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世界が終わりを告げるまで  作者: なずな
エルフの聖域編
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エルフの聖域編 6話書庫その1

「えっと……………琉たちはあっちから来たよね?じゃあ別の方向を探したほうがいいかな?」


祈が琉たちの来た方向を指差し、話す。


「そうね。あっち方面じゃない道を探すなら……………あっちか、あっち」


里恵も指で差しながら話す。直人は頭をかきながら口を開く。


「どっちに行くべきか……………」


祈、琉、里恵、直人の4人は頭をひねる。ナセータは一歩前にでて、ネックレスを出す。ネックレスは光だし、片方の道を照らした。ナセータは4人を見つめる。4人はナセータを見つめ、何も言わずに頷く。そして5人は照らされた道を走って行った。



しばらくし、別の部屋についた。凸凹している不思議な部屋だ。5人はできるだけ近くにいつつ、部屋を探索する。


「不思議な形の部屋ね。」


里恵がそういい、壁をよく見ようと近づき、かがんだ体勢をした時、いきなりその壁に穴があき、里恵は落ちてしまった。


「いやぁぁ!!!」

『っ!?』


里恵の叫び声に気づき、里恵の方を4人が見る。


「っ!里恵!!」


直人が穴のあいた壁まで走ろうとしたがその瞬間一部の床に穴があいた。


「うぉっ!!?」「へっ?」


その場に立っていた祈と直人は下に落ちて行く。


『うわぁ!!!!』

「祈!直人!」


琉は叫ぶ。ナセータは後ろに下がりながら口を開く。


「な、なんなの?いったい……………」

「っ!ナセータちゃん!下がっちゃ駄目だ!」


琉の声を聞き、ナセータが後ろを振り返るとそこに床はなく、ナセータは落ちそうになる。


「っ!」


琉は必死に走り、ナセータの腕をつかむ。


「琉さん……………」


ナセータは琉を見る。だがナセータの視界に琉の後ろに人影が移り、叫ぶ。


「琉さん!後ろ!!」

「え?」


琉はそいつに背中を押されふたりは穴に落ちていった。




『ゔわぁ゛ぁ゛!!』


ドンッ!


「いったぁ……………」


祈がさすりながら言う。直人も頭をかきながら立ち上がり口を開く。


「たくっ……………合流できたのにまた別行動かよ…」


そういいながら直人は祈に手をだし、立ち上がらせる。祈は周りを見渡しながら言う。


「書斎……………いや、書庫って言葉の方があうかな?」


直人も祈が話終わるまで祈の方を向き、話終わってから周りを見渡す。


「そうだな。ちょっと探索するか、」

「…そうね」


ふたりは書庫を歩きまわる。5分くらい歩き続けただろうか。


「!直人……………あれ…」


祈が上の方にある本を指差す。直人は目を細めながら本の題名を読む。


「〝エスリー村 歴代村長〟……………」 


直人は祈りの方を向き口を開く。


「あんなの見てなんになるんだ?」


それに対して祈は答える。


「さぁ?でも何か読まないと進まないじゃない……………。一番この村、この聖域に関係ありそうな本だし。」 


直人も言う。


「それもそうか。オレ等が見つけるのが下手なのか、どうでもよさそうな本しかねぇ~し。んだよ〝ピアノの育て方〟って!」


祈は直人を見る。


「直人、あの本届く?」

「あ?」


直人は本棚を見る。


「無理だな。さっき脚立あったし持ってこよう。」

「そうね〜」



「よっと。」


祈が本を取る。脚立からおり本をめくる。直人も覗き込む。


〝エスリー村 歴代村長〟

次のページから歴代の村長の顔写真と名前、それから祈たちには分からない数字のようなものでおそらく村長を務めていた年月が書かれていた。1ページずつ祈が本をめくっていく。


「全員名前がフィーリ・チッタで終わるのね。つまりナセータの家系は代々村長を務めているってことよね?」


祈が本を見ながら言う。


「あぁそうだな。それだけじゃねぇ。村長は全員男だ。」


直人も本を見ながら言う。祈はそれに対して頷きながら本のページをめくり続ける。


「っ!」


祈のページをめくっている手が留まる。直人も驚いたような顔をする。


「んだよ…………………………これ……………」


〝村長は男がなるべきもの。次期村長である男を産めない女は罰としてめいを落とすべし〟



エルフと人が仲良く暮らしているはずの村の裏側が見え始める。

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