お宝ハンター
門野慎太郎はごく普通のごみ屋敷の住人である。毎日良さそうなごみを収穫し、毎日市役所の地域監察委員とひと悶着を起こす、齢55のごみ屋敷の住人である。今日も今日とて、表に積み上げたお宝を誰かが勝手に持ってってないことを確認した後コンビニで無料配布雑誌を持てるだけもらって家路についていた―――のだが。
キュギュイッ!!キュキキキキキイ!!!
ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。
真っ白な空間。門野慎太郎の魂と、女神が対面している。
「門野慎太郎さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」
「はあ。」
「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」
門野慎太郎(55)
レベル37
称号:転生者
保有スキル:お宝ハンター
HP:4
MP:1
「というわけで、いきなり草原に放り出しやがったな?!ふざけんなよ?!」
べよん、べよん。
水色の、ぶよぶよした丸い塊がごみ屋敷の住人の前に現れた!
「はあ?!スライムじゃねえか?!クソみてえななりしやがって…。」
うろたえる、ごみ屋敷の住人。
「保有スキルとかぬかしやがるが、この水っぽい物体のどこに宝要素があるっていうんだ!!…でもまあ、捕獲したら使えるかも?」
うばほん!!!
ごみ屋敷の住人の手に水も吸える掃除機が現れた!これは5年前に拾ってきたやつだ!!
「よーし!こういう時にこそ俺の集めまくったお宝の力が発揮されるわけだ!!ほれ見たことか!!拾ったら何でもお宝なんだよ!!スイッチオン!!」
ずびー!
掃除機はスライムを吸い込んだ!吸い込んだスライムが掃除機本体のヒビから噴き出した!噴き出したスライム汁はごみ屋敷の住人にかかった!
「ぎゃああああああああ!!!」
ごみ屋敷の住人は毒が全身に回って絶命した。
「う、うーん???あれ??」
ごみ屋敷の住人は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。
ごみ屋敷の住人は行きつけのコンビニで無料配布雑誌を持てるだけもらった後家路についた。家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。
「あとちょっと早く通りかかってたらひかれてたんじゃね?!あれ?車のエンブレム落ちてる、拾っていくか…。」
ごみ屋敷の住人は、5LDKの自宅をゴミで埋め尽くした挙句家の中に入ることができなくなり庭で暮らしていたのですが、庭すらもごみであふれて屋根の上で暮らすようになり、屋根も足の踏み場がなくなった時配線出火火事に見舞われて全焼したものの焼けたゴミを片付けることなくさらにごみ収集に努め、60歳の時にごみの中で幸せそうに動けなくなっているのを発見された次の日、ゴミ一つない病院でその命を終わらせたという事です。




