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世界が終わりを告げるまで  作者: なずな
鏡の聖域編
18/20

鏡の聖域編 2話新たな友人

(なんか、すっごい状況になっちゃった〜)


いのりはチラっとりゅう達の方に視線を向けた後前にいる叶那かなた優真ゆうまの方を見る。


(う〜ん。さすがに叶那ちゃん達がいる状態だ里恵りえのこと話すのはまずいよね。どうしよう…)


「…………………………」


何も言わずに祈のことをみていた優真が歩き始め、琉達の前へと行く。


「あの、先輩〜。」


優真は琉達2人に話しかけその言葉に2人も反応する。優真は祈を指差しながら口を開く。


「草薙先輩。2人に用があるみたいっすよ。だから普段来ない部室棟にまで来てるんでしょ……………」

『!』

「あ…」


その言葉に祈、琉、直人なおとはハッとする。さっきまでまっまく笑わなかった優真は少しニヤッとして小声で琉と直人に話しかける。


「惚れた女の子またせるとか最低っすね…」

「なっ……………!」

「…///!」


優真はニコーっと2人に笑顔を見せる。それに対して琉と直人は顔を赤くし琉は下を向き、直人は優真に反論する。


「ちっげーわ、優真!!」

「あれ違いました?それにしては顔が真っ赤ですけど?」

「うるさい!!!」


優真はまた琉と直人を見て口を開く。


「まぁ。ちゃんと草薙先輩の話聞いて上げてください。必死になって2人のこと探してましたから…」

「!…………………………」


優真は琉達をよけ先に進みながら口を開く。


「叶那。行こ。」


叶那は優真の言葉を聞き小走りで優真を追いかける。優真は立ち止まり笑顔で振り返り祈に話しかける。


「それじゃあ。またいつかちゃんとお話しましょう。」

「あ、うん!ありがと!」


祈は優真に手を振り、優真も手を振り返して叶那と歩いていった。笑顔で叶那と優真を見ていた祈の側で琉と直人はコソコソ話し始める。


「聞こえてねぇ~よな?」

「聞こえててあんな平然としていられるかな?」

「ないな。よし!聞こえてないことにしよう!うん。そうに違いない…!それであれ…!」

「めっちゃ言い聞かせるじゃん」


祈はクルッと振り返り琉と直人に話しかける。


「もぉ〜!大変だったんだからね!?」

「うぅ。すいません。」

「ぐうのねもでねぇな」


少しぷくっと頬を膨らませて怒る祈に何も反論できない2人は少しシュンとしている。祈が肩をすくめて、まわりをキョロキョロと見渡し小声で2人に話し始める。


「里恵が鏡に吸い込まれてっちゃたんだけどどうすればいい?!」

『は?』








ニコッと里恵に笑顔を見せる紅葉くれは。里恵は少し戸惑いながらもすぐに口角をと眉を上げ、紅葉の手をとり、口を開く。


「私は青龍院里恵せいりゅういんりえ。一般ギルドに所属している中学2年生よ。」


その言葉に紅葉は目をあけ、ぐいっと体を里恵に寄せ里恵の手をとる。


「同い年なの!?私同い年の能力者に会ったことないの!」

「そ、そうなの…奇遇ね。私もよ。同い年に限らず他の能力者に会ったのがはじめて…………」


里恵は少し焦りながら会話を続ける。


「里恵のはじめていただいちゃった!」

「なんか、その言い方怪しくない!?大丈夫!?」


里恵はだんだんと紅葉のペースにのまれていく。紅葉はポケットからスマホを取り出し里恵の目を見て話し始める。


「ねぇ~、連絡先交換しよ?」

「え?」

「だめ?あ、もしかしてメールとかやってない?」


綺麗な瞳と整った顔立ちで詰め寄られ里恵はスマホを取り出し画面を紅葉に見せる。


「わぁ!やった!ありがと!里恵!」

「あっはは……………」


(普段から顔がいい祈とか琉とか鈴仙れいせんさんがそばにいるから顔がいい人には強いと思ってたのに〜!)


里恵は悔しそうな表情をするが紅葉は気にせずスマホをいじっている。


「あ、そういえば里恵……」

「え…な、何?」


里恵はすぐに切り替え笑顔を紅葉に見せる。


「さっき押し倒した時大丈夫だった?怪我とかしてない?」

「え?」


里恵は思い出してまたすぐ笑顔をみせ口を開く。


「大丈夫、大丈夫。あれドラゴン?みたいなやつから守ってくれたんだよね?ありがと!紅葉ちゃん」

「…………………………」

「?…どうしたの?」


紅葉は急に黙り始めたがすぐにハッとして返事をする。


「え…、あ、うん!でも里恵ほんとに感謝してよね!私がいなかったら大怪我だろうね!」

「?…う、うん………………紅葉ちゃん。私何かしちゃった?」

「え?……別に、」

「嘘だ!だって絶対態度変わったもん!紅葉ちゃんは命の恩人だし、なんでもいうこときいてあげる!」

「!ほんと!?」


紅葉は里恵の方に身を乗り出す。里恵は少し腰をそり焦りながら口を開く。


「い、一個だけだよ!」


紅葉は目をキラキラさせて口を開いた。


「呼び方!」

「え?」

「紅葉ちゃん。じゃなくて、紅葉って呼んで

!」

「そ、そんなこと…?」

「そんなこととか言わないでよ!」

「いや、だって思ったより軽い事情だったから……………」

「何?里恵はイジメられたいドMチックな人なの?」

「違うよ!///」

「いやいや、別にいいと思うよ。私は気にしない!」

「だから違うって!」


里恵は顔を真っ赤にして反論する。紅葉は[あっはは!]と声を出しながら笑っている。


「もぉ~!…………………………プッ」

『あっはは!』


里恵は怒るのをやめ2人で声を出しながら笑った。


「ふふ。じゃあ改めてよろしくね。紅葉。」

「はぁ!うん!里恵!」


紅葉はまた目を大きくあけ、キラキラさせる。満面の笑みを里恵に向け、2人は握手をして笑い合った。

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