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散らかった部屋

作者: 星野☆明美

部屋の片隅に陣取って、かろうじて横になれるスペースにふかふかの布団。

ペンギン柄の枕に頬を押し当てて、

「ものが溢れています。編み物の道具、毛糸、鳥の餌、服、本」

と呟いてみる。

「ものが溢れている。それが私は幸せです。歳を取って、病院に入院したらこれらが何もかも私の元から取り上げられて、白いシーツのベッドで寝たきりになるかもしれません」

不安を呟いて、目を閉じる。

「つまり、散らかった部屋にいることが、幸せなんです」

どれも自分で入手したものばかりだし、捨てられません。ゴミ屋敷でない証拠に、隣の部屋はスッキリと片付いています。

ダイニングキッチンは、散らかったらすぐに片付けることができて、来客を迎えることが出来ます。

断捨離なんてとんでもない。ものを大事にしていたら、捨てるなんてことできるわけありません。

ここは私の空間なんです。

誰かからとやかく言われる筋合いはありません。

部屋の逆側には、大きな鳥かごを置いて、セキセイインコを3匹飼っています。子供の頃セキセイインコに餌をやるのを忘れて死なせてしまった苦い経験から、1日も欠かさず餌と新鮮な水を与え、たまにキャベツを与え、塩土とボレー粉を常備して、毎日話しかけてご機嫌をとり、自分も機嫌良く暮らしています。

あと何年これを保てるでしょうか?

とても怖い。

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