お手当てしますよ!
横井洋子はごく普通の看護師である。毎日患者さんの血圧を測り、毎日病室を巡回する、齢29の看護師である。今日も今日とて、夜勤を終えた後、行きつけのコンビニで食パンとコーンスープを買った後家路についていた―――のだが。
キキキイッ!!キキキキキイイイ!!!
ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。
真っ白な空間。横井洋子の魂と、女神が対面している。
「横井洋子さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」
「はあ。」
「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」
横井洋子(29)
レベル30
称号:転生者
保有スキル:お手当てしますよ!
HP:25
MP:12
「というわけで、いきなり草原に放り出されちゃったよ…まじか…。」
べよん、べよん。
水色の、ぶよぶよした丸い塊が看護師の前に現れた!
「ええ?!スライムっ!武器も何もないのに、どうするのよ、これっ!」
うろたえる、看護師。
「そうだ!試してないよね、保有スキル…はあ?!お手当てしますよぉ?!何これ!!看護師がそんなぬるい言葉吐くとおもっとんのかい!!そもそも医者がおらんとこっちはなんもできんわい!!手当してやるから診断下す医者呼んでこい!!医者ああアアア!!!」
スライムはあまりの看護師の剣幕に恐れ戦いて逃げ出した!
「まったく看護師やってるってだけで勝手にやさしい人扱いしたりする風潮何とかなんないわけ?ちょっとした切り傷1つでお手当てお願いしまちゅとかおっさんに言われるこっちの身にもなってみろよ!!!」
ずしん、ずしん…
草原の端から山のような大きさのサイクロプスが現れた!…聴診器が首元にかかっている!どうやら医者のようだ!サイクロプスは、自分を呼んだものをうろうろと探し回っていたが小さすぎる看護師に気が付くことなくプチっと踏みつぶしてしまった。
「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」
看護師は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まった前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。
看護師は行きつけのコンビニで食パンとコーンスープを買った後家路についた。家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。
「もう少し早く通りかかってたらまた病院に逆戻りだったやつじゃん!こわ!!」
看護師は、毎日患者さんに寄り添っていたもののいまいち恋人には優しくすることができずバリバリ働くことでそのストレスを発散していましたが、盲腸にかかって入院することになった時いろいろと思うことがあって考え方と態度を改めるようになり、やさしすぎるナースとみんなに呼ばれるようになったのち伴侶に恵まれやさしいお母さんになりやさしいおばあちゃんになり81歳でこの世を去ったという事です。




