イキリ倒し
高橋一文字はごく普通の問題児である。毎日悪いことを考え、毎日自分の力をひけらかす、齢16の問題児である。今日も今日とて、借りパクしたバイクに乗って、立ち寄ったコンビニでタバコを買おうとして断られてレジカウンターを蹴っ飛ばして外に出た―――のだが。
ギュギギュ―――イッ!!キッイイイイイイ!!!
ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。
真っ白な空間。高橋一文字の魂と、女神が対面している。
「高橋一文字さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」
「はあ。」
「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」
高橋一文字(16)
レベル2
称号:転生者
保有スキル:イキリ倒し
HP:12
MP:1
「つかマジなんなんこれ。」
べよん、べよん。
水色の、ぶよぶよした丸い塊が問題児の前に現れた!
「けっ!キモ!!」
うろたえない、問題児。
「イキリ倒しって何なんwwwマジうぜぇwww」
スライムは今にも襲い掛かろうとしている!
「つかさあ!マジで何なん?俺のことなめとんの?こんな水っぽいやつに俺が負ける訳ねーべwww」
なんだこいつ!失礼なやつだな!!スライムはとびかかった!!
ずぐっちゃー!!!
問題児がとびかかるスライムに拳を向けてうけとめる!会心の一撃!スライムの体は、四方八方に飛び散った!
てれれてっててーーー!!!レベルが上がった!問題児はレベルが8になった!巻き舌を覚えた!!アッパーカットを覚えた!悪だくみを覚え…
「ぎゃあああああああああああ!!!」
そうだね、案の定だね!問題児は拳やら顔やら飛び散ったスライムの体液の毒を浴びまくって絶命した。
「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」
問題児は時間を巻き戻されて、借りパクしたバイクの前に立っていた。借りパクしたバイクの前で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。
問題児が借りパクしたバイクに乗って、立ち寄ったコンビニでタバコを買おうとして断られてレジカウンターを蹴っ飛ばして外に出た時、車の暴走事故が発生していた。
「けっ!だっせえ事故起こしてんじゃねーよ!!」
問題児は、事件ばかり起こしていたものの事故って総入れ歯になって以来牙をむくことが難しくなったのか学ぶことに興味を持ち始め、22を過ぎて高校に通い大学を卒業したのち教師となり多くの道を踏み外しそうな子供たちを更生させることができたのですが、67歳の時借りパクバイクに乗った中学生にひかれてこの世を去ったという事です。




