おかあさんのおべんとう
高見颯真はごく普通の幼稚園児である。毎日お絵描きをして、毎日お母さんのお弁当を食べる、齢5の幼稚園児である。今日も今日とて、幼稚園バスに乗って家に帰った後、行きつけのコンビニでお母さんにマシュマロとゴリゴリ君プレミアム牛乳味を買ってもらって家路についていた―――のだが。
キキ―――キッ!!キッキイイイイイイイ!!!
ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。
真っ白な空間。高見颯真の魂と、女神が対面している。
「高見颯真さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」
「え?」
「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」
高見颯真(5)
レベル1
称号:転生者
保有スキル:おかあさんのおべんとう
HP:5
MP:2
「ここ、どこ―――――?!」
べよん、べよん。
水色の、ぶよぶよした丸い塊が幼稚園児の前に現れた!
「えっ…スライム!!こわいよぅ…」
うろたえる、幼稚園児。
「あ、おかあさんのおべんとうが、ここにある、これあげたらたすけてくれるかも?」
幼稚園児はお母さんのお弁当をスライムに差し出した!スライムはお弁当をじっと見ている!小さなおにぎり、ミートボール、卵焼き、プチトマト、ポテトの牛肉巻きにブロッコリー。
「ぼくたべさせてあげる。」
幼稚園児はフォークでミートボールを突き刺してスライムに差し出した。スライムはぱくりとミートボールを食べた…美味い!!!スライムはすすめられるままにすべてのお弁当を食べてしまった。
「ぼくのなくなっちゃった。おなかすいた…。」
スライムは申し訳ないと思ったので、自分のお弁当を分けてあげることにした。水色の、プルプルのゼリーを幼稚園児に差し出す。
「もらっていいの?ありがとう!!」
ぱくり
フォークで刺したゼリーを口に入れた瞬間、幼稚園児は毒が回って絶命した。スライムは大変なことをしてしまったと反省し、証拠隠滅のために幼稚園児を捕食した。
「う、うーん???なんかへん…??」
幼稚園児は時間を巻き戻されて、コンビニの入り口にお母さんと一緒に立っていた。コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。
幼稚園児はコンビニでお母さんにマシュマロとゴリゴリ君プレミアム牛乳味を買ってもらってから帰路に就いた。家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。
「こわいねえ・・・。」
幼稚園児は、その優しさが幸いしてずいぶん同級生にモテた後身長が伸び悩んであまりモテなくなりましたが、小さいことを気にしない豪快な女性と出会って大恋愛をしたのち結婚し近所でも有名な子だくさん家族になり、77歳で倒れて入院した時には病室外に列で並んで面会待ちをするくらい孫ひ孫に囲まれて、大変な騒動になった次の日病室で愛する妻ただ一人に看取られてこの世を去ったという事です。




