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【2杯目】塩レモンサワー

⚠注意事項です⚠


小さじ程度の鬱要素やリアリティの追求

現実の生きづらさ等を描いていますので

気分が悪くなってしまったり、

読みにくいと感じる可能性がございます。


もし、精神的に不安定な状態にある方や、

深く共感しすぎてしまうと感じる方は

ご無理なさらず、閲覧をお控えいただくことを

お勧めします。

失敗。失敗。失敗。


あたしはそんなに変…?


そんなの、教わってなかった。

常識を知らなかった。ヒソヒソうるさい

だって…学校では教えてもらえないから。

言い訳?そうね、言い訳よ。あぁ


失敗。失敗。失敗。


剛流『しっっっぱい!!!!』


その言葉にハッとする。あぁ、そうだった

今は飲み仲間と共に何時もの居酒屋で

飲んでいたんだった。


翔『プッ、急にどうしたのさ…はは』


剛流『いや、ビビった…このレモンサワー…

しょっぱいし酸っぱいんだよ。』


美優『あぁ、これは…塩レモンサワーですね。』


剛流『なるほどなぁ…通りでしっぱいわけだ。』


真莉「しっぱいって、どんな表現よ…ふふ」


そう笑いながら返すも、彼に少しだけ…

感謝していた。助かった。酒を飲むと

どうにもあたしは、弱気になる。

まるで昔の…。いけない…


剛流『おいおい…今度は真莉か?』


真莉「は、はぁ?何がよ…」


翔『いつもの覇気が無くなってるような気がするよ』


彼らの言葉と美優の心配する様子を見て

ため息を零し、笑って見せた


真莉「別に?多分、酔ったのよ。

酔ったらいつもそうでしょ?」


美優『でも…その、何時もよりも…

弱々しい…と言いますか』


剛流『さっさと言っちゃおうぜ。

こいつも言ったんだし』


翔『ちょ、ちょっと…いつの間に

飲み会が暴露会になったのさ…その、

無理はしなくて良いからね。』


真莉「…ただ、ちょっと。……だけよ」


剛流『ん?』


真莉「…理不尽を思い出しただけよ」


美優『理不尽…ですか?』


翔『理不尽…客とか…?よくあるよね』


真莉「違うのよ。…はぁ〜分かったわ

言うわね。思い出してた事。」


剛流『おう、吐け吐け〜』


真莉「あたし、学生の頃から見た目

けっこう変わったでしょ?」


そう言って、視線を逸らし

イヤリングに触れる


真莉「昔働いてた所で先輩に言われてさ…。メイクをするのは社会人として当然。髪は黒じゃ暗く見えるからダメだって。でもさぁ、学校じゃメイクも髪も、禁止だったんだよ!?…おかしくない?ずっとずっと、我慢してたのに…学生時代にオシャレしてたキラキラしてた、あの人たちを校則違反だと思いながらも…羨ましく見ていたはずなのに。大人になったらコレよ…理不尽ったら」


なんだか、悔しくて涙が出てくる。

ずっとずっと溜め込んでいた心が開放された

そんな感覚。きっと翔もこうだったのかな

なんて心では冷静に思っていて


美優『真莉さん…その、そんな思いがあったから、私を助けてくれたんですね。一緒にメイク始めようって言ってくれた時に私もメイクが分からなくて…困ってて。だから、声掛けてくれて助かったんですよ。』


剛流『あー、なるほどな…。学校ではワックスが駄目って言われるけど、社会人になったらワックス必須になる的な…』


翔『君ねぇ…ワックスは意外と適当でも上手くいくけど、メイクって相当大変なんだよ??俺らのこれと一緒にされたら困るだろうが…』


剛流『そうなのか?つーかなんでお前…』


翔『…いや、僕はあ、あんまり分かんないけど。』


剛流『聞く前に答えたな。お前…もしかして』


翔『だぁぁあっ!うるせぇっ!男でもメイクする奴居るだろ?僕もちょっと気になって何回かメイクしたことあるんだよ。悪いかよ!!』


剛流『誰も悪いなんて言ってねぇだろ!?』


美優『ぇぇぇぇ!?!?そそそ、そうなんですか!?!?あ、あ、あの、その…自撮りとかしてませんか?その時の写真とか、ありませんか?気になります。翔さんのメイク…!!!是非とも見せて欲しいです!』


翔『な、無いよ!!っていうか勢い凄いよ美優ちゃん…』


美優『はっ…す、す、すみません…つい。えっと、気になるじゃ無いですか!!!』


真莉「っ…はは。何漫才してるのよ…」


勢いについ吹き出してしまい

涙を拭き取りながら笑ってそう言えば

微笑んだまま困ったように眉を下げ


真莉「あーあ、らしくない所、見せちゃったわね」


そうおちゃらけてみせる。

すると翔がこちらをじっと見つめてくる

不思議に思えて”なによ”言い口を尖らせて


翔『その、別にいいと思うよ?そういう所も君だと思うし…ちゃんと溜め込まずに言うべきなんじゃないかな。と言っても、僕も溜め込んでたみたいで、皆に救われたんだけどね』


そう優しげな笑顔で言葉を掛けてくる。

おかしいな…涙は拭き取ったはずなのに

あぁ、お酒のせい?また、涙が溢れてくる


剛流『そうだぞ〜?お前ら溜め込みすぎだ。』


美優『で、でも…それだけ気を許してくれたと思うと、なんというか…嬉しいです』


翔『この調子で君たちも話してしまったらどうだい?』


真莉「もぉぉぉお!!なんなのよっ…!」


剛流『うぉっ、牛かよ…』


真莉「あんた達、優しすぎなのよ…。ありがとう!」


拭っても拭っても涙が零れ、

諦めて飲み仲間にお礼を伝える。

そうすると飲み仲間は

笑って受け入れてくれた


こうして本音を言える

そんな飲み仲間が居ることは

良いものね。

【ご挨拶】

こんばんは。星彩(せいさい) (そら)です

酩酊ソクラテスの2作目になりました。

正直、続けるか悩んでいたので

続いて嬉しいと少し思ったり…しています。

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