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白馬の魔王様  作者: あむ
24/35

第24話 魔王様の寝顔は…

 目が覚めたら朝だった。

 スッキリ目が覚めたけど、あたりはまだ薄明るいくらい。

 どうやら寝てからそんなに経ってないようだ。


 そっと隣を見やれば、思いのほか近くにコクヨウの寝顔があった。

 思わず、ドキリとする。

 2度目に見る寝顔。

 けど、寝入ってから見る寝顔と、朝見る寝顔はなんか質が違う気がする。

 昨日は私が起きた頃にはコクヨウは起きてたし。

 朝の寝顔は、なんていうか、…いやらしい。


 寝乱れた髪だとか、ちょっと肌蹴た服だとか、寝苦しそうに歪んだ眉だとか…。

 寝息もなんか、セクシー。ってか、いやらしい。

 なんだよ、こいつの色気は。色情狂めっ!(←ちょっとちがう?)

 色っぽいのに額にかかった髪が幼く見えて可愛いなんて…いやらしいっ。犯罪だよ!!


 ってか、なんでこいつこんな近くで寝てるのさ。

 と…見やれば、視界の端に捉えたありえない光景。

 …手が、私の手が、魔王様の服の袖をつかんでいた。


「うぁおぅっ…」


 あまりの事態に、変な声が出た。

 何してんだ、私…。しっかりしろよぉ…。


 うろたえながら、そっと、そぉっと握り締めていた手を緩めていく。

 寝てる間に何やってんだよ私。寝相悪いにしてもベッドから落ちるほうがなんぼかマシだよ。

 あぁ、これも全部、蜜月のせいだよ、そうだよそうに違いない…。

 

 ぶつぶつ口の中で言い訳をしながらやっと手を離した。

 そのままそっと、そっと、体を離していこうとしたら…


「ぅぁっなっ…」


 逆に、手をつかまれた。

 いきなりのことにまた変な声が出た。

 

「ちょ、待っ…」


 そのまま、手を引かれて引き寄せられる。

 行き着いたのは魔王様の胸の中。

 そのぬくもりに思い出すのはもちろん、昨夜のこと。

 …もちろん昨日のキスの事は覚えてる。ってか、忘れられるわけないし。


「なんで逃げるんだ? …昨日はあんなに積極的だったのに…」


 腕の中から逃げようともがく私の耳元で囁かれた低い声。ジンと体の奥にしみるような、なんというか、すんごい、エロい声。ホント勘弁して欲しい。


「何の話か私にはさっぱりなんですけど!」


 確かに私の手がコクヨウの服を握ってたのは事実みたいだけど、それ以上のことがあるはずないし!! …たぶん……。

 いやいや、自分で自分を信じてやらなくてどうする!!

 蜜月のせいでちょっと人肌が恋しかっただけで、ぬくもりを感じれたらそれで充分のはず!!

 実際、着衣にも乱れはないしね!

 …あ、いや、コクヨウの寝着がちょっと乱れているけれど、それはコクヨウの寝相が悪いせいであって、私は関係ない…はず。


「ほぅ…覚えてないのか」

「な、な、何を?」


 やばい。ホントに自信がなくなってきたですよ。

 私、何したのさ…??


「……」

「な、なによぉ!!」


 人の顔見て黙り込むとかマジで止めて欲しい。

 ますます不安になるじゃないか。


「覚えてないのならいい」

「え、ちょっと、よくないって!!」


 そう言って、ベッドから降りていくコクヨウ。

 いやいや、言って貰わないと余計に気になるし!!


「とりあえず、顔でも洗ってきたらどうだ? よだれがついてるぞ」

「え、うそっ!」


 って、私そんな子供じゃないし!! よだれなんてついてません!!

 くそう、まんまと逃げられた…。


 コクヨウを追ってベッドから出たけれど、部屋の中にはもうコクヨウの姿はなかった。

 代わりにいたのはタオルと着替えを持ったコーラル。


「さ、お召し替えをいたしましょう」


 満面の笑みのコーラルを無視するわけにもいかず、顔を洗いに移動する。

 でもでも、後で絶対にコクヨウを問い詰めてやるんだから!!



最近更新が滞りがちで申し訳ありません。

しかも毎回短いし…。

24話でまだ召喚3日目という遅さ。頑張らないと…。


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