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平凡勇者の異世界渡世  作者: 本沢吉田
12 ダンジョン管理編
128/270

128話 ウォーカーの現状


私とソフィーがイルアンとヒックスの間を行ったり来たりしている時は、いつも通りウォルフガングに後事を任せている。


ウォルフガングは私とソフィーが不在の間にジークフリードとクロエを鍛え上げ、B級冒険者に仕立てていた。

ルーシーもD級冒険者になっていた。



なんとウォーカーの現状は、


ウォルフガング B級冒険者(魔法剣士)(火)

ソフィー    B級冒険者(魔術師・魔法剣士)(水)

ジークフリード B級冒険者(魔法剣士)(土)

クロエ     B級冒険者(魔法剣士)(風)

ルーシー    D級冒険者(戦闘斥候・魔法斥候)(水)

マロン     階級の外にいるが、実質D級冒険者(斥候)

私 (ビトー)  E級冒険者(斥候・治癒士・賢者)


私だけ置いてけぼり。



「お前は貴族の端くれだろう。無理するな」


「このところ鍛錬をする時間が無かったからな。仕方なかろう。ダンジョンに潜れるだけで十分役に立っているし、対ゴースト戦ではお前の右に出る者はいない」



ウォルフガングとソフィーにそう言われてなだめられている。


マロンは3匹の子犬を産んだ。

女・女・男。

毛並みはマロンそっくりで、『ノワ』、『ネロ』、『カイ』と命名。


マロンに聞くと、今は足取りも覚束なく、コロコロして子犬そのものだが、成長するに従ってマロンのように木に登り、人の言葉を理解するようになるという。

一通り初等教育は済んでおり、今は人間との信頼関係を構築する時期にあたる。

なるべく一緒に遊び、一緒に仕事をすることが推奨される。

ということで、エマと一緒に育てることにした。




イルアンダンジョンの管理について。


ウォルフガング、ジークフリード、クロエ、ルーシーで中層階(3層~5層)の魔物の間引きに精を出していた。

ジークフリードとクロエとルーシーは3層のブルーディアー、4層のマミー、5層のオーガで徹底的に鍛え上げたと聞かされた。



「マミーの毒は受けなかったのですか?」


「受けた」


「どうしたんですか」


「お前からクリムゾンリザードの魔石を預かっていたからな。あれで解毒した」


「あれは解毒だけで体力回復はしなかったはずですが?」


「安全地帯でポーションで回復させた」


「なるほど。かなりスパルタンな訓練をされていたんですね」


「極めて楽なダンジョン攻略だが?」


「え・・・?」


「普通は毒を受けると解毒ポーションを使う。だがポーションはクソ高い。使いたいが使えない。大抵は中級ポーションで毒の回りを抑える。効果が現れるまでに時間が掛かるし、結局解毒ポーションが手に入らなければ、冒険者自体をあきらめざるを得なくなる」


「そういえばクロエがそんなことを言っていたような・・・」


「クリムゾンリザードの魔石はお前の『キュア』と同等の即効性がある。全冒険者垂涎のアイテムだ。A級冒険者でさえ所持している者は少ないのだぞ」



そんなに凄い魔石とは思わなかった。

6層で苦労して入手したかいがあったというものだ。



「ところでリッチはどうしました?」


「ジークフリードとクロエの合わせ技で封じた」



今度見せて貰うことにした。


そして逆にウォルフガングから問い合わせがあった。



「7層で深層階の魔物の気配がある」


「まさかスタンピード・・・」


「スタンピードでは無いと思う。だが、何が起きているのかわからない。アイシャ様に相談してくれないか」


「わかりました。 ところで4人で7層まで行けたのですか!?」


「ああ。極力戦闘は避けて、な。ダンジョン内では魔物に見つからないように移動した」


「そんなこと可能なのですか?」


「ハザードマップがあるからな。可能さ」




と言う訳で、またしても古森へ急行した。

まったく人使いが荒い。


挨拶もそこそこに、早速事情を話してアイシャの見解を聞いた。



「それはスタンピードではないわね」


「何だと思われますか?」


「8層の魔物が7層に進出しようとしている。それだけね」


「普通では起こらない現象ですよね?」


「6層、7層で魔物の手入れをしたでしょう? 6層、7層の魔物密度が下がったからよ」


「6層も7層も魔物はかなり凶悪でした」


「そうね。凶悪な分、もともと魔物密度は低いのよ」


「・・・」


「その顔ではわかっていないわね」


「はい」


「6層、7層の魔物は量より質(脅威度)で階層を支配する魔物なのよ。それをあなた方が減らしたから、一時的に6層、7層の魔物の勢力は落ちているの。

引き続き8層でも間引きを行えばバランスが取れていたのよ」


「あー 私とソフィーに呼び出しが掛かって、一時的にダンジョンの深層階の手入れを止めていたからですね」


「そう。でも放っておいても問題無いわよ。相性で言えば、8層の魔物は6層、7層の魔物を苦手とするから結局落ち着くわ」


「ただし・・・」


「生き残った魔物は、その分強力になるわね」


「ということですね。それも困りますね」


「今のうちに手入れをした方が良いでしょうね」


「8層の魔物ってなんですか?」


「巨人族よ」




巨人族って何だろう?

アイシャの前を辞するとヒックスの冒険者ギルドに立ち寄り、資料を見せて貰った。



========================================


巨人族とは『トロール』『ゴーレム』『アルゴス』の総称


亜人族の中でも特に巨大化する魔物も該当する

『ミノタウロス』が該当する


種族:トロール

魔法:無し

特殊能力:無し

脅威度:B


種族:ゴーレム

魔法:無し

特殊能力:無し

脅威度:B


種族:アルゴス

魔法:無し

特殊能力:無し

脅威度:A


種族:ミノタウロス

魔法:無し

特殊能力:無し

脅威度:B


========================================



いずれも特殊能力は無いが、脅威度はB~A。

超パワー系と言うことらしい。




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