。

 やばいよやばいよ、貞操の危機だよ……!!


「何してるも何も、ここは俺の部屋だ。

俺様が俺様の部屋のベッドで寝て何が悪い」

「え……?」

「本来ならお前には客間を用意する予定だったが、諸事情によりできなくなった。

仕方がないから俺のベッドの片隅を貸してやる。だからさっさと寝てしまえ」

「えぇ……??」


 あれ?何か思ってた流れと違う。

 何その投げやりな感じ?

 何?ホントに普通に隣で寝るだけ?

 なんかもう、有無を言わさず無理やり――的なものを想像してたのだけど。

"もうお前は俺の后なのだから言うことを聞け~~"みたいな。

 あ、いや、そんな期待してたなんてことはないけどさ!!


「何を百面相してるんだ。ホントにお前は変わった奴だな。

…まぁでも、俺はもう疲れた。お前ももう寝ろ。

詳しい話はまた明日、朝になったら話してやるから」

「え、あ、はい…。おやすみなさい」


 なんかホントにめんどくさそうに、しかも子供に言うみたいに言われて、なぜだか素直に頷いてしまった。

 私が頷いたことに満足したのか、はたまた私の返事なんてどうでもよかったのか、魔王はそのまま布団に入り、ベッドに横になってしまった。

 固まったままの私をよそに、しばらくすると寝息らしきものが聞こえてきた。

 マジで寝たのか??


 そりゃ、襲われたいわけではないけれども、ここまで無関心を通されるとなんか空しいものがある。

 一応年頃の女ですし、なんだかセクシーな寝着も着させられてるわけですし?『初夜』らしいしさ。

 そんな男女2人がベッドの上で……。


 はぁ、なんか考えててめんどくさくなってきた。何にもないならそのほうがいいし。

 罠とか、油断させといて…的なオチもなさそうだし、マジでこのまま寝ようかな?



 最後にそっと、隣(といってもベッドがめちゃ広いので距離は1メートルくらいある)に眠る魔王の顔を覗く。

 寝ている顔も、たいそうなイケメン。

 なんだこのまつ毛は!!

 なんだこの無駄に通った鼻筋は!!

 くそぅ、よだれでもたらしてたら愛嬌もあるものを…。

 人をさんざん弄んでおいて(被害妄想?)澄ました顔で寝やがって…。


 くやしいので奴の鼻をつまんでやった。

 どうやらすぐには起きそうにない。

 10秒くらいつまんだままでいたら、

「くっ……」

 と苦しそうに眉間にしわを寄せた。

 魔王も寝るときは鼻呼吸らしい。

 ま、少しスッとしたかな。


 今日はこれくらいで勘弁しといてやろう。




 そして私は、魔王の横で眠りに落ちた。


ようやく登場の魔王様なのになんかそっけない…。

主人公の名前は蛍ちゃんに決定!!

今回は宝石・色関係で名前を付けていこうかと計画中。

 コーラル→珊瑚 ホタル→フローライト(蛍石)

魔王様の名前はまた次回にでも。



お気に入り登録200件突破、ありがとうございます!!

誤字報告・感想等お待ちしてます☆

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