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白馬の魔王様  作者: あむ
26/35

第26話 白馬の王子様!?

 淫魔であるコーラルと、大気の精霊・ソラ。そしてただのOLである私。

 異種間交流的な会話で、午前いっぱいを過ごした。ガールズトークをするにはまだお互い情報が足りなかった(むしろ、コーラルからソラへの一方的な質問攻めだった)けど、この世界の情報は増えた。しかも、違う視点からの情報を得られるようになったのは嬉しいことだ。


 あと、もうメガネなしでもソラを見ることは可能だそうだ。ソラと契約し、私が主人になってるので、よっぽどのことがない限り(ソラの力が弱まるとか、自主的に見えないようにするとか)ソラを見、会話できるらしい。

 まぁ、メガネなしだとこの城の中ではいろんな色の魔力が充満してて気持ち悪いから、メガネはかけてるつもりだけど。

 ホント、不思議なメガネ。


 …大事な大事な、私の相棒。







 お昼も食べて、コーラルは他の仕事があるとかで部屋から出て行った。

 残ったのは私とソラ。



 暇です。



 聞きたいことは大体聞いちゃったし、かといって、この部屋の中で他にすることが思い浮かばない。

 外はこんなにいい天気なのに、こんな部屋の中に閉じ込められてるなんて、もったいない。

 何にもしなくていいなんて、仕事に追われてた日々を考えると(って言ってもほんの3日前までのことんなんだけど)すごく贅沢なことなんだけど、かといってホントに何もすることがないってのもものすごい苦痛だ。暇ってツライ。


 で、どうするか?




 ものは試しで、外に続くはずのドアへ。

 部屋の外には出るなとコクヨウからも言われてるけど、暇なものは暇なんだ。実際、危険な目にあったわけでもないし。

 暇な私は強気です。


 肝心のドアはというと…開きません。


 仕方がないので中からノックしてみる。


「すいませ~ん。外に出たいんですけど~」


 ソラの話では、このドアの外には常に衛兵さんらしき人が立っているらしい。

 昨日の夜は一晩中その衛兵さんに暴言を吐き続けていたそうだ。…もちろん、彼には届かない声で。


 もちろん、私の声は誰にだって聞こえる。扉一枚くらい通す大声を出したし。

 なのに……返事がない。


「もしも~し、聞こえてますかぁ~??」

 

 ザ・無言。返事がないって切ないね。大きな独り言言ってるみたいで恥ずかしいし。



 

 その後もいろいろ声を掛けてみたけれど、どれも無反応。

 しょうがない。コーラルが戻ってくるまで待つかぁと思ってドアに背を向けたら、カチャリと開く音がした。



 

 コーラルが戻ってきたのかと振り返った先にいたのは、見知らぬ青年だった。


(王子様!!)


 声に出さなかった自分を褒めてやりたい。

 青年は、まさしくこれが白馬の王子様と言うべき美形だった。

 金髪に碧眼、長身、人のよさそうな微笑み…完璧すぎて気持ち悪いくらいの、絵本の中の王子様。


「后様にはお初にお目にかかります。 魔王様の側近でアウインと申します。どうぞ、お見知りおきを」


 名乗りながら、自然な流れで手の甲にキスされた!!

 何これ何これ!! こんなのされたの初めてだよ。 さすが王子(いや、魔王の側近って言ってたけども)手馴れてる!!


「蛍といいます。こちらこそよろしく…」


 自分でも顔が赤くなってるのがわかる。

 アウインは、私が夢見た白馬の王子様そのままの容姿なんだ。

 コクヨウもイケメンではあるけど、アウインはコクヨウとはまた違うイケメンだ。コクヨウは野性味あふれる感じの男らしい雰囲気だけど、アウインはまさに西洋の王子様。見る人を惹きつけて止まない、そんなオーラが出てる気がする…まぁ魔族だから、ホントにそんな種なのかもしれないけど。

 


 それ以上言葉の出ない私に、アウインは優しく微笑みかける。


「后様が退屈なさっているとのことでしたので、魔王様の命で城内の案内をさせていただくことになりました。私が相手ではお気が進まないかもしれませんが、よろしいですか?」

「いえ、そんな…よろしいです…」


 あぁ、緊張しすぎて言葉がおかしい。喜んで一緒に行きますって言いたかったのに。

 …あの笑顔は反則だよ…。



次話、城内見学。


アウイン→青色の宝石の名前。ようやく登場人物増えました。

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