鏡の聖域編 3話クレアドルーン
どうも、草薙祈です。今私は琉と直人に里恵の事を話し終えたところです。
私が話を終えた後、琉は少し考え、口を開く。
「鏡、か…………」
「うん。」
「聖域が関係しているんじゃないかって…俺は思う。」
「私も、……あんなの聖域が関係しているとしか思えない……………」
「…………………………」
直人は何も言ってくれない。詳しくは知らないけど、まぁさっきの流れ的に里恵と軽く喧嘩でもしたんだろうな。
私は答えが分かったうえで直人に質問する。
「直人は…里恵のこと…心配じゃないの?」
「!…………………………心配…してない………」
『…………………………』
私と琉は直人を見つめる。直人は話を続ける。
「って…言ったら嘘になるな……」
『っ!…』
直人は微笑んで私達に言った。私も微笑み返し、頷く。
「うん。一緒に助けに行こ」
「あぁ。」
琉は手を出し、私も琉の手のひらの上に自分の手のひらをのせる。直人ものせ、口を開く。
「んじゃ、パッパと助けに行くぞ!せ〜の__」
『おぉ~!!』
私達は一斉に手をあげる。琉が手をおろして私に聞いてくる。
「それで、どうやってその聖域?に行くの?」
「………………………………………」
「祈?」
私は焦りながら口を開く。
「ご、ごめん…考えてなかった…………」
私がそう言うと琉と直人は目をパチパチさせながらこちらを見ていた。琉が焦りながら口を開く。
「あ、えっとごめんね。祈にばっか考えさせて……………」
「使えねぇ〜な〜笑」
直人がそう笑いながら私をからかってくる。私は少しムッとなり反論する。
「し、仕方ないじゃない!?里恵が急に消えちゃって、急いで探しに来たんだよ!?」
直人に急に近づき直人の目をじっと見て私そう言う。直人は少し、頬を赤らめ、焦りながら謝る。
「わ、わりぃって……だから離れろよ……!」
「あ、ごめん……………でもなんで顔がちょっと赤いの?」
「気にすんなよ…!ば~か」
「あっはは……………」
琉は私と直人の会話を聞いて少し笑っている。私は本当に直人がなんでそんな感じなのかが分からない。でもそんな事を気にするのは今じゃない。私がそう少し切り替え口を開こうとした時、琉が先に口を開いた。
「とりあえずその里恵が吸い込まれた鏡のところに行けばいいんじゃない?」
「…………………………」
「あ~、ありだな」
「だよね…!」
「祈、急に黙ってどうした?」
「え、あ~だって……………」
私は少し黙り考え、困り笑いをしながら話し始める。
「だって里恵が吸い込まれた鏡、女子トイレの鏡だよ?」
「はああぁ!?んじゃ…どうすんだよ…」
「…………………………」
「どうしよう…………」
「…………………………なんか案あるか?琉…」
「え?俺?」
「あぁ」
直人が頷き、琉は黙って考える。数秒たったあと、琉は口を開く。
「頑張ればいけるかなってのが一つ……………」
私と直人は琉の方を見て話を聞いた。
女子トイレ
「あんま長いはできない、とっとと里恵のところに行こう。」
直人は私達にそう言う。私と琉は頷き鏡を見つめる。それにしてもトイレに置いてある“清掃中、立ち入り禁止”の看板か役に立つなんて思わなかった。基本的に清掃は放課後にやるが、大きな汚れをつけたら自分達でそのとき掃除をするという決まり、これが役にたった。と、そんな事を考えている暇はないか、はやくいかないと……
「どうやったら入れるかな?」
「う〜ん…………祈、里恵がいなくなった時、里恵はどんな行動をしてたか覚えてる?」
「えぇ~…あんま覚えてないけど……………たしか…………………………」
私は鏡に手を置き目を瞑る。しばらくたった後に私は目を開け手もはなす。
「…………………………」
『…………………………………………………………』
やっぱりダメかな…。そう思ったが、その瞬間鏡があの時と同じように光りだした。鏡から出る光は私達を照らし出す。
「…………………………!行こ……!」
『あぁ!
うん!』
2人がそう同時に返事をして、私達は鏡へ飛び込んだ。
鏡の聖域
✾
私達は1年能力者をやってきて他の能力者にあわなかった、それはきっとかなり珍しいことなんだと思う。
「ねぇ紅葉、貴方は能力者何年目くらいなの?」
「え?何年目か?う〜ん……」
私の質問に紅葉は斜め上を見つめながら考える。数秒考え続けぱっと急にこちらを向き紅葉は口を開く
「ざっと4年くらいかな!」
「4年!?小5の時からなの?」
「そうそう」
「…………………………」
4年前、小学生の頃から命をかけて戦ってきたなんて私は信じられなかった。私のそんな表情を見て紅葉は少しニヤッとして話し始める。
「信じられない?でも4年なんて私からしたらかなり短い方なんだよ。意外とたくさんの能力者に会ってきたけどね、10年やってきた人とか結構いるんだよ!うちのギルド団長も10年以上やってるはず!」
「10年…………………………………」
「そうそう!だから___」
ザ_…ザザー
『っ…………』
紅葉が何か言いかけたとき、紅葉の脚についていた通信機のようなものが鳴り始める。紅葉は通信機を耳に当て、応答する。
「はいは〜い。こちら紅葉、」
[あぁ、紅葉か?今何処にいる?]
「今?今は___」
通信機から軽く声が聞こえる。通信相手は老人、ってほどでもないが若そうでもない、50歳くらいの男性だろうか?紅葉はおそらく私が来る前に調査したことを話している。
「うんうん…は~いりょーかい。んじゃまたね〜」
紅葉は通信を終え、私の方を見る。
「もういいの?」
「うん。だってもうすぐここに着くらしいから!」
「え…」
私が驚いて、紅葉に詳しく聞こうとした時、
「あ、いたいた!お~い紅葉〜!」
声のする方に私と紅葉は振り返る。紅葉はぱぁっと明るい表情を見せ、大きな声をあげる。
「薫さ〜ん!!」
「紅葉ちゃん!」
奥から走って来た女の人がニコッと笑って紅葉のことを呼ぶ。私には紅葉呼びを半強制したのに、この人にはしないんだ。なんて軽く思ったが、まぁ年上だろうしいいづらかったんだろう。見たところ大学生ぐらいか、いってても20代前半くらいに見える。
「あれ、この子…」
おそらく薫という名前の女性が私に気づく、紅葉が紹介しようとした時、また別の人が奥から走ってきて口を開く。
「ちょっと薫さん。そんなに走らないで……僕も、団長も…そんなに走れない………………………」
「もぉ~。団長はともかく、駿くんはもっと体力つけなくちゃ!」
「そんなこと……いわれても…………」
奥から走ってきた男性。眼鏡をかけていて息があがっている。おそらく運動は得意ではないのだろう。多分駿って名前で、この人も大学生くらいかな?私はそんな事を考えながら紅葉を見る。紅葉は2人を見ながらニコニコし、口を開く。
「2人はほんとに仲良しですね!」
その言葉を聞いた2人は目をパチパチさせる。すぐに男の人は興味なさそうに目をそらしたが、女の人はニコッと笑ってしゃべりだす。
「ふふっ!まぁ〜ね!でも私、紅葉ちゃんとも仲良しだと思ってるよ?」
「!嬉しい、!」
紅葉は少しびっくりしていたがすぐに微笑んで明るく返した。微笑んだ紅葉は明るい笑顔とはまた違って優しそうな表情だった。見ているこっちまで自然と微笑む、そんな表情だった。
コツコツ
さっき2人が来た方向からまた足音がする。私はもちろん紅葉や他の2人もそっちを見る。
「あ!せんせ~!!」
紅葉はそう大きな声で呼びながら大きく手を振る。50代くらいの男性が歩いてくる。
「団長」
眼鏡の男の人がそう言う。この人が団長。つまり紅葉のさっきの通信相手だ。優しそうな表情で団長はこちらを見て口を開く。
「君が、紅葉の話していた子かな?」
「え…!あ………」
急にそう言われ私は慌てる。紅葉を見つめて助けを求める。紅葉は何かを察してくれて口を開いた。
「そうそう!私と同い年の能力者!」
紅葉はそう言い、私にコツンと肘をつく。私は慌てて敬礼をする。
「は、はじめまして。一般ギルド所属、青龍院里恵です!よろしくお願いします!」
「…………………………」
なんで何も言ってくれないの!敬礼しているから表情も見えないし!私どうすればいい!?そんな事を考えているうちに団長が話し始める。
「私は調査隊ギルド、クレアドルーン団長、宮木勝彦です。」
私は顔を上げ、話しを聞く。勝彦さんが話し終えた後女の人が話し始める。
「さっき紅葉ちゃんとの通信の時にあなたのことを聞いたのよ。」
「そうなんですか?」
「そう、僕も聞いてた。」
男の人もしゃべりだす。私は紅葉の方を見る。だが紅葉は気にせず元気にしゃべりだす。
「せんせはね!先生なの!私の学校の!」
「中学校の先生って事?」
「そう!理科の先生でね!生徒からも人気あるんだよ!それでねそれでね、薫さんは〜__」
紅葉が話しを続けようとした時、
「ストップストップ!まだ私達自己紹介してないから先にさせて。」
女の人が止めて紅葉頷く。紅葉に女の人は微笑み話し始める。
「私は木原薫よ。よろしくね。ほら」
薫さんが話し終わったあと、男の人に肘をつつき、合図する。
「ちょっと、わかってますって。楓駿。まぁ、よろしく。」
「愛想悪いわね〜笑」
「いいじゃないですか!別に!」
2人が軽く言い合っている事を気にせず紅葉は話し始める。
「駿さんはね~!大学生なんだけど、大学内でBEST10に入るくらい頭がいいの!」
「へぇ~。すごい。」
「だよね!それでね薫さんはね!もう仕事がバリバリにできるらしいの!女子力も高いし!」
「へぇ~。」
働いているんだ。高卒ってことかな?それとも大学卒業してすぐとか?私がそんな事を考えながら紅葉を見る。
「ほんとに!27歳には見えないよね〜!」
「ちょ、ちょっと紅葉ちゃ~ん!言わないでよ〜!」
「あっ、ご、ごめんなさ〜い。」
「はははっ!若いってのはいいね〜」
「ちょっと団長!それに、もう若いって年齢ではないでしょ!頑張っても後3年……」
「3年も、だろ!」
「3年しかです!」
ワイワイと話し合っているなか私は、
「に、27歳!!??!!?!」
「え、う、うん。認めたくはないけど…」
「嘘…見えない……………」
「え!ほんと!?それは嬉しい…」
「…………………………」
私は信じられず薫さんを見つめる。信じられなかった。本当にそうなのかと少し疑っていた時、
「ほら紅葉……………」
「!……………なに?」
勝彦さんが紅葉に、話しかける。紅葉はもちろん、私や薫さんたちも勝彦さんを見る。紅葉は勝彦さんが何か話し始めるのを待っていたが勝彦さんは紅葉を見つめて優しそうに少し微笑んでいるだけだった。
「…………………………なに?せんせ…」
紅葉が待ちきれずに聞くと、勝彦さんは少し驚いてハハッと笑う。紅葉は少しびっくりして口を開いた。
「な、なに!?そんな笑う要素あった?!」
「いや、やっぱり君はまだ顔から読み取ることが苦手だね。」
「…………………………」
紅葉は少し目を開いて肩をおとす。私達3人は紅葉の方を見る。紅葉はとても分かりやすい。呆然としていることがさっきあったばかりの私でも分かるくらいに。そしてこの後、きっと軽く反論する。
「……し、仕方ないじゃ~ん…!」
ほら。少し照れつつ、笑いながら軽く反論する紅葉を見て私は微笑む。実際に見てはないけど、多分みんな微笑んでた。
「もぉ~…………」
紅葉はまた少し肩をおとし、一回深呼吸をしてから笑って、口を開いた。
「私達4人で調査隊ギルド、クレアドルーンだよ」




