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世界が終わりを告げるまで  作者: なずな
エルフの聖域編
13/20

エルフの聖域編 11話嘘

『はぁっはぁっ』


琉とナセータは走り続け、大きな広間にでた。


「ここは……………」


ナセータが口を開く。琉もまわりを見渡し、口を開く。


「なんだろうね。ここ…」



「琉か?」


奥から声が聞こえナセータと琉は声の聞こえた方を見る。いつ攻撃がきてもいいよう体勢を2人は整え、琉が目を細めて奥をみる。


「………………」


琉は少し驚き口を開く。


「直人!?」

「……え」


ナセータも琉の声を聞き体勢を崩す。


「やっぱり琉だ〜!」


直人が奥から大きな声で言いながら走ってくる。


「祈…」


ナセータが直人の後ろにいる祈を見つけこぼす。祈と直人は琉とナセータの方まで走り、ついたところで祈が口を開く。


「琉にナセータ。無事でよかった……」


琉が祈を見ながら微笑む。直人がまわりを見渡し、口を開く。


「里恵はいないのか…」


ナセータが直人を見つめながら言う。


「わたし達はあっていないの。その反応ってことは2人も?」


祈がナセータを見ながら頷く。琉が少し心配そうな顔をする。直人も少し俯いたがすぐに顔を上げ口を開く。


「とりあえずちゃっちゃっと聖域を助けちまおうぜ。この先にいるんだよな?」


祈が直人を見ながら言う。


「おじいさんの話によれば多分」


琉が首をかしげる。


「おじいさん?」


直人が説明をする。


「あぁ~。オレ達は書斎にでてな。そこで会ったじいさんがこの先に管理者がいるから助けて来いって。ナセータもそのじいさんのこと、知ってるはずだぜ…」


ナセータが頷き、口を開く。


「大丈夫。そのおじいちゃん嘘なんてつかない人だし。それにこの量の魔力……………そんなに魔力を量るのが得意ではないわたしですら分かるんだから間違いない……」


琉がナセータを見ながら話を聞き、話し終わった後に道を見ながら言う。


「そっか…じゃあ…………………………行こっか!」



4人は走り再び広間へと出る。4人は同時に驚き、直人が最初に口を開く。


「んだよ……これ………!」


続けて琉も話し始める。


「今まで見てきた聖域とは比べ物にならないね………」

「…………………………」


祈は驚きのあまり声がだせない。

[神聖]そんな言葉が似合っていたこの聖域がこの広間だけどす黒く、ネトっとした赤い液体が所々からもれてきている。ナセータはまわりを見渡す。


「…!……………お父さん!!!」


3人もナセータの見る方向を向く。赤い液体が縄のようになっておりソールドを縛りつるしている。


『…………………………』


4人は何も言わずにソールドを見つめる。

コツ…コツ…

足音が奥から聞こえる。


『っ…………』


4人は同時に音の聞こえる方を見る。


「あぁ~。誰かと思えば忌み子のナセータじゃない………………」


奥から現れたのは他のエルフと比べ身長の高くスラリとした目が真っ赤な女性のエルフ。直人が睨みながら言う。


「テメェ。忌み子とか、そんな言葉をナセータにあびせるんじゃねぇ!」


ナセータが苦しそうな表情で言う。


「リータ様…………」


祈がナセータに近づきコソッと言う。


「あの人がリータさん?」


ナセータがコクリと頷き口を開く。


「うん。でもいつもと違う……………目も、あんなに赤くない……………」

「分かった…!」


祈が真剣な表情でリータを見つめ言う。リータは直人にニコリと微笑み口を開く。


「初対面でいきなりテメェだなんて…………」


リータはすぐに微笑みから睨みに変わって続ける。


「躾のなってねぇ男だこと…」


直人が怒りをあらわにする。リータはまだ続ける。


「だってほんとのことでしょう?〚男で生まれてくればよかったのに…〛ってナセータいったい影で何回言われた?」


リータは笑いながら続ける。


「ナセータは母親の帰りを待ち続けているように演じているけど、どうせ知っているのでしょ?もう死んでるって!」


ナセータは目を見開き俯く。祈がナセータを心配する。


「ナセータ…」


リータがナセータを見て口を開く。


「あら、知らなかったの?あなたは村長にはなれない。仕方のなかったことだと言ってくれる人もいるでしょうけど、あなたを不幸を生む子、忌み子だと言う人は消えない。これが事実よ。」


ナセータが顔を上げる。スゥッと息を吸い口を開く。


「………知ってました。…………………………だから……………………………………………………」 


ナセータはためる。みんながナセータに注目する。


「わたしはこの村が、住人が……………大っ嫌い!!!」

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