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世界が終わりを告げるまで  作者: なずな
エルフの聖域編
9/20

エルフの聖域編 7話書庫その2

「な、なんなのよこれ…………………………」


祈が言う。直人も言葉を失う。


「村のおきてか……………そういえばナセータ、親父さんのことは話してたのに、母親のこと話してなかったよな」


直人は言う。祈はハッとした顔をし口を開く。


「わ、私…!ナセータから聞いた。お母さんのこと…………。ある日突然姿を消して、それ以来会えてないって…………………………」


直人はなんとも言えないような顔をし、頭を下げる。


「殺されたのか…………………………」

「っ!!」


祈は絶望した。


「そんな…………でもナセータ言ってたじゃない!?この村は人とエルフが仲良く暮らしているって……………こんな、こんなの……………」

「祈落ち着け。焦ったっていいことなんてない……………。」


ふたりは一分くらい黙ったあと祈が口を開く。


「ナセータ。このこと知っているのかな?」

「……………どうだろうな…。」


直人が言う。その時

コツコツカンカン

杖をつくような音と足音が聞こえる。二人は音の聞こえる方をじっと見つめる。すると奥からヒゲの生えたおじいさんが出てきた。


「フォッフォッフォッ。珍しいのぉ~ここにあの子以外の客人とは。」


おじいさんが二人に話しかける。二人はきょとんとした顔になる。だがそんな二人を気にせずおじいさんは話しを続ける。


「どれ。欲しい本は見つかったかね?」


祈が困惑しつつ、おじいさんに話しかける。


「あ、いや私達別に本が欲しかったわけじゃ……………」

「むむっ!?その本はエスリー村歴代村長ではないか!いやぁ〜ありがとうありがとうずっと探しておってな。」


おじいさんは祈から本をとり、感謝する。二人はさらに困惑する。


「あぁ〜。そういえばあの子に頼まれてた本も探さないとな。えっ〜と、どこにあったけな。」


おじいさんは本棚をゴソゴソと漁りだした。二人は呆然とおじいさんを見ていた。


「なぁお二人さんよ。本をみなかったかね?」


おじいさんが振り返り二人に聞く。祈が少しビクッとしながら聞き返す。


「えっ、えぇ~。本?どんな、なんて本ですか?」

「あぁ。確か………」


おじいさんは斜め上を見て思い出そうとする。


「あ、そうそう確か〝人間界の超能力者〟!」


二人はびっくりし、顔を見合わせる。直人が口を開く。


「人間界の超能力者って……………」

「それで?本は知らないかね?」


おじいさんは気にせず話しを続ける。その質問に対して祈が答える。


「私達は見てないです。」

「そぉ〜か。むっ!?」


少しおじいさんがシュンとしたように見えたがいきなり一番下の段の本をあさりだす。


「あ、あの〜おじいさん?」


直人が聞く。


「あったぞぉ~!!」


おじいさんが本を取り出した。二人は急の大声によりびっくりした。おじいさんはまたそんな二人を気にせず話し続ける。


「いやぁ〜よかったよかった。これでいつナセータちゃんがきても渡せる。」

『えっ!?』


二人は同時に驚く。続けて直人が話す。


「ナセータのこと知ってるんてすか!?」




「ふぅ……………」


おじいさんは大きめの机と持たれかけることのできる椅子に座る。


「あぁ。お二人さんもそこ、座ってええよ。」


ソファーを指差し話すおじいさん。


「えっ?あぁ、ありがとうございます?」


直人がそう言い、二人はソファーに座る。


「それで?お二人さんはこの書庫に何をしにきたんだい?」


祈が答える。


「書庫に来たかったわけじゃないんですけどね……………」

「ふむぅ。あ、ところで今日何日か分かる?」

「え?今日?」


直人が答える。


「今日は確か、6月の26日だったはず〜」


おじいさんは少しびっくりした顔をする。


「6月26!?お二人さんもしかして人間界の人!?」


祈が驚きながら言う。


「え?あ、はい。そうです。でもなんでわかったんですか?」

「わしらはそのような数字で表さないからな。でも大丈夫だ。わしはこれでも優秀だからな計算をすれば今がこっちの世界で何日か分かる。えっとぉ〜。」


おじいさんは引き出しから電卓のようなものを取り出し計算している。その時祈が直人2こそっと話す。


「悪い人ではなさそうね。」

「そぉ〜だな。ちょっと情緒が不安定な気もするけど……………」


二人はおじいさんの方を見る。


「な、な、何じゃとぉ〜〜!!!!!!!」


おじいさんが急に大声を出す。二人はびっくりし、祈がおじいさんに聞く。


「きゅ、急に叫んで何なんですか?!」

「な、な、……………」

「な?」


今度は直人が聞く。


「なんともうXエックスがつなのか!」

「X月?」


祈が聞く。おじいさんが二人を見ながら言う。


「お二人さん聞いてくれ。どうやらわしは一ヶ月も寝ていたようじゃ」

『………………………………………』


二人はおじいさんを見つめる。


『はぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!??!!?』

「一ヶ月もどうやって眠りについてたんですか!!?」


直人が焦りながら聞く。おじいさんは人差し指を合わせながら口を開く。


「いやぁ~、そのぉ〜。わし発明の機械で………」

「………………………………………」


祈は少し引きながら何も言わない。


「はぁぁぁ」


直人はため息をつく。だがすぐにニヒッと笑い、


「変なじいさんっすね」


と、いった。それを聞いた祈も思わずクスッと笑う。


『あっはっは』

笑った二人を見たおじいさんは少し照れながら笑った。



「さて、一ヶ月も寝ていたもんだからな。外は今どうなっているのやら」


それを聞いた祈と直人は顔を見合わせる。祈が口を開く。


「今!エスリー村が大変なことになっているんです。」


「……………え?」






「はぁ、はぁ…………………………」


彼女は走り続けエスリー村近くにやってきた。


(……………やっぱり。エスリー村に近づけば近づくほど変な気配を感じる……………)

「………………………………………」

「無事でいてちょうだいよ…………………………」


「・・・・」

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