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世界が終わりを告げるまで  作者: なずな
鏡の聖域編
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鏡の聖域編 1話鏡の聖域

エルフの聖域を救ってからはや1週間。いのり里恵りえは昼休みの始め、学校のトイレの鏡の前で話していた。


「ねぇ……どうする?」

「…………………………」

「エルフの聖域の時みたいに被害が大きくなる前に管理人助けたほうがいいんじゃない?」

「それもそうだね~」


祈と里恵は話を続ける。


「祈ちゃんはなんか聖域に関係しそうな噂とか最近聞いた?」

「最近はあんまり聞かないな〜」

「そっか、」


里恵は鏡に手を添え、目を瞑り少し小さめのため息をする。それまで里恵の方を見ていなかった祈は里恵がため息した後に里恵の方を見た。


「そんなに早く助けたいの?」

「………………………う〜ん……そうゆう訳でもないんだけど……………」


里恵は鏡から手を離す。その時鏡から手のようなものがでてきて里恵のことをつかみ里恵を鏡に引きずり込もうとした。


「え?」

「ちょ!?」

「っ、…………………………祈ちゃ__」

「里恵!」


祈は里恵に手を伸ばしたが届かず里恵は鏡の中に入っていってしまった。


「…………………………」


祈は驚きでしばらく声が出せずにいたがしばらくしてハッとし、言葉をはなつ。


「どういうこと…………………」






「キャアアーーー!」

ドンッ!

里恵は学校ではない場所の鏡からでてきて、まわりを見渡す。里恵はまわりを見渡しているときにハッとする。床にしては不自然な凸凹でこぼこ具合、そして少し柔らかい。里恵は恐る恐る下を見る。


「へ!い、いや!あ、あの…ごめんなさい!」

「いったぁ〜。いきなり鏡から人が出てくるなんて……………」


里恵のしたにいたのは里恵と同じくらいの背丈の女の子。里恵がすぐに上からどき、女の子も立ち上がる。


「!…………………………うわぁ~!」


立ち上がった女の子を見て里恵は思わず声がもれる。膝丈ぐらいの黒のプリーツスカートにブレザーのような服を着ており、黄金色こがねいろのネクタイをしめている。水色っぽいポンチョコートのようなマントのようなものを羽織っており、山吹色やまぶきいろに近い色をした綺麗なロングヘアをしている。だが何より里恵が目を惹かれたのは彼女の目だ。綺麗なオレンジ色で光のあたりかたによって輝いて見える。


「?なに?」

「あ、ごめんなさい。つい綺麗な目だなって……………」

「目?そう?あんま言われたことないけど…」

「いやいや!すっごいきれいです!」

「あっそ………」


女の子は里恵から目をそらす。里恵は少し驚きまたまわりを見渡した後自分を見る。


「この格好…………………………ここ聖域なんだ、」


里恵がそういうと女の子は里恵に興味を持ち出し里恵に詰めよりさっきより明るい声で話す。


「聖域を知っているの!?」

「え?ま、まぁ……一応」

「一応?じゃあ能力者とは少し違うの?…………う〜ん…」

「あ、いや能力者ではあるけど……」


女の子はその言葉を聞いて里恵の方を見ながら目をパチパチとさせる。


「じゃあ、能力者になって日が浅いとか!」

「いや1週間くらい前に能力者になって1年たったけど……………」

『…………………………』

「じゃあ一応ってどういう意味よ?」

「え、いや特に意味は__」


里恵が言いかけたとき、女の子は里恵の手首をつかんで押し倒した。


「危な…………!」

「いたぁっ……!」

「……………」

「…………………………あの…」

「静かに…!」


女の子は遠くを睨み小声で里恵に向かって口を開く。


「こんな開けたところは危険ね。あっちの方行きましょ」







祈は学校の校庭にきてまわりをキョロキョロとしている。


りゅう〜!直人なおと〜!何処にいるの〜?)


「ん?あの子……」


首にかけたタオルで汗を拭いているサッカー部の3年生が祈に気づく。


(あの子確かよく琉達と一緒にいる子だよな…)


「お~い!」

「!はい…!」


先輩に呼ばれ祈が返事をすると先輩は少し驚いて続ける。


「もしかして琉達探してる?」

「!はい!」

「2年生は多分今頃部室で弁当でも食ってると思うけど……………」

「本当ですか!?」

「え?うん………」

「ありがとうございます。行ってみます。」

「あ、うん」


祈は先輩にペコリとお辞儀をして走って部室棟へと向かっていった。





「はぁっ、はぁっ」


部室棟の廊下を走って移動する祈。曲がり角から琉と直人が出てくるのを見つけ少し微笑む。


「やあ〜っと見つけた!」

「祈じゃん。部室棟くるなんて珍しいな」

「どうかしたの?」

「大変なの!里恵が、里恵が」

「あんなヤツどうでもいいだろ…」

「?……なんかあったの?」

「直人、何度も言うけどそれは直人が悪いと思うよ。」

「はぁ?なんでだよ?」


琉と直人が言い合いを始める。祈がなかなか話を切り出せずにいると


「あれぇ〜?」

「!」


その声が、聞こえ祈は振りかえる。


「やっぱり!祈先輩だぁ~!」

叶那かなたちゃん……………」

「珍しいですね、部室棟にくるなんて!」


叶那の後ろからひょっこりと優真ゆうまが顔を出しお辞儀する。


「ども」

「あ、どうも」

「成瀬です。叶那の幼馴染で……」


優真は奥で言い合っている2人を見つめ、また祈の目をみて話し続ける。


「あの2人と同じサッカー部です」

「あ、えっと………2年の草薙です。」


優真はコクンと頷き口を開く。


「草薙先輩。」


優真は一度も笑わない。優真を見て微笑む叶那。言い争っている琉と直人。


(な、なんか……………すっごい状況になっちゃった……………)








里恵と女の子は背中合わせにして床に座り込む。女の子が先に口を開く。


「それで、結局あなたはなんなの?」

「あ、えっと…能力者、一般ギルドに所属していて…なんか急に鏡から手が出てきて鏡に吸い込まれて、この聖域の鏡からでてきて、あなたの上に…って感じ。」

「ふ~ん。」

「あ、あの…」

「ん?」

「あなたは……」

「……………」


女の子は何も言わない。里恵が少しおどおどしていると女の子がポツンと一言だけ口にする。


「私も能力者。」

「え?」

「…………………………」

「………………………………………」


里恵は女の子の方をみるが女の子は里恵のことを見向きもしない。綺麗なオレンジ色の目を細めて遠くをみている。


「私、ここから出ることができますか?」

「なによ急に……………」

「だって私、人とかが住んでいない聖域って始めてで……………」

「住んでいる生き物なら沢山いるわよ」

「え?」

「あなたをここに連れ込んだその手とやらも聖域ここに住んでるんじゃない?」

「あの、この聖域って……………」

「…………………………」


女の子はまた何も言わない。里恵が少しシュンとすると、女の子がはぁ~っとため息をつき口を開く。


「ここは鏡の聖域。なんか現世あっちのいろいろな鏡と繋がってるっぽい。」

「…………………………」

「…………………………」


女の子が首を回して綺麗な瞳を里恵に向ける。


「でれるわよ。ちゃんとね」

「!」

「鏡からでられなくっても、私のギルドメンバーがそのうちくるから……大丈夫よ」

「…………………………そっか…」

「もうやめにするわ!」

「え?何が?」


女の子は伸びをしながら立ち上がり里恵の前へと移動しながら話し始める。


「ギルド団長とかにね、[そのグイグイくる性格は初対面だとびっくりするからやめなさい]って……でもこんなの私らしくないからやめにするわ!」


女の子は里恵に手を出し笑顔で話しかける。


「私は炎月紅葉えんかつくれは。調査隊ギルド〝クレアドルーン〟所属の中学2年。よろしくね!」

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