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世界が終わりを告げるまで  作者: なずな
エルフの聖域編
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エルフの聖域編 1話妖精の町

「ん~~!」


伸びをしながら歩く少女。中学2年の草薙祈は聖域という世界を救うための能力者だ。


「何?朝っぱらから、疲れてるの?」


祈と一緒に投稿していた里恵が、祈に問う。


「う~ん、ちょっとね。」

「ふ~ん。あ!そうだ聞いてよ!」

「ん?」

「昨日SNSの掲示板サイトを見てたんだけど、ちょっと聖域に関係していそうな記事を見つけたんだ!」


祈は視線を里恵にむけ、里恵も祈が聞いていることを確認して話を続ける。


〝妖精のいる湖〟


ある公立の中学校の裏には深い森があるの、そしてその森には生徒たちのほとんどか知っている、綺麗な湖があるんだって。でも最近はそこに近寄った人が全員行方不明になっているらしい。生徒も先生も調査に行った警察の人もいなくなっているらしい。これ以上行方不明者を増やさないために、今は調査を停止しているらしいんだ。でも、この掲示板を書いた人は見ちゃったらしいんだよ。小さくて綺麗な女の子がお友達を湖に落としたところを。怖くなって必死に森から逃げ出したらしい……次の日、そのお友達は学校に来ていなくって、行方不明者の一人になっていたんだって。


「ていう、話なんだけど、祈ちゃんどう思う?」


里恵が祈に問う。


「小さな女の子、か。この前、管理人を助けた、火山の聖域の街にいた人に聞いたんだけど、〝エルフの聖域〟って言うのがあるみたい。」

「エルフ……………」


里恵が祈を見つめ、言う。


「祈ちゃんはその小さくて綺麗な女の子がエルフだと予想しているんだね。」


祈が里恵の方に向き頷く。


「とにかく、これは琉と直人にも話しとかないとね~」


祈がまたのびをしながら言う。

里恵は祈を見て、何も言わず隣を歩いていた。




放課後

教室


「妖精のいる湖か……………」


琉は手を顎にあて考えている。


「祈ちゃんはさっき話した女の子を妖精いや、エルフって言ったほうがいいのかな、まぁとにかく女の子をエルフだと思っているのよね」

「うん。やっぱ、聖域の人だし、操りもといてるから嘘を付く必要はないと思うから、今回に関係してなくてもエルフの聖域はあると思う。」


直人は3人が話しているのを横で聞きあくびをした。


「まぁ、とにかくその妖精の出る湖?に行けばいいんじゃね?」

「うん。私も賛成」


祈は直人の意見に賛成をしていた。その時


「妖精の出る湖に行くの?」


鈴仙夏澄れいせんかすみ。この学園のモテ女。


「鈴仙さんも知ってるの?妖精の出る湖」


里恵が夏澄に聞く。


「うん。知ってるよ。実はあの中学校に私のお友達が何人かいてね。その中には行方不明になっちゃってる子もいるのよ」


夏澄は4人に笑顔を見せる。


「なんでみんなは湖に行きたいの?」


祈は少しゾクッとした。すべてが見透かされているようだった。里恵は答えた。


「私の友達もいるの。行方不明になった中に、だからちょっと気になって……てきな?」


里恵の嘘だ。夏澄は黙って里恵を見つめた。


「ふ~ん。まぁ、いいわ。でも普通には入れないよ。あそこは立入禁止になってるからね。」


夏澄は紙とペンを取り出し一番近くにあった直人の机をかり、何かをかいている。


「どうしても行きたいなら、これを見て行くといいよ」


そう言って夏澄は書いていたメモを琉に渡した。そこに描かれていたのは簡単な地図だった。琉は夏澄に一言お礼をいい、教室からでていった。


「あ、ちょっと…………!」


祈が琉を追いかけ、教室を出ていった。


「琉、急にどうしたんだろうなぁ〜。里恵、オレ等も行くか?」

「あったり前でしょ?ほら行くよ!立って立って!あ、鈴仙さんどうもありがとう」


夏澄はニコッと笑って答えた。


「全然。気をつけて行ってきてね」


そう言って二人も教室から出ていった。


「…………………………」


夏澄が小声で言う。


「妖精……………か…………………………」




公立中学校


「この山か……………」


琉は山を前に声を上げる。後ろから祈が走ってきた。


「はぁ、はぁ、ちょっと琉。なんであんなすぐに行っちゃったの?」


祈は息を切らしながら琉に問う。


「えっ?あ、いや……………なんか勝手に身体が動いてたって感じかな?」


息が落ち着いてきた祈が琉を見ながら眉を下げる。


「そっ……………」

「二人ともー!」

「里恵。直人も。」

「はぁ、はぁ。もぉ~!疲れた!」


里恵は少し怒っている。


「普段運動しないからだろ」


直人が里恵をからかう。里恵は直人に怒りをあらわにした。そんな二人を気にしないで立入禁止のテープをくぐり山に一歩踏み入れる琉。祈は少し不安そうな顔をして、里恵と直人の方を見て琉を追いかける。

琉は湖の目の前までいき、つばを飲み込む。不安に満ちたような顔だ。息は荒げている。


「ちょっと大丈夫?」


後ろからやってきた里恵が琉を心配する。その言葉にハッとした琉が答える。


「あぁ。大丈夫。この湖に入るとエルフの聖域に行けるらしい。」


祈と直人は普段と様子の違う琉を心配そうに見つめていた。直人が


「はぁ〜」


琉の肩を叩く。里恵はそんな直人に


「何よ、急にため息なんてついちゃって、」


と言う。いきなり肩を叩かれ組まれた琉は驚いたような顔をして直人を見ている。


「いや。湖に入るだけなら何もビビる必要とかねぇよなって思って」


直人なりに琉を励ましているのだ。それに気づいた祈もこう言う。


「そーだね!みんなで行こう!」


里恵も二人を見て微笑んだ。


「なに?みんなして急に変なの」


少し笑いながら里恵が言う。琉はみんなを見て笑い覚悟を決めた目を見してこういった。


「それじゃあ、行こう!」


全員で一斉に湖に飛び込む、その時湖が急に光りだした。4人は目を瞑る。

次に目を開けるとそこは見たことのないような綺麗な場所だった。


「ここがエルフの聖域?」


里恵が言う。祈は周りを見渡す。大きな大木が奥にありおそらくそれを中心に街が広がっている。4人がいた場所には噴水がある。周りも木が生い茂っており、木で作られている建物がずらりと並んでいる。


「綺麗……………」


祈はおもわず口に出す。直人も驚いている。だが琉は疑問に思った。


「こんなに広いのに人、いや、エルフが一人をいないね。」

「そうね……………」


4人で周りを見渡す。するとその時、


「ねぇ、あなたたち!」


誰かが走って来た。目をキラキラと輝かせているその女の子は背丈が低めで耳がとんがっており、綺麗な金髪をしていた。まさにエルフといった感じだろう。


「あなたたち…!もしかして伝説の勇者!?きゃぁ~!やっぱりあの本の内容は本当だったんだ!」


両手を頬にあて一人で興奮をしている。4人は戸惑った。


「あの……………」


里恵がその女の子に声を掛ける。その声に気が付き、里恵の方を女の子が見る。


「私達、別に勇者じゃ…」


3人が頷く。それを見て驚く女の子。


「えぇ~!嘘!だってだって、本のとおりだもの!」


女の子が言う。だがその時、馬の足音だろうか、生き物の足音が複数なりだした。女の子は誰もいない道の方を睨み4人にこう言う。


「まあ、話は後でいいわ。こんなところにいたら見つかってしまう。うちにいきましょ。ついてきて。」


女の子は歩き出す。4人は迷い、顔を見合わせたが女の子が


「早く!……………殺されるわよ」


と言うと、4人はついて行くことに決めた。


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