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白馬の魔王様  作者: あむ
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第18話 魔王の暇つぶし

魔王の回想編です


 后なんて、必要ないと思っていた。

 そう、あの女が来るまでは。



 臣下の者たちに進められる形で、嫌々行った召喚。

 俺が魔王の座についてもう10年、就任のころには多少混乱していた国も、落ち着きを見えた。そこで、次の議題として上がったのが魔王である俺様の后問題だった。


 俺の魔力は強い。それも、今までの魔王に類を見ないほどに。それ故に、俺の后を勤められるモノがこの国にはいなかった。若い頃は、まだ大丈夫だったんだが、歳を重ね、魔王に就任する頃には、俺の相手を出来る女は誰一人居なくなっていた。最後に相手をした女は事後、死に瀕していた。

 その女は何とか一命を取り留めたものの、それ以降、女を求めることはしなくなった。もともと、そこまで女を欲していたわけではないので俺様的にはどうでもいいことなのだが。


 しかし、臣下たちはそれをどうでもいいとは思わないらしい。国が安定した今、次に求めるは次期魔王の存在らしい。確かに、俺様の魔力が高い分、逆に次の魔王への負担は増える。もし俺様よりずっと魔力が低いものが就任したのなら、間違いなくまた国は荒れるだろう。

 そこで求められるのが俺様の子、ということだ。もともとこの国は世襲制ではない。だから、俺が子を成す義務はない。けれど、もし俺様の子が出来たならば、より魔力の強い魔王になるだろう。臣下たちはそれを求めている。

 

 そうは言っても、俺はまだまだ若い。魔力もまだ増えているくらいだし、今後継者を求めるのは時期尚早かと思う。

 それでも臣下が后を求めた理由、そして俺様がそれを認めた理由、それは……


 暇だったからだ。




 国が安定した今、それなりに仕事はあるものの、皆、暇をもてあましていた。

 それ故の、后の召喚。

 彼女にしてみれば迷惑以外の何者でもないだろうが。

 

 



 国内に対象となる候補が居ないのならば、別なところから呼び寄せよう。

 どうせなら、より魔力の強いものを。

 だったら、異世界から……


 そんなこんなで呼び出された彼女。

 まさか膝の上に降りるとは思わなかったが、その分、新鮮な彼女の反応をすぐ側で見れたのだからよしとしよう。





 暇つぶしから始まったことだと告げたら、彼女はどういう反応をするだろうか?

 今まで知るどの女とも違う反応をする彼女。これからどのようになるのかはわからないけれど、時間はたくさんある。せいぜい楽しませてもらおう。

 そう思う一方で、彼女に告げたように、そんな余裕もないほどに惚れさせてはくれないかと、そんなことを思ってしまうのは、もう彼女、ホタルに少なからず惹かれている証拠なのかもしれない。


 ともかく、しばらく暇だけはしなさそうだと、俺様を罵倒するホタルを思い出しながら思う。



暇つぶしで召喚とか、ホタルが聞いたら激怒すること間違いなし。

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