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世界が終わりを告げるまで  作者: なずな
エルフの聖域編
7/20

エルフの聖域編 5話動き出した

「……………」


机の下を覗く里恵。顔は少し不満そうだ。


「〜〜!なんっにもないじゃない!」


少しビクッとした琉が里恵の方をみて口を開く。


「そんなこといったって……………」

「まぁ、実際そうだよな〜。かれこれいろんな部屋を探しまくってここで14部屋目、時間で表せば体感約1時間15分くらい…………なんにも見つからねえからな〜」


直人が棚をいじりながら答える。琉が下を向く。


「祈たち、大丈夫かな…?」


琉がボソッと口を開く。直人の手が留まる。里恵も琉と直人の方をみた後直人だけを見つめる。


「きっと、大丈夫よ。」


里恵が答える。少し暗い雰囲気を感じとった里恵が明るい声で


「祈ちゃんたちに会いたいなら早くここから出ないとね!」


と、いい。ニヒッと笑顔を見せる。それを見たふたりは微笑み、


「そうだな〜」

「部屋変えてみようか」


そう言って3人はまた動き出した。




「あんな大きくて強そうな敵が目の前にいるのに、なんか余裕そうなのね」


ナセータが祈に言う。祈はつるぎを抜き答える。


「まぁ、なれてるからね」

「こんな状況になれるなんて…一体どんな生活してるの?」


少し笑いながらナセータが言う。祈は口角を上げた。それを見てナセータも口角を上げる。


「さ〜て。これ久しぶりに使うからな〜。」


ナセータは片手を前に出し、目を瞑る。


「ザ・ガーディアン・ゴッド・オフ・ライフ!」


ナセータがそう唱えた瞬間光のやりのようなものがでてきた。


「それ本当に草木に関する魔法!?」


祈は思わずツッコむ。ナセータは前に出していた片手を引く。すると光の槍も同時に引かれる。ナセータはいつもより大きめの声を出し、祈に言う。


「祈!間合いに入って近距離戦をお願い!」


獣人の方を向きながらしっかりナセータの声を聞き取り、頼もしい声で答える。


「了解!」


祈は走り出す。近づいてくる祈に向けて獣人は大きなハンマーを振り下ろす。祈はジャンプをし、そのハンマーを避ける。ハンマーは床に刺さり、抜けにくくなる。祈はハンマーの上におり、すぐにまた走り出しハンマーの端まで行く。思いっきりジャンプをし、獣人の後ろへと周り獣人の背中に向けてつるぎを刺そうとする。しかし、床に刺さっていたハンマーが抜け、獣人はハンマーをもち後ろに振り返る。


「っ!!」


祈の目の前までハンマーが来る。その時。


神槍しんそう!!!」


ナセータがそういい、後ろに引いていた手を前にだす。と、同時に光の槍も前に出る。光の槍は獣人の背中に突き刺さる獣人の体制が崩れ祈にあたりかけたハンマーもずれる。


「ナイス!ナセータ!」


体制の崩れた獣人に向けて祈は最後の一撃を入れた。


「ぐぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」


獣人は倒れ込んだ。気絶したのを確認し、つるぎを祈が抜く。血のついたつるぎを振り、血を落とす。ナセータが駆け寄る。


「祈!大丈夫?」


祈は頰についた血を拭いながら笑い、答える。

「うん。全然平気。それよりナセータ、ナイス援護!」


少し照れながらナセータが微笑む。


「祈のおかげ…………」


トタトタトタ

複数の足音が聞こえる。ふたりはまた戦闘態勢をとり、警戒する。


「祈!」


聞き覚えのある男性の声。


「っ!?」


祈は驚き、つるぎを下げる。


「よかった。やっと会えた」


琉が走ってくる。その後ろを走る里恵と直人。


「琉さん。里恵さんに直人さんも………………」


ナセータがつぶやく。里恵がナセータと目を合わせ、微笑み、祈の方をむき口を開く。


「さっきすっごい音がしたけど…………」


里恵は、血のついた祈の頰や床をみる。


「祈ちゃんがやったみたいね。」


祈は里恵を見て答える。


「ナセータがいいフォローしてくれたからね。」


里恵は少し驚いたような顔をし、ナセータを見つめる。それに気付いたナセータは里恵の方を見て微笑む。


「っ!…」


里恵は少し下を向く。


「そう…ナセータちゃんは強いのね。」


里恵が笑顔に戻り、明るく言う。直人がタイミングを見て言う。


「移動しようぜ。そろそろ…」




彼女は鼻歌を歌いながらお茶を淹れる。お茶の入ったカップとクッキーの皿をお盆にのせ、キッチンから机へと移動する。彼女はお茶を飲む。


「うん。やっぱりお茶はアルグリーズよね。クッキーも上手く焼けたし…!」


彼女は棚の上に置いてある写真立てを見つめる。その表情は少し悲しそうだ。彼女は椅子から立ち上がる。かけてあった帽子のついたマントのようなものをはおり、仮面をつける。扉を開け、彼女は外へ出ていった。


(今、何か……………嫌な気配を感じた。少し、少し見るだけだから…………………………)

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