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ワン

ポチはごく普通の柴犬である。毎日散歩に行って、毎日ドッグフードを食べる、齢7の柴犬である。今日も今日とて、散歩帰りに、行きつけのコンビニ前でおとなしくご主人様の買い物が終わるのを待っていた―――のだが。


キイイイイイ!!キキュイイイイイイイイイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。



真っ白な空間。ポチの魂と、女神が対面している。


「ポチさん、あなたは気の毒ですが犬生を終えてしまいました。転生してもらいます。」

「わん。」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」



ポチ(7)


レベル54


称号:転生犬


保有スキル:ワン


HP:8

MP:65



「うー、わん」


べよん、べよん。

水色の、ぶよぶよした丸い塊が柴犬の前に現れた!


「わん!!わんわんわんわん、うーーーー!」


うろたえる、柴犬。


「わん」


にらみ合う、柴犬とスライム。


べよんべよん!!

水色のぶよぶよが柴犬に迫る!!


「ぅううううー!がるる・・・・うがぅうううう!!!わんっ!!!」


柴犬はずいぶん長い間威嚇してスライムに対峙していたが、スライムが放った水攻撃に怯んでしまい尻尾を巻いて逃げ出してしまった。逃げた先に、野蛮な魔物がいて、そのまま狩られて食料となった後、毛皮と牙は金貨245枚と交換された。



「う、うーわんっ!」


柴犬は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前で待っていた。コンビニ前で待つ前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。


柴犬はコンビニ前でおとなしくご主人様の買い物が終わるのを待ったあと、家路についた。家の近くのコンビニで、車の暴走事故が発生していた。


「ううー、わん、わん、わおーん。」


柴犬は、首輪が劣化していて抜けたのをこれ幸いと飼われていた家から脱走し、道に迷って弱り切っていたところを保護されましたが元の飼い主の家に戻ることはなく、二番目に出会った飼い主のもとで14歳まで生きたのち、花壇横にお墓を作ってもらって花に囲まれて眠っているとのことです。


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― 新着の感想 ―
[一言] 犬だけレベル高くないですか? そして、セリフが鳴き声だからか、シュールさが際立つという。
[良い点] 8/8 ・『転生犬』がジワる。 [気になる点] 金貨245枚。やっぱりチートの影響か。 [一言] 今ワンコのモフモフ話を書いてます。間に合うかな?
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